戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第517話 漆黒の紅

キングシトエルのレーザーがE6 こまちとE7 かがやきを飲み込んだ頃、外では人物が戦いを静観していた。

 

?「シンカリオン…恐レル程デモナカッタカ」

 

キングシトエルのレーザーに飲み込まれたE6 こまちとE7 かがやきを見て人物はそう呟く。

 

?「シンカリオンヲ、甘ク見ルナ」

 

呟いた人物に反論するように第二者の声がした。

 

?「!?」

 

声に驚き振り向くとそこには1人の人物が浮遊していた。

 

?「マサカソッチカラ来ルトハナ。ゲンブ」

 

身長が2m以上と高く、全身を黒曜石で覆われ、右胸に赤い六角形がある人物―以前はハヤトたちと敵対していた存在『地の底より這い上がりし種族 キトラルザス』の1人であったが今はハヤトたちの仲間『ゲンブ』を見て言う。

 

ゲンブ「ソッチモ息災ノヨウダナ、メノウ。マサカ生キテイタトハ驚イタゾ」

 

ゲンブはキングシトエルをけしかけた人物―『メノウ』を見て言う。

 

メノウ「アノ時、俺ハトラメ達二裏切ラレ次元ノ狭間ヲ彷徨ッテイタ。ダガソコデ出会ッタ」

 

ゲンブ「何?」

 

メノウ「ソノオ方カラ俺ハ"コノ世界二オイテ光モ闇モ存在シナイ、アルノハ混沌ダケダト"教エラレタ」

 

ゲンブ「誰二教エラレタ?」

 

メノウの話を聞いてにそう問うゲンブ。

 

メノウ「教エルモノカ。キトラルザスヲ裏切ッタオ前達二!!」

 

問われたメノウはそう言って右手から赤い光線を発射した。

 

ゲンブ「!?」

 

突然光線を撃たれてゲンブは反応できずに直撃を受けてしまう。

 

直撃を受けたゲンブの姿は爆発の中に消えてしまった。

 

メノウ「ゲンブ、オ前ハサッキ言ッタナ。"シンカリオンヲ、甘ク見ルナ"ト。ダガシンカリオンハキングシトエルノ前二敗レ去ッタゾ」

 

爆発の中に消えたゲンブを見てメノウは言う。

 

ゲンブ「何モ、間違ッテハイナイ」

 

メノウ「何!?」

 

爆発の煙が晴れて中から無傷のゲンブが現れて言う。

 

ゲンブ「シンカリオンハ、人間ノ進化ノ証。ソシテソレハ俺達ノ証トナル」

 

メノウ「何ヲ言ッテ…マサカ!?」

 

ゲンブの言葉を聞いてメノウは捕縛フィールド内に目を向ける。

 

 

 

爆発に包まれたE6 こまちとE7 かがやき。

 

その時だ。

 

ファアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

キングシトエル「!?」

 

突然聞こえた汽笛にキングシトエルは驚いたのか僅かに身を下げた。

 

その瞬間、爆発の煙からE5に似た赤いモードシンカンセンが出現してキングシトエルに体当たりして吹き飛ばした。

 

吹き飛ばされた衝撃でE5 はやぶさMkⅡとE3 つばさアイアンウイングがキングシトエルから解放された。

 

?「チェンジ、ブラックシンカリオン!!!」

 

キングシトエルを吹き飛ばした赤いE5は運転士の掛け声と共に変型した。

 

《ブラックシンカリオン紅!!》

 

モードシンカリオンとなった新幹線―『ブラックシンカリオン紅』となった。

 

ハヤト「せ…」

 

『セイリュウ!!!』

 

ブラックシンカリオン紅の運転士―以前はゲンブと同じくハヤトたちと敵対していた存在『地の底より這い上がりし種族 キトラルザス』の1人であったが今はハヤトたちの仲間『セイリュウ』の名前を叫ぶ。

 

セイリュウ「待たせたな。さあ、反撃開始だ!!」

 

キングシトエルに構えながらセイリュウは言う。

 

ハヤト「来てくれたんだ、セイリュウ!」

 

セイリュウ「まあな。しかし、ここまでお前たちを苦戦させるとは、なかなかの奴みたいだな」

 

ハヤトたちを苦戦させたキングシトエルを見てセイリュウは言う。

 

アキタ「あぁ。あのバリアが一番厄介だ」

 

苦戦している要因であるATフィールドのことを言う。

 

セイリュウ「なるほど。だが、どんなに硬かろうとブラックシンカリオン紅には敵うものか!!」

 

セイリュウがそう言うと二振りの剣―『ダークカイサツソード紅』を出してキングシトエルへ向かっていく。

 

向かってくるブラックシンカリオン紅にキングシトエルは頭部の正八面体からレーザーを発射して迎撃しようとする。

 

セイリュウ「遅い!!」

 

迎撃してきたキングシトエルのレーザーをブラックシンカリオン紅は他のシンカリオンより高速で移動して回避する。

 

回避されながらもキングシトエルはレーザーを発射するがレーザーが着弾するのは捕縛フィールド内の地面ばかりでブラックシンカリオン紅には全く当たらなかった。

 

キングシトエルの攻撃を全て回避したブラックシンカリオン紅は目の前まで到達すると跳躍して顔面をダークカイサツソード紅で斬りかかる。

 

しかしATフィールドがそれを阻む。

 

セイリュウ「確かに硬いな…だが、このブラックシンカリオン紅を甘く見るなぁ!!」

 

吼えるセイリュウ。

 

同時に展開されていたATフィールドが破壊され、ダークカイサツソード紅がキングシトエルの顔面に叩き込まれた。

 

キングシトエル「キィヤアァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

顔面を斬られてキングシトエルは初めて悲鳴のような声を上げた。

 

『よし!!』

 

手こずっていたATフィールドを突破したブラックシンカリオン紅を見てハヤトたちは言う。

 

 

 

響「すごい…あのバリアを破るなんて…」

 

リル「かう…」

 

自分たちが破ることすら敵わなかったATフィールドを突破したブラックシンカリオン紅を見て響とリルは言う。

 

出水「あのシンカリオンは他のシンカリオンよりもスペックは格段に上でね。その分、運転士はかなりの負担がかかるが…これなら勝てる」

 

形勢がが逆転したと思い、出水は言う。

 

だが…。

 

本庄「出水指令長!捕縛フィールドの外から巨大な金属反応を検知!捕縛フィールド内に突入します!!!」

 

出水「なんだと!?」

 

本庄の報告を聞いて出水は驚くのだった。


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