戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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XD・未来を取り戻す物語篇
第542話 新たな並行世界


奏「おーっす!」

 

S.O.N.G.の発令室に1人の少女が入ってきた。

 

響が巻き込まれたあのライブの日に死んだのが『奏ではなく翼』だったらの世界にいる『天羽 奏』であった。

 

弦十郎「奏くん!また来たのか?」

 

入ってきた奏に弦十郎は驚いて言う。

 

奏「なーに、いつもの暇つぶしだよ」

 

驚いている弦十郎に奏は言う。

 

すると発令室の扉が開いて2人の少女と1人の少年の3人が入ってきた。

 

リル「かうかう~!」

 

発令室に入ってくるなり、少年―リルは飛びついてきた。

 

奏「おっと。元気にしてたか、ちび助~」

 

飛びついてきたリルを受け止めて奏は言う。

 

リル「かうかう~♪」

 

尻尾を振りながらリルは答える。

 

響「あ、奏さん!こんにちは!」

 

そこへ2人の少女―響とマリアが来て、響があいさつした。

 

マリア「あなた、また来たの?」

 

少し呆れ気味にマリアは言う。

 

実は奏は暇さえあればギャラルホルンで並行世界からこの世界へやってくるのだ。

 

奏「そう固い事言ってるとシワが増えるぞ」

 

マリア「大きなお世話よ。それで、今日は何しに来たの?」

 

奏「暇だから翼を弄りに来たのとガウの奴の結婚祝いにな」

 

マリア「残念ね。翼は今、他のメンバーと任務中。ガウはエルザと新婚旅行中よ」

 

翼は任務、ガウは奥さんであるエルザと共に新婚旅行中であると伝える。

 

奏「なんだ。しょうがない、ちび助と遊ぶとするか」

 

翼がいないと分かるなりリルを下ろして奏は言う。

 

リル「かう~」

 

遊んでもらえると聞いてリルは嬉しそうにする。

 

しかし、すぐにそれは無かったことになる。

 

警報音が発令室に鳴り響いてきたのだ。

 

藤尭「ギャラルホルンの起動を確認!」

 

友里「新たな並行世界と繋がったもようです!!」

 

警報音を聞いてその原因―ギャラルホルンの起動を報告する。

 

弦十郎「装者がほとんどいないこの状況での起動だと…仕方ない、マリアくん、響くん、リル!すぐにギャラルホルンで並行世界へ渡るんだ!」

 

報告を聞いて指示を出す弦十郎。

 

「「了解!」」

 

リル「かう!」

 

弦十郎の指示を受けて3人はギャラルホルンのある格納庫へ向かおうとした時だ。

 

奏「旦那!アタシも行く!」

 

弦十郎「何を言い出すんだ、君は!」

 

奏の申し出に弦十郎は驚く。

 

奏「アタシも装者の1人だ!アタシだって戦える!」

 

弦十郎「だが、君は並行世界の住人だ。もし君が死ぬようなことがあれば、誰が君の世界を守るんだ!」

 

奏「それは…」

 

弦十郎に言われて奏は言葉が出なかった。

 

奏の世界では装者は奏1人、もし奏が別の並行世界で命でも落としたのならその世界の装者は居なくなり、ノイズに対抗する手段が無くなってしまうのだ。

 

奏「それでも、アタシは行く!誰かが困ってるかもしれないのに見て見ぬふりなんて出来るかよ!」

 

弦十郎「だが……」

 

マリア「それ以上彼女に言っても無駄よ、司令」

 

行くと聞かない奏に説得しようとした弦十郎にマリアが言う。

 

マリア「彼女が素直に言うこと聞くじゃないって事くらい司令なら分かるはずよ。それに彼女が無茶しようなら私たちが止めるから安心して」

 

弦十郎「………はぁ、分かった。行ってこい、ただし!無茶は禁物だぞ!いいな!!」

 

マリアの言葉に説得されて弦十郎はこの世界にいた奏を思い出してそう言った。

 

奏「あんがとな、旦那!よし、さっそく行こうぜ!」

 

許可をもらって奏は嬉しそうに言う。

 

響「はい、奏さん!」

 

リル「かう!」

 

言われて響とリルは奏と共にギャラルホルンのある格納庫へ向かっていく。

 

マリア「全く…調子がいいんだから」

 

少し呆れながらもマリアも3人の後を追いかけていくのだった。

 

 

 

とある場所に建てられた白い神殿。

 

その神殿から1人の少年が出てきた。

 

黒い髪に、日焼けした黒い肌、紅い目をして、背中から尾骨辺りから生えた尻尾の先まで段々と小さくなっているステゴサウルスに似た背鰭を持っているのが特徴で、古代ローマのような服を着ており、右肩に黒い傷が服から少し見えていた。

 

?「…………」

 

神殿から出てきた少年は下に広がる城下町を見た。

 

下に広がる街は明るく、人々の幸せそうな声が今にも聞こえてきそうだった。

 

?「………」

 

街を見ていた少年は視線を空に移して見上げた。

 

空は夜空で暗く、紅く毒々しい満月が夜空の一角を赤く染めていた。

 

?「2羽のワタリガラスが…この地に来る…」

 

紅く毒々しい満月を見て少年はそう呟いたのだった。

 

 

 

別の場所では不気味な日本の城のような建物があり、周囲には破壊され、瓦礫の山となった街だったものとその瓦礫に赤々と燃える炎。

 

城の天守閣から1人の少年が出てきた。

 

さっきの神殿から出てきた少年と瓜二つの姿と顔で、半袖で薄い黒い着物を1枚着ており、左肩に白い傷が服から少し見えているが、その目は憎悪と怒りが込められていた。

 

少年は空を見上げて紅く毒々しい満月を見つめた。

 

?「ワタリ…ガラス…」

 

憎悪を露わにして少年は言うのだった。

竜姫咆哮メックヴァラヌス編について2

  • ここだけのオリジナルバージョンがいい!
  • 原作通り!
  • どっちかというとオリジナルがいい!
  • どっちかというと原作がいい!
  • 訃堂ぶっ倒すならどっちでもいい!

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