戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第536話 モキアン

響「なに、アレ…」

 

空を赤く染めるその物体を見て響たちは唖然とする。

 

ダイノガイスト「つ、遂に…来たか……」

 

唖然としている響たちとは対照的にダイノガイストはその物体に心当たりがあるのか呟く。

 

グレートエクスカイザー「何か知っているのか!」

 

カイザーソードを向けてグレートエクスカイザーはダイノガイストに問う。

 

ダイノガイスト「ふん、知りたければこの俺様を屈服させてみるんだな!!!」

 

満身創痍の体なのにも関わらずダイノガイストは立ち上がり、ダイノブレードを構える。

 

マイトガイン「なんて奴だ…」

 

ブラックマイトガイン「これだけ追い詰められながらも全く弱さを見せないとは…」

 

満身創痍でありながらも戦おうとするダイノガイストを見て言う。

 

これが宇宙海賊 ガイスター首領であるダイノガイストのプライドがなせるものであった。

 

?「なかなかのプライドだが随分と追い詰められている状況には変わりないじゃないか、ダイノガイスト。だが十分に時は稼いでくれたようだね」

 

ダイノガイスト「き、貴様は!!」

 

声の方を見るとダイノガイストの近くのビルの屋上にメノウがいた。

 

ハヤト「アイツは!」

 

セイリュウ「メノウ!!!」

 

メノウを見てセイリュウは叫ぶ。

 

メノウ?「メノウ?あぁ、この体のことか。残念だが私はメノウではない」

 

ウルトラレイカー「なに?」

 

ゴッドマックス「では貴様は何者なんだ!!」

 

メノウではないという人物にウルトラレイカーとゴッドマックスは聞く。

 

メノウ?「おや、君たち宇宙警察は私のことを知っているのではないか?」

 

挑発でもするかのようにメノウらしき人物は言う。

 

グレートエクスカイザー「なんだと?」

 

メノウ?「フっ、分からないならお見せしよう。私の姿を!」

 

人物はそう言うとどこからかX字のプロテクターを模した形状となっているアイテムを取り出すと、眉間にあたる部分の裏にあるボタンを押すと展開し、仮面舞踏会などでつける覆面マスクに似た形状に変化した。

 

展開したマスクの鼻にあたる部分をグリップとして持ち、顔につけると裏にあるボタンを押した。

 

瞬間にメノウから抜け出すように黒いオーラが飛び出して巨大化、最終的に1人の巨人の姿となった。

 

基本的なカラーリングは青で、胸部にX字のプロテクターのようなもので覆われており、全身に鎧を身に纏い、腕や足の部分にベルトのようなものが見受けられ、プロテクターの形状と相まって鎧というよりは、むしろ全身に拘束器具を身に付けているようにも見える。

 

顔は仮面を付けたような形が特徴で、仮面らしきものから覗く目の表情はツリ目を思わせる。

 

額はクリスタルのようになって、つま先は先端が反り返るような形状をしている巨人の姿はまさしくウルトラマンであった。

 

響「ウル…トラマン!?」

 

現れた巨人を見て数多くのウルトラマンと共闘して戦ってきた響たちは驚きを隠せない。

 

グレートエクスカイザー「まさか、貴様が!?」

 

ウルトラマンを見てグレートエクスカイザーはあることを思い出した。

 

トレギア「そう。私の名はトレギア、ウルトラマントレギア」

 

静かに名乗る巨人―『ウルトラマントレギア』。

 

トレギア「お初にお目にかかる。シンカリオン、カイザーズ、勇者特急隊、シンフォギア、そして怪獣王」

 

丁寧にお辞儀するようにトレギアは挨拶する。

 

その礼儀正しさがむしろ禍々しさを感じさせていた。

 

グレートエクスカイザー「貴様がトレギアか!目的はなんだ!?」

 

トレギア「目的?そうだな…この星を醜い死の星にして奴に見せつけることかな?」

 

グレートエクスカイザーに聞かれてトレギアはそう答える。

 

トレギア「そのためにあの生命体の能力を使わせてもらった。怪物を宇宙から召喚する力をね。だがまさかあのモキアンを呼び寄せるとは予想外だったがね」

 

カイザーズ「「「なんだと!?」」」

 

トレギアの言葉を聞いてグレートエクスカイザー、ウルトラレイカー、ゴッドマックスは驚き声を上げた。

 

ハヤト「知ってるの?」

 

ウルトラレイカー「モキアンは超巨大単極子生物と呼ばれている宇宙怪獣だ」

 

ゴッドマックス「モキアンの力は単に巨大という訳ではない。その体内にはこの宇宙にビッグバンが発生したときに存在したと言われている磁気単極子が存在する」

 

ハヤトに聞かれてウルトラレイカーとゴッドマックスが説明する。

 

響「えーっとつまりどういうことですか?」

 

舞人「ようするにそのモキアンって怪獣は磁石のS極かN極のどちらかしかない。そんなものが接近したら磁石のS極とN極が引き合うように近づいた星野マントルを移動させ、地震や津波を起こし、地上は完全に破壊される!!!」

 

ウルトラレイカーとゴッドマックスの説明ではいまいち分からない響たちに舞人が分かりやすく説明する。

 

マリア「それってつまりはこの星のどこへ逃げても逃げ場は無いってことね…」

 

クリス「それならアイツをどうにかここに来る前に倒さねぇと!」

 

トレギア「そんなこと私が許すと思っているのか?ハアァッ!!!!」

 

モキアンが地球で悪影響を及ぼす前に倒そうとすると予期していたトレギアは両腕から黒と青のエネルギーを出すとその手から3つの光を発射した。

 

ヘルべロス「クウォオォォォォォォォーーーーーーーーーーン!!!」

 

ギャラクトロンMkⅡ「ギガウォォォォォォォーーーーーーーーーーン!!!」

 

ナイトファング「ウゥゥゥヒャハハハハハハーーーーーーーー!!!」

 

トレギアが発射した光から体中に生えた刃状の突起が特徴的である怪獣『最凶獣 ヘルべロス』。

 

全身に青い鎧や金色の斧のようなパーツで、人間の様な手足が装着された機械の怪獣『シヴィルジャッジメンター ギャラクトロンMkⅡ』。

 

頭部にある口や複数の眼、巨大な黒い翼がその容姿を悪魔に見せる怪獣『悪夢魔獣 ナイトファング』の3体が出現した。

 

切歌「敵の援軍デスか!?」

 

ヘルべロス、ギャラクトロンMkⅡ、ナイトファングが出現して驚く。

 

未来「しかもあの怪獣、リュウソウジャーの世界で戦った!?」

 

ナイトファングを見てかつて並行世界『騎士竜戦隊 リュウソウジャー』の世界で戦ったナイトファングを見て未来は言う。

 

トレギア「それともう一つ。ハアァッ!!」

 

3体の怪獣を出してトレギアは新たにエネルギーの塊を作るとダイノガイストに向かって放った。

 

放たれた光線はダイノガイストを包み込み、その肉体に電撃を放った。

 

ダイノガイスト「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?な、なにを、グウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!」

 

電撃を浴びせられて苦しむダイノガイストはその姿を変えた。

 

灰色の体に、右腕にはカノン砲を装備して胸には紫色のマークが付いたロボットへと変わってしまった。

 

トレギア「まだ手駒は揃ってないが…さぁ、楽しいパーティの始まりだ!」

 

手勢をある程度集まったと言ってトレギアはそう言うのだった。


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