響たちが協力体制を敷いて翌日、超進化研究所は現在発令室にて破壊された捕縛フィールドの衛星のカメラ映像を分析されていた。
そこに映し出されのは巨大な黒い戦闘機がミサイルを発射していた。
少し前に戻して戦闘機がミサイルを発射する少し前で映像を止めた。
エクスカイザー「間違いない、ダイノガイストだ」
無事だった整備区画と発令室の連絡コードを利用して発令室の映像を見せてもらっていたエクスカイザーは衛星を破壊したのがダイノガイストのビークルモードであると確定していた。
出水「やはりそうか」
戦闘機を見て出水は薄々気づいていたのか呟く。
エクスカイザー「奴らの狙いはおそらくこの整備区画を破壊してシンカリオンを動けなくすることだと思われます」
そう予想するエクスカイザー。
どんなに強い機体でも損傷はするし、損傷しなくてもメンテナンスしなければ100%の性能を発揮できないのである。
現在整備区画はハヤトたちや響たち、レイカーブラザーズ、マックスチームが整備員たちと共にガイスターとの戦闘で破壊された整備区の修復作業を行っていた。
出水「そうなりますね。ご意見、ありがとうございます、エクスカイザー」
エクスカイザー「いえ、私も協力出来て光栄です。では、みんなの手伝いに戻ります」
そう話すとエクスカイザーはコードから自身のコードを抜いた。
ガウ「がう!」
破壊された天井から落ちてきた瓦礫をガウは車いすに乗った状態で持ち上げると上へ投げた。
リル「かう!!!」
ガウが投げた瓦礫をリルが跳躍して百裂拳のような技を繰り出して瓦礫を粉々に砕いた。
砕かれた瓦礫は真下にあった荷台に落ちていく。
全て砕き終わると、リルは着地して荷台を押して瓦礫を1か所に集めている場所へ運んでいく。
響「あう~…」
頭に大きなたんこぶを作った響と少し不機嫌な未来が箒で埃や砂利をはわいていた。
理由は響が出水に言った虚偽の情報がバレてしまい、未来にお仕置きされてしまったのだ。
翼とマリアはみんなの昼食の買い出しをアズサとスザクと共に向かっている。
理由は…翼なのでお察しください。
ハヤト「うおほー!!0系新幹線だぁ!!!」
整備区の中で無事な場所に止まっているガウが乗ってきたシンカリオン―『0_TYPE_GODZILLA』を見て掃除そっちのけで興奮するハヤト。
ゲンブ「驚イタナ。コノ新幹線ハ現役ヲ引退シタト聞イテイタガ…」
同じく掃除そっちのけで言うゲンブ。
理由は東海道・山陽新幹線における初代の営業用電車である0系新幹線電車の営業運転終了しており、ガウが乗っていたのはそれに分類されるので驚いていた。
クリス「ん?何してんだ、お前ら」
そこへ掃除をしていたクリスがやって来て聞いてきた。
ハヤト「あ、響さんのお友達の…」
ゲンブ「クリスチャン…ダッタカ?」
クリス「クリスだ!雪音 クリス!!!」
ゲンブに宗教の人みたいに言われてクリスはツッコミがてら言う。
ゲンブ「スマナイ。響カラハ"クリスチャン"ト聞イテイタガ…」
ゲンブの言い分を聞いてクリスはずっこけた。
"チャン"は"チャン"でも"クリスチャン"ではなく敬称の方の"ちゃん"であると分かったからだ。
クリス「アイツは後でシバクとして…そんなにこの新幹線が珍しいのか?」
ハヤト「うん!0系新幹線が動いてしかもシンカリオンに変形するんだよ!興奮しないわけにはいかないよ!!!」
ゲンブ「新幹線ガ好キナ者ナラナオサラダ」
"世界初の高速鉄道車両"である0系が動いて、シンカリオンに変形するというのを目の当たりにして新幹線好きのハヤトは興奮気味に、同じく新幹線好きとなったゲンブもハヤトよりトーンは低めだが興奮しているように言う。
クリス「………喜んでるところ悪いんだが。この新幹線、ガウが1回ぶっ壊したのを修理した奴だぞ」
ハヤト・ゲンブ「「え…/エ…」」
0_TYPE_GODZILLAの元となった0系新幹線がかつてガウがゴジラとして日本に上陸した際に破壊したことを聞いて2人は唖然とした。
ハヤト「なんで新幹線壊したのぉ!?」
顔を大きくしてクリスに詰め寄って聞くハヤト。
クリス「そりゃあ、仕方ない事情があったんだよ」
ゲンブ「何ダ、ソノ事情トハ?」
クリス「あんまり言いたくはないんだがな…」
ゲンブに聞かれてクリスは自分たちの世界においてガウがどのような生を受け、その後の怪獣生を送って来たかを話した。
ハヤト「そんなことがあったんだ…」
最初は恐竜としての生を受けたがその後、原爆の放射能により怪獣となり、世界へ…人類への復讐を誓ったガウのことを聞いてハヤトは言う。
響からある程度は聞いていたがもう一度聞くと同情したくなる部分もあった。
たった1人生き残ったガウがどんな思いを持ち、人類に向けていたか…。
それを考えるだけで胸が痛くなった。
ゲンブ「何故ガウ ハ マタ人類ヲ信ジルヨウニナッタ?」
話を聞いたゲンブは家族を皆殺された復讐をしようとしていたガウがまた人類を信じ、あまつさえ人類と共に地球を守るという行為をしているのかと聞く。
クリス「それもこれもあのバカのおかげだよ。アイツが最後までガウを信じていたからアイツも亡くした家族と同じぬくもりを感じられてんだ。だからもう1度人類を信じるようになったんだよ」
バカこと響のおかげでガウがもう1度人類を信じ、共に地球を守ることにしたと言うクリス。
ゲンブ「ソウカ…響ハ ハヤト ノヨウナ人間ナノダナ」
ハヤト「え?それってどういうこと?」
ゲンブ「ソノママノ意味ダ」
言葉の意味を聞いてきたハヤトにゲンブはそう言ってはぐらかした。
調「そこの3人!」
切歌「サボってないで早く手伝ってほしいデスよ―!!」
そこへ調と切歌の2人が叫んで言う。
クリス「おう、分かったからちょっと待ってろ!ほら、早く掃除終わらせようぜ」
ハヤト「うん」
ゲンブ「分カッタ」
クリスに言われてハヤトとゲンブは言う。
ドリルマックス「全く、呑気なもんだな人間は」
流石のガウやリルですら運べない岩を運びながらドリルマックスは言う。
ダッシュマックス「どうしたんだドリル」
そこへ同じく岩を運んでいたダッシュマックスが聞いてきた。
ドリルマックス「なに、敵がいつ攻めてくるか分からないのにこんなことをしてていいのかってな」
ダッシュマックス「んだよ、そんなことかよ。ここを片付けないとシンカリオンっていうこの世界の力が動かせないんだからよ」
ドリルマックス「それはそうだが…」
エクスカイザー「ドリルマックス、ダッシュマックス」
話しているとエクスカイザーが近寄ってきた。
エクスカイザー「すまないが2人とも偵察に行ってくれないか?」
ドリルマックス「良いでありますが偵察にはもうスカイマックスとレイカーブラザーズが出ているのでは?」
偵察任務と言われてドリルマックスは言う。
現在、再びガイスターの襲来に備えてスカイマックスとレイカーブラザーズは偵察任務に出ていたのだ。
エクスカイザー「そうなんだがどうも嫌な予感がするんだ」
ダッシュマックス「了解だ。エクスカイザーの予感はよく当たるからな」
エクスカイザーの答えを聞いてダッシュマックスはそう言うとレーシングカーに変型して走り去っていく。
ドリルマックス「では、行ってきます」
ダッシュマックスに続いてドリルマックスもドリル戦車へ変型するとシンカリオンの出入り口から整備区画を後にするのだった。
エクスカイザー(何事もなければいいのだが……)
偵察任務へ向かっていくドリルとダッシュマックスを見てエクスカイザーは自身の予感が当たらないことを願っていたのだった。