戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第521話 その名はメノウ

ハヤト「助けてくれてありがとう、みんな」

 

響、リル、スザク、セイリュウに言う。

 

セイリュウ「礼なんていい」

 

スザク「そうよ。困った時は何とかって言うでしょ」

 

お礼を言うハヤトにセイリュウとスザクは言う。

 

ハヤト「そうだね。それにしてもあの巨大怪物体…どこにいったのかな」

 

響「あの、ロボットが倒されて不利に思ったのかな?」

 

アキタ「いや、奴にはブラックシンカリオンでなければ破壊不可能なバリアがあった。俺とツラヌキ、そしてセイリュウは一旦は戦線を離脱していたから早々には戻ってこれなかった。なら、奴には不利な状況は一切ないはずだ」

 

消えたキングシトエルのことをアキタはそう予測する。

 

ツラヌキ「確かに言われてみればそうだな」

 

アキタの推測にツラヌキは納得する。

 

シノブ「じゃあ、なんであの巨大怪物体は撤退なんかしたんだ?」

 

アキタ「それが分かれば苦労はしない」

 

シノブの疑問にアキタは言う。

 

ゲンブ「ソレニツイテハ俺ガ話ソウ」

 

キングシトエルの行動に疑問が浮かび上がっているとゲンブが入ってきた。

 

リル「かう!?」

 

急に大きな人間が現れてリルは驚き、響の側まで逃げるように行く。

 

ゲンブ「オ前タチガ別世界ノ人間ト人間トハ異ナル進化ヲ遂ゲシ者カ」

 

響と響の方へ逃げて行ったリルを見てゲンブは言う。

 

響「はい。私は立花 響です!こっちはリルくんって言います!」

 

リル「かう…」

 

ゲンブに言われて響は自身とリルのことを紹介する。

 

ゲンブ「俺ノ名ハ"ゲンブ"。スザク ト セイリュウ ト同ジ"キトラルザス"ノ者ダ」

 

響とリルにゲンブは名乗る。

 

響「ゲンブさんですね。よろしくお願いします!」

 

自己紹介してきたゲンブに響はそう言うと右手を差し出して握手を求めた。

 

それを見たゲンブは無言のままそれに応じた。

 

スザク「それで。あの怪物体のこと、アンタなんか知ってんの?」

 

話題を戻してスザクは聞く。

 

ゲンブ「アァ。奴ガ…メノウ ガ コノ星二来テイル」

 

スザク・セイリュウ「「!?」」

 

メノウの名を聞いてスザクとセイリュウは驚いた。

 

シャショット『"メノウ"とは誰のことでゴザマスカ?』

 

聞いたことのない名前にシャショットが聞いて来た。

 

ゲンブ「メノウ ハ俺タチト同ジ キトラルザス ノ1人ダ。奴ハ俺タチト似タヨウ二他者ヲ観察シ、研究スルコトニ長ケテイタ」

 

"メノウ"が自分たちと同じキトラルザスの者であるというゲンブ。

 

セイリュウ「だがアイツは俺たちとは違い、トラメたちと一緒に宇宙へ行くはずだった」

 

スザク「でも、トラメとソウギョクによって異次元へ飛ばされたのよ」

 

ハヤト「どうして?」

 

ゲンブ「奴ニハ、他ノ キトラルザス ガ持チ合ワセテイナイ能力ガ有ッタ」

 

響「何ですか、それ」

 

ゲンブ「ソレハ…アル怪物ヲ呼ビ寄セル能力ダ」

 

アキタ「何だ、その怪物ってのは」

 

ゲンブ「ソレハ…」

 

そこまで言うと全員の空気が一気に緊張へ走る。

 

どれほどの怪物なのかと思っていたからだ。

 

ゲンブ「ソレハ…分カラナイ」

 

その一言で全員(スザクとセイリュウを除く)がずっこけた。

 

ツラヌキ「あれだけ溜めて分かんねーのかよ!」

 

すぐさまツラヌキが起き上がってゲンブに文句を言う。

 

ゲンブ「仕方アルマイ。メノウ ガドレホドノ怪物ヲ呼ビ寄セルノカハ本人二シカ分カラナイノダカラナ」

 

文句を言われてゲンブはそう言い返す。

 

響「そうなんですか…」

 

スザク「ともかく、次に奴が現れたらまたあの巨大怪物体も現れるわ。それまでに他の対抗策を講じないとかなり苦戦するわよ」

 

ハヤト「よし、そうと決まれば特訓開始だ!」

 

勢いよく起き上がったハヤトが率先して言うのだった。

 

 

 

その頃、旧キトラルザス拠点地下ではメノウがいた。

 

メノウ「ナンノツモリダ!?ナゼ 俺ノ名ヲ騙リ ゲンブ ヲ騙シタ!!」

 

声を荒げてメノウは相手に叫ぶ。

 

するとメノウの影から蒼と黒が入り混じった煙のようなオーラで赤い目のような部分がギロリとメノウを睨み付けた。

 

?『フフフ、別に良いではないか。君と私の間ではないか』

 

紳士的な声でオーラはメノウに言う。

 

メノウ「フザケルナ!ゲンブ タチニハ手ヲ出サナイ約束ノッハズダ!!」

 

?『やれやれ。しょうがないな、君は』

 

少し呆れたオーラはメノウの体に入り込んだ。

 

メノウ「グゥ…アグァ…ヌアァァァァァァッ!!!!」

 

苦しみ始めたメノウは体から蒼と黒が入り混じったオーラが出て岩壁や柱にぶつけていた。

 

?『いい加減に言う事を聞いてくれないか?流石の私もキレそうだ』

 

背から出るオーラが人の仮面付けた顔に似た形になるとメノウに言う。

 

メノウ「フザ…ケルナ!…俺ハ…オ前ノイウ事ナド…」

 

?『聞く気はないのだろう…少し君には失望したよ。』

 

オーラはそう言うと白黒の光線をメノウに浴びせた。

 

メノウ「グアァァァァァァァァァァァ!!!」

 

白黒の光線を浴びて声を上げるメノウ。

 

?『悪いが君の意識は奪わせてもらうよ』

 

白黒の光線をメノウに浴びせながらオーラは言うのだった。

 

メノウ「ア…アァァァァァ…………」

 

白黒の光線を浴び続けたメノウは声が出なくなり、目は怪しい赤い色で濃ゆく光っていた。

 

?『さあ、君の力で奴を呼び寄せるんだ』

 

オーラの指示を聞いてメノウは頷くと右手を天高く上げると一筋の薄紫色の光を発射した。

 

発射された光はそのまま地底から地上へ、地上から大気圏を超えて宇宙へ行き、元銀河系の惑星であった冥王星付近まで行くと巨大な穴をあけた。

 

?「ニュガアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

空いた穴から1体の巨大な丸っこい体をした怪物が出現した。

 

怪物はそのまま穴からでると地球へ向けてゆっくりと動き出した。

 

?『これで準備は万端。あとはこのことにまだ気取られないようにしなくてはな』

 

怪物が出現したことを感じてオーラが言うと目の前にキングシトエルが出現した。

 

?『おや?主の敵討ちかな?』

 

オーラが挑発するように言うとキングシトエルは正八面体からレーザーを発射した。

 

?『フッ』

 

着弾してオーラはレーザーに飲み込まれた。

 

だが、その瞬間にキングシトエルに白と黒、蒼の光線が襲い掛かった。

 

キングシトエル「!?」

 

襲い掛かってきた光線に驚きならもキングシトエルはATフィールドを展開するが光線は易々とATフィールドを打ち破った。

 

キングシトエル「キヤオォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

光線が命中して悲鳴を上げるキングシトエル。

 

?「フフフ、使徒だか巨大怪物体だか知らないが私からすればお前など足元にも及ばない。このまま私の力となれ!!」

 

光線を放つ者―基本的なカラーリングは青。胸の部分はX字のプロテクターのようなもので覆われており、鎧を纏っているように見え、腕や足の部分にベルトのようなものが見受けられ、プロテクターの形状と相まって鎧というよりは、むしろ全身に拘束器具を身に付けているようにも見える、仮面を付けたような顔が特徴の巨人は言いながら光線の威力を上げる。

 

威力の上がった光線によりキングシトエルは爆散する。

 

爆散したキングシトエルは光の粒となって巨人の左手に集まり、キングシトエルの形が掘られた指輪になった。

 

?「フフフ。さあ、諸君。ゲームの始まりだ!!」

 

キングシトエルの指輪を見て巨人はそう言うと右手からキングシトエルを含む6つの指輪を出すと白黒の光を浴びせて投げた。

 

すると投げられた指輪からキングシトエルと5体の恐竜型のロボットが出現したのだった。


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