戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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響「はあ…未来とガウくんに会いたい…」

クリス「課題が終わるまで我慢しろ」

翼「まだ終わってなかったのか…」

響(IF)「並行世界のあたしって…」

未来「ごめんね。普段はいい子なんだよ」

ガウ「がうがう」


第60話 別れ

その日の切歌と調の前にフォログラムのアルカ・ノイズが大量に現れた。

 

切歌「Zeios igalima raizen tron…」

 

ギアの起動詠唱を歌いギアを纏う。

 

2本の巨大な鎌を合体させて繰り出す『対鎌・螺Pぅn痛ェる』でアルカ・ノイズを切り刻む。

 

調(シュルシャガナの刃は全てを切り開く無限軌道!目の前の障害も…明日も!!)

 

小さい丸ノコを大量に繰り出して切り口を開き、一気に近付きスカート部分が鋸に変形し、体を回転させながら周囲の敵を切り刻む『Δ式・艶殺アクセル』を繰り出した。

 

調「くっ!」

 

だが直ぐに体に痛みが走る。

 

切歌(絶対鋭利のイガリマはその気になったら幽霊だって、神様だって真っ二つデース!!)

 

次々とアームドギアで切り刻む。

 

切歌「くぅ!」

 

だが切歌もまた調と同じく痛みが走る。

 

 

 

マリア「あの子たち、無茶を重ねて!」

 

エルフナイン「マリアさーん!」

 

知らせを聞いたマリアは通路を走っていると呼ばれて振り向くとエルフナインとクリス、響がいた。

 

クリス「もういいのか!?そっちだって大変だったんだろ!」

 

そうクリスは言うがそのまま走り続けた。

 

 

 

切歌「うわあぁぁぁぁ!!」

 

最後の1体を攻撃していた切歌だったが限界がきてギアが強制解除された。

 

調「切ちゃん!!」

 

解除された切歌を見て調は戦闘わ、止めて近寄った。

 

切歌「うぅ…」

 

調「大丈夫?」

 

ギアを解いて聞く。

 

響「調ちゃん、切歌ちゃん!」

 

そこへマリアたちが来た。

 

マリア「リンカーもないのにどうして…」

 

調「私たちがリンカーに頼らなくても戦えていたら、たんな…」

 

マリア「……」

 

クリス「だからって!」

 

調「平気。それより訓練の続行を…」

 

切歌「リンカーに頼らなくても良いように適合係数を上昇させなきゃデス」

 

響「ダメだよ、こんな無茶。一歩間違えたら死んじゃうんだよ!?」

 

調「経緯もよく分からないままに十分に適合係数をものにした響さんには分からない!」

 

切歌「いつまでもみそっかす扱いは死ななくたって死ぬほどつらくて死にそうデス!それに私たちを庇って怪我をしたガウくんに申し訳がたたないのデス…」

 

アダムの黄金錬成から負傷し、集中治療室に眠っているガウを思い起こして切歌は言う。

 

マリア「やらせてあげて」

 

響「マリアさん!?」

 

マリア「二人がやり過ぎないように私も訓練に付き合うから」

 

クリス「適合係数じゃなくて子供のバカ率を上げてどーする!!」

 

マリア「いつかきっとリンカーは完成する…」

 

エルフナイン「!」

 

マリアの一言にエルフナインはうつむく。

 

マリア「だけど、そのいつかを待ち続けるほど私たちの盤面に余裕はないわ」

 

エルフナイン「方法はあります!」

 

マリア「え?」

 

エルフナイン「リンカー完成を手繰り寄せる最後のピースを埋めるかもしれない方法が」

 

調「最後のピース…」

 

切歌「本当デスか!?」

 

エルフナイン「ウェル博士に手渡されたリンカーのレシピで唯一解析できてない部分…それはリンカーがシンフォギアを奏者の脳のどの領域に接続し負荷を抑制しているか、です。フィーネやF.I.Sの支援があったとはいえ一からリンカーを作り上げたウェル博士は色々はともかく本当に素晴らしい生化学者だったといえます」

 

マリア「素晴らしい…ゾッとしない話ね」

 

マリアの一言に確かにと全員が納得した。

 

あの変態科学者で無類の英雄マニアでもあり、菓子類しか口にしない偏食家の奴が素晴らしいみたいな綺麗な言葉は似合わないからだ。

 

響「あ、あの~、難しい話は早送りにして最後のピースの所まで飛ばしてよ」

 

エルフナイン「鍵はマリアさんの纏うアガートラームです」

 

マリア「白銀の…私のギアに?」

 

エルフナイン「特性の一つにエネルギーベクトルの制御があります…あれは脳とシンフォギアを行き来する電気信号がアガートラームの特性、そればかりかギアからの負荷をも緩和したのではないかと僕は推論します。これまでずっと任務の合間に繰り返してきた訓練によってマリアさん達の適合係数は少しずつ上昇してきました。おそらくはその結果だと思われます」

 

調「マリアの適合係数は私たちの中で一番高い数値、それが…」

 

切歌「今までの頑張り、無駄ではなかったことデスか!?」

 

エルフナイン「ええ!マリアさんの脳内に残された電気信号の痕跡を辿って行けば…」

 

マリア「リンカーが作用している場所が解明される…だけどそんなのどうやって?」

 

クリス「それこそウェルの野郎に頭下げない限りは…」

 

エルフナイン「着いてきて下さい」

 

 

 

エルフナインに言われて着いていくとそこはエルフナインの研究室で、そこにはヘッドギアのようなシステムがあった。

 

マリア「これは?」

 

エルフナイン「ウェル博士の置き土産、ダイレクトフィードバックシステムを錬金技術を応用し再現してみました。対象の脳内に電気信号化した他者の意識を割り込ませることで観測を行います」

 

クリス「つまりそいつで頭の中を覗けるってことか?」

 

エルフナイン「理論上は…ですが人の脳内は意識が複雑に入り組んだ迷宮最悪の場合観測者ごと被験者の意識は溶け合い廃人となる恐れも…」

 

マリア「やるわ。ようやくリンカー完成の目途が立ちそうなのに見逃す理由はないでしょ」

 

調「でも危険すぎる!」

 

切歌「やけっぱちのマリアデス!」

 

マリア「あなた達がそれを言う!?観測者…つまりあなたにもその危険が及ぶのね」

 

エルフナイン「それが僕にできる戦いです。僕と一緒に戦って下さいマリアさん」

 

その時、激しい爆発音が響いた。

 

クリス「なんだ!?」

 

マリア「まさか敵襲!?」

 

爆発音を聞いて驚く。

 

ゴジラ?「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

大気を揺るがすように轟くゴジラの咆哮。

 

響「今のはガウくん!?」

 

クリス「何かあったのか!?」

 

マリア「ガウのところに急ぎましょう!」

 

ガウがいる集中治療室に向かう響たち。

 

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

響たちが集中治療室に着いた時、辺りは破壊尽くされガウを治療していたであろう医者や看護師が血を流して倒れていた。

 

響「いったい誰がこんなことを…」

 

破壊尽くされた部屋に入って言う。

 

すると響に向かって何かが飛んできた。

 

響「うわわっ!?」

 

飛んできた何かを見て響は慌てて回避した。

 

飛んできたのは薬品を入った瓶で壁に当たり割れた。

 

クリス「大丈夫かよ!?」

 

響「うん。なんとか…でもいったい誰が…!?」

 

瓶が飛んできた方向を見るとそこには血まみれでこちらを睨んでいるガウがいた。

 

ガウ「………」

 

響「が、ガウ…くん?」

 

自分たちを睨むガウを見る。

 

するとガウは息を思いっきり吸い…

 

ガウ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

ゴジラの時の咆哮を上げた。

 

咆哮により窓や集中治療室に張られたガラスが破壊された。

 

アンギラス「ガアァァァァァァァァァァァァァァン!!」

 

咆哮が轟いてアンギラスが地底から出現した。

 

ガウ「……」

 

アンギラスが現れたのを確認したガウは窓に向かって歩きだした。

 

響「ま、待って、ガウ…」

 

ガウを止めようと伸ばした手をガウは尻尾で弾いた。

 

ガウ「グルルルル……」

 

尻尾で弾かれたことを驚く響にガウは喉を鳴らして威嚇した。

 

そしてガウは響たちを一瞥すると窓からアンギラスの背に飛び乗った。

 

アンギラス「ガアァァァァァァァァァァァァァァン!!」

 

ガウが乗ったのを確認したアンギラスは地面を堀始め、地中に姿を消した。

 

響「ガウくん…なんで…」

 

今までのガウとは明らかに違うことに響は呆然としていた。

 

 

 

時間は少々遡り弦十郎と翼は翼の父親にして、風鳴弦十郎の兄でもある日本の安全保障を影から支える内閣情報官『風鳴 八紘』と共に鎌倉のある屋敷に来ていた。

 

弦十郎と八紘は広間のような場所にてある人物と面会し、翼は外の縁側にてその人物が出入りする襖を開けるために待機していた。

 

訃堂「…して夷狄により蹂躙を許したと?」

 

日本国家を裏から支える風鳴の一族の長にして、第二次大戦中の諜報機関である風鳴機関を前身とする特異災害対策機動部二課の初代司令官にして翼の祖父にして、八紘と弦十郎の父でもある『風鳴 訃堂』は松代のことを聞く。

 

八紘「結果松代の風鳴機関本部は壊滅。大戦時より所蔵してきた機密のほとんどを失うこととなりました」

 

弦十郎「外患の誘致で討ち退かすことかなわなかったのはこちらの落ち度に他ならず、全くもって申し開き…」

 

訃堂「聞くに堪えん!」

 

二人の話を最後まで聞かず訃堂は立ち上がった。

 

訃堂「わかっておろうな?」

 

八紘「国土防衛に関する例の法案の採決を急がせます」

 

訃堂「有事に手ぬるい!即時施行せい!それと例の兵器はどうなっておる?」

 

八紘「すでに完成していると聞き及んでおります」

 

訃堂「そうか。ならばわかっておろうな?」

 

八紘「………はい。次に怪獣が現れたら即時動けるようにします」

 

八紘が言うと訃堂の前の襖を翼が開けた。

 

訃堂「まるで不肖の防人よ。風鳴の血が流れておきながら嘆かわしい」

 

翼を見て言う訃堂。

 

翼「我らを防人たらしめるは血にあらず。その心意気だと信じております」

 

訃堂「フン…」

 

翼の言葉を聞いて訃堂はくだらないと言う風な反応をすると歩き始めた。

 

 

 

弦十郎「八紘兄貴、親父が言っていた例の兵器ってのは?」

 

八紘「いくら弦でも言えない。内閣及び防衛省の極秘事項だからな」

 

弦十郎「そうか」

 

訃堂が言っていた例の兵器とやらを聞こうとした弦十郎だが聞けず、引き下がった時だった弦十郎の通信端末から呼び出し音がした。

 

弦十郎「どうした?なに、ガウが!?分かった、直ぐに戻る!」

 

八紘「なにかあったのか?」

 

弦十郎「ちょっとしたトラブルだ。直ぐに戻らないといけなくなった。じゃあな八紘兄貴」

 

弦十郎はそう言って歩き始めた。

 

八紘「…………」

 

そんな弦十郎の後ろ姿を八紘はいろいろ思い詰めた顔をして見送るのだった。




未来「ひ、響ー!大変だよー!」

響「ど、どうしたの未来!?」

未来「作者が長編ネタやるって!」

響「ふえ!?それって本当!?」

未来「うん!」

響「いったいどんなの!?」

未来「まだ分かんない…」

響「あーん、それじゃあ気になっちゃって課題が…」

未来「課題は関係ないよね?」

響「は、はい…」

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