戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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なんか、唐突に思いついたモノです。

本編は明日か明後日に出しますね。

では、どうぞ!!


番外編 その男、ワンパンのみ

いきなりですがクリスたちが大ピンチです。

 

クリス「色々展開を省くな!!!!」

 

ボロボロの状態のクリスがツッコミを入れる。

 

翼「し、しかし、今大ピンチであることには変わりないのだが…」

 

何とかアームドギアを支えにして立っているのがやっとの状態の翼がいう。

 

クリス、切歌、調、翼の4人の前には大柄の巨体をしたカブトムシの怪人がいた。

 

響、マリア、リルの3人は遊びに来た奏と共に並行世界へ行っていて不在なのだ。

 

カブトムシ怪人「グハハハハハ!異世界のヒーローは大したことないな!!!!」

 

カブトムシのような姿をした巨漢の怪人が見下ろして言う。

 

切歌「つ、強すぎるデス…」

 

調「いままで色んな怪人と戦ったけど、それとは比べ物にならない…」

 

阿修羅カブト「そりゃあそうだ。俺はどんな怪人にも、どんなヒーローにも負けない最強の怪人 阿修羅カブト様だからなぁ!!!!!」

 

怪人ー『阿修羅カブト』は誇らしげに言いながら名乗る。

 

阿修羅カブト「すぐにトドメを…ん?」

 

クリスたちにトドメを刺そうとした阿修羅カブトだがある気配に気づいてそっちの方を向いた。

 

?「なんだ?なんでこんな所に怪人がいるんだよ?」

 

そう言うのはハゲ頭で、赤い手袋と白いマントのついた黄色のスーツを着ている男がいた。

 

クリス「な、まだ避難してなかったのかよ!!」

 

翼「速く非難をするんだ!」

 

男を見て非難するように言うのだったが…。

 

?「いや、ここ行った方がスーパーのタイムセールに間に合うし」

 

切歌「こんな時に何言ってるデスか!?」

 

調「こんな時にタイムセール!?」

 

とんでもない発言をした男に全員が驚く。

 

阿修羅カブト「貴様、いったい何者だ?こいつらの仲間か?」

 

方や阿修羅カブトは驚くどころかその辺りの会話を自分の注意を逸らす作戦と思い、無視して男に聞く。

 

?「あー、答えてる時間無いから。早くしないとタイムセールに遅れちまう…」

 

阿修羅カブトに聞かれたことを無視して男はタイムセールへ向かおうとする。

 

阿修羅カブト「て、テメェ!無視してんじゃねぇぞ、グラァァァァァッ!!!!!」

 

無視されて阿修羅カブトは自慢の巨腕で男に殴りかかる。

 

翼「危ない!!!」

 

男を助けようと動いたが間に合わない。

 

巨腕が男の頭に…当たらなかった。

 

いや、正確には阿修羅カブトの巨腕が当たる寸でで男の姿がかき消えたのだ。

 

全員(男以外)『!?』

 

急に描き消えた男に驚いて周囲を見回す。

 

阿修羅カブト「ど、どこ行きやがった!?」

 

?「おい、どこ見てんだ?こっちだ、こっち」

 

男の姿を求めてキョロキョロしていた阿修羅カブトの後ろからさっきの男の声がして振り向くと男がいた。

 

阿修羅カブト「い、いつの間に…テメェ、いったい何者だぁ!!!!!」

 

いつの間にか後ろに回り込まれて阿修羅カブトは男が只者ではないと判断して姿を変えた。

 

日本にいるカブトムシのような茶色い体色の姿からヘラクレス大カブトムシを思わせる紫色の体色で、さらに巨大な身体へとなった姿ー『阿修羅モード』へと変わった。

 

阿修羅カブト「この姿になったからには理性が飛んで1週間は闘争本能が止まらねぇ!テメェはそれだけの価値があ…」

 

阿修羅カブトがそこまで言った時だった。

 

?「だから…タイムセールに遅れるって言ってんだろうがぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」

 

よく分からない叫びと共に男の拳が一閃。

 

たった一発…その一発を受けた阿修羅カブトは断末魔を上げる間もなくその強靭な肉体がバラバラにされた。

 

クリス「え…」

 

『えぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?』

 

一撃、しかもワンパンしただけで阿修羅カブトをバラバラに粉砕した男を見て全員の口が大きく開き、驚愕の声を上げた。

 

?「やっべ、急がねーと間に合わねぇ」

 

そんなクリスたちをほっといて男はタイムセールへ向かおうとする。

 

クリス「いや、ちょっと待て!お前、いったい何者だ!せめて名前くらい名乗ってけ!!!」

 

クリスに言われて男は立ち止まり振り向いた。

 

サイタマ「趣味でヒーローをやっている者だ。名前はサイタマだ。じゃ、タイムセールの時間だから!」

 

男ー趣味でヒーローをしている『サイタマ』は名乗り終えると猛ダッシュでスーパーへ向かっていく。

 

その際、雲と地面に一筋の線が走ったのだった。

 

クリス「さ、サイタマ?」

 

翼「しゅ、趣味でヒーローをしている者に助けられたのか?」

 

調「そうみたい…」

 

切歌「っていうかアレはサイタマって言うより『ワンパンマン』デスよ!」

 

走り去っていったサイタマを見て口々にクリスたちは言うのであった。




とあるスーパーにサイタマはいた。

この世の終わりのような顔をして膝から崩れ落ちていた。

サイタマの目の前には『完売』の文字があった。

タイムセールが終了し、その商品が全て売れてしまった、しかもサイタマは間に合わず……。

サイタマ「………家に…帰るか…………」

絶望した顔で立ち上がったサイタマは帰り始めた。

その足取りは重く、亀のようであり、背中からは哀しみのオーラが出ていた。

そんなサイタマを見ている人物たちがいた。

学校帰りの未来と少しお腹が膨れているエルザ、そして車いすに乗ったガウであった。

未来「あら?サイタマさん、今日は間に合わなかったみたいね」

エルザ「今日はヒジキとタコが大安売りでありましたから必ず来るとは思っていましたが…」

ガウ「がうがうーがうがうがうー」

訳:今日は運が無かったみたいだね

哀しみのオーラをその背に出しているサイタマを見送りながら3人はそう話す。

実が3人ともサイタマとはスーパーのタイムセールでよく合う顔見知りさんであったのだ。

サイタマ「来週は絶対に来てやる………」

何かを決心したかのように真剣な顔でサイタマは一人呟くのだった。

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