戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第530話 事情説明2

クリス「すげーボロボロだな」

 

E5 はやぶさMkⅡの乗客車両から降りてきたクリスはガイスターたちとシンカリオン、カイザーズとの激戦の跡と化している整備区画を見て言う。

 

翼「宇宙海賊の襲撃を受けたのだ、しかたあるまい」

 

同じくE5 はやぶさMkⅡの乗客車両から降りてきた翼が言う。

 

切歌「およー!調、マリア!見るデスよ、ロボットがあんなにいっぱいいるデス!!」

 

エクスカイザーに戻ったキングエクスカイザーとマックスチーム、合体を解除したレイカーブラザーズのカイザーズとE6 こまちを含めたのシンカリオンたちを見て切歌は興奮気味に言う。

 

調「いっぱいいるって聞いたけどこんなに沢山…」

 

マリア「藤尭さんが見たら興奮しそうね」

 

興奮気味の切歌を見ながらカイザーズとシンカリオンを見る2人。

 

響「ねぇ、未来。あのシンカリオンに乗ってるのって…」

 

500_TYPE_EVAの後ろからついて来た0_TYPE_GODZILLAの運転士を半ば察しながら響は聞く。

 

未来「うん、たぶん響が思ってる人だよ」

 

聞かれた未来は響にそう答えた。

 

そして0_TYPE_GODZILLAの扉が開いて1人の車いすに乗った少年が出てきた。

 

黒い髪に、日焼けした黒い肌、紅い目をして、背中から尾骨辺りから生えた尻尾の先まで段々と小さくなっているステゴサウルスに似た背鰭を持っているのが特徴の少年、リルの父にして初代怪獣王 ゴジラとして響たちと共に様々な脅威と戦い続けた『ガウ』であった。

 

響「やっぱり、ガウくん!!」

 

リル「かうかう!」

 

0_TYPE_GODZILLAの運転士がガウだと分かるなり響とリルは向かっていく。

 

ガウ「がうがう~♪」

 

向かってきた響とリルを見てガウはその方向に車いすを向けた。

 

リル「かうかう~!!」

 

一目散にガウへ飛び込むリル。

 

それをガウは受け止めてキャッチした。

 

響「ガウくーん!」

 

リルに続き、響もダイブしてキャッチしてもらおうとするがガウは素早く車いすを後ろへ下げて避けた。

 

響「ゲボウォ!!!」

 

ド派手に体全体で地面に激突する響。

 

響「な、なんで避けるの~……」

 

顔を上げて響は言う。

 

ガウ「がう、がうがうがう」

 

訳:え、何となく

 

避けたことを聞かれてガウはそう答えた。

 

 

 

出水「初めまして、私は新幹線超進化研究所東日本指令室指令長兼シンカリオンの指令を務めております、出水 シンペイといいます」

 

エクスカイザー率いるカイザーズ、響以外のシンフォギア装者、初代怪獣王 ゴジラことガウ、別世界のシンカリオン運転士 碇 シンジに挨拶する出水。

 

エクスカイザー「私はエクスカイザー。ガイスターを追って来た宇宙警察です」

 

翼「国連直轄のタスクフォースS.O.N.G.所属の風鳴 翼といいます」

 

マリア「同じくマリア・カデンツァヴナ・イヴよ」

 

ガウ「がうがうー、がうがうがう」

 

訳&メモ:初代怪獣王 ゴジラ、ガウだよ

 

シンジ「シンカリオン500_TYPE_EVA運転士、碇 シンジです」

 

出水の挨拶の後それぞれの所属する組織の代表が挨拶した。

 

出水「今回は皆さんのおかげで何とかなりました。研究所を代表してお礼を言わせてください」

 

翼「気になさらないでください出水司令官。私たちも仲間が随分とお世話になったようで」

 

ガウ「がうがうー」

 

訳&メモ:僕の息子もね

 

お礼を言う出水に響とリルがお世話になったことを言う。

 

ガウ「がうがうがうーがう」

 

訳&メモ:ほーんと、お世話になりましたぁ~

 

さっきよりドスの入った声でガウは同じことを言う。

 

どうやらE5 はやぶさMkⅡたちが勘違いでリルを攻撃したことに少なからず怒っていたようだ。

 

それを聞いて出水は背中から冷や汗がツツーっと流れるのを感じた。

 

かつて子供を攫われた腹いせに数千体の怪獣たちを呼び寄せた最大最強の王の逆鱗に危うく振れかけたのだ、そうなればこの世界が怪獣惑星となっていたかと思うと焦りは計り知れなかった。

 

出水「それで本題に入りますが、あなたがどうやってこの世界へ?」

 

カイザーズ、翼たち、そして同じシンカリオン運転士でも別世界の住人であるシンジがこの世界にそうやって来たのかと聞く。

 

エクスカイザー「私たちはある星から知らせを受けたこの世界へやって来たんです」

 

出水「ある星?」

 

エクスカイザー「その星はM78星雲にあるといわれ、宇宙のバランスを守る超人たちが住むウルトラの星です。私たちはウルトラの星から発信された宇宙電波を解析し、邪悪な存在をキャッチしたんです」

 

出水「邪悪な存在、ですか?」

 

エクスカイザー「はい。その名はトレギアと呼ばれる悪のウルトラマンと聞き及んでいます」

 

出水「トレギア…いったい何者か分かりますか?」

 

"トレギア"なる者が何者なのかと出水は聞く。

 

エクスカイザー「それが、その後すぐにダイノガイストが蘇り、さらに逮捕したはずのガイスターたちが脱走したと聞いて急がなくてはと思い途中でワームホールに入りこの世界へ来たもので…」

 

最後までウルトラの星から発信された情報を受信する前にダイノガイスト率いるガイスターが現れたと言うエクスカイザー。

 

出水「そうですか…それであなた方は?」

 

エクスカイザーたちの理由は分かって次にシンジと翼たちの方を見た。

 

シンジ「ガウくんたちに会うために僕は500_TYPE_EVAを真っ黒にしてわざと巨大怪物体がいる場所に現れていたんです」

 

出水「なぜそんなことを?」

 

シンジがわざわざ自身のシンカリオンを黒く塗ったことを聞く出水。

 

シンジ「そうした方がガウくんたちと早くコンタクトが取れると思ったんです。でもそれより前に2人がこの世界に飛ばされてしまったので」

 

マリア「2人の行方を捜していた私たちは彼とコンタクトを取ってガウの乗っているシンカリオン0_TYPE_GODZILLAを製造したの。もちろん下半身が動かないガウの為に下半身部分はオートで動くようにしてね」

 

翼「その際、あの機体に並行世界同士を繋ぐ力がある完全聖遺物 ギャラルホルンの欠片を組み込み、彼と共にこの世界へ来ました。ただそれだけでは上手くこの世界に来られなかったのでリルの持つ波長をガウに感知してもらい、それを目印に来たんです」

 

自分たちがこの世界へ来た経緯と下半身が動かないガウがなぜシンカリオン運転士となったのかの経緯を話す3人。

 

出水「そうですか」

 

エクスカイザー「出水司令官。差し出がましいようですがここは共通の敵を持った者同士、協力関係を敷きたいのですが」

 

翼「我々も同じ事を考えていました。どうでしょう」

 

シンジ「僕もです」

 

出水「それはこちらにとっても願ったりかなったりです。是非お願いします」

 

思いがけない協力の申し出に出水は言う。

 

ここに宇宙警察・超進化研究所・S.O.N.G.・怪獣の四大勢力が一つとなった。

 

 

 

旧キトラルザス本拠地地下ではダイノガイスト率いるガイスターたちがいた。

 

ダイノガイスト「この俺様の邪魔をしおって…貴様、何様のつもりだ!!!」

 

怒りながらダイノガイストはメノウ…いや、メノウに憑り付いた悪のウルトラマン―『ウルトラマントレギア』に向かって言う。

 

トレギア「"何様"?君を蘇らせた恩人かな?違うなら言ってみてごらん」

 

ダイノガイスト「くっ…」

 

あの時、エクスカイザーが合体した最強形態と月面で壮絶な戦いを繰り広げ、自分を生きたまま逮捕しようとしたエクスカイザーへの皮肉を込めた自決をしたことがある。

 

だがその後、トレギアにより蘇らせられた上にプテラガイストたちを助け出したくれた。

 

ダイノガイストたちガイスターにとってトレギアは確かに"恩人"でしかなく、言い返せなかった。

 

トレギア「まあ、今回ばかりは不確定要素が多すぎた。次は上手くしてくれるだろ?」

 

ダイノガイスト「分かっている。今度こそエクスカイザーに目にもの見せてくれるわ!!!」

 

言い返せなかったダイノガイストは怒りの矛先をエクスカイザーへ変えてそういうとプテラガイストたちと共にその場を後にする。

 

トレギア「全く、扱いが難しい奴だ。だがまあいい、もうすぐ災いが降り注ぐ。この星が無残な姿となるのをNo.6に見せつけてくれる!ククク…クハハハハハハ!!!」

 

その場から去って行ったダイノガイストたちを見てトレギアはそう言うと不適な高笑いをするのだった。


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