戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第559話 出発前の最後の通信

黒の軍勢の四天王の1人、牛神超獣 カウラを撃破して数日後の朝、リルたちはルーラーに呼び出されて王の間に来ていた。

 

ルーラー「来てくださってありがとうございます。さっそくなんですが呉にある海上自衛隊の基地に向かって頂きたいのです」

 

リルたちが来て直ぐにルーラーは言う。

 

響「自衛隊の基地に?」

 

マシュ「基地に何かあったのですか?」

 

軍隊では無いが自衛隊の基地には一応軍事機密などが沢山ある。

 

ワタリガラスと呼ばれ、さらに敵の四天王の1人であるカウラを倒したとは言え軍事機密が多数ある自衛隊基地に向かって欲しいと言われて聞く。

 

ルーラー「実はここ数日、呉の海上自衛隊基地と連絡が途絶えているんです」

 

マリア「基地まるごと?」

 

ルーラーの話を聞いてマリアが聞くと頷いた。

 

奏「マジかよ…」

 

基地丸々1つ連絡が取れなくなったと聞いて驚愕する。

 

藤丸「でもどうして私たちに?」

 

驚愕する中で藤丸が聞く。

 

理由ただの調査なら別の自衛隊の基地から調査隊を送ればいいのだけのことだからだ。

 

ルーラー「もちろん別の基地から調査隊を送りました。ですが…」

 

そこまで言って言葉を切るルーラー。

 

その顔には"嫌な予感がする"と言う言葉が滲み出ていた。

 

ロマニー『まさか送った調査隊からも連絡がないのかい?』

 

ロマニーが通信で聞いてくるとルーラーは言った。

 

ルーラー「はい、その通りです。ただの通信機の不調ならば良かったのですが…」

 

ロマニーの言葉を肯定しといてルーラーは杖で地面を"トン"っと1回突いた。

 

すると扉が開いて執事の男性が入ってきた。

 

執事「御呼びでございましょうか?」

 

ルーラー「みなさんに例のアレを」

 

執事「畏まりました」

 

ルーラーから用件を聞くと執事は一礼して王の間から出ていった。

 

リル「かうかう?」

 

訳:何を頼んだの?

 

執事が出ていってリルはルーラーに聞く。

 

ルーラー「口で言うより聞いてもらった方がいいかもしれませんので、調査隊から来た最後の通信を」

 

『!?』

 

ルーラーからそう聞いて全員が驚いた顔をした。

 

数分後、執事が記録してあった調査隊が送った通信を記録した機械を持ってきて再生した。

 

最初は現状報告などの定時連絡であったが途中から人のような呻き声や雄叫び、隊員の悲鳴と怒号、銃の発砲音などが聞こえてきた。

 

落ち延びれたのか少し落ち着いた通信担当の隊員の声が聞こえてきた。

 

隊員A『こちら調査隊。呉基地の一角に避難している。現状は通信担当の私と同隊員が数名のみ…隊長以下残りの隊の者ははぐれてしまい行方不明。生存は絶望的である、現在基地はすでに怪物に占領され…』

 

基地の現状を報告しながら自分たちの状況を知らせる。

 

すると別の隊員の声が入ってきた。

 

隊員B『おい、ダクトから聞こえないか?』

 

隊員A『え?なにかって…まさか!?』

 

同僚から聞いてダクトの近くに他の隊員がいるのか遠くて聞き取りづらいが"そこか早く離れろ!"と聞こえた。

 

その時だ、ダクトの網が外されたのか"カシャアァン"と落ちた音がした。

 

?『みぃつけたぁ…//』

 

隊員C『うわあぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』

 

女性の声と共にダクト付近にいた隊員の悲鳴が聞こえてきた。

 

?『もっとぉ、あそんでぇぇぇぇえ!!!』

 

隊員C『ぎゃあぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』

 

攻撃されたのか隊員の断末魔が聞こえた。

 

それを皮切りにまた隊員たちの悲鳴や怒号、襲いかかってきただろう女性の笑い声や新たに侵入したであろう怪物たちの声が聞こえた。

 

隊員A『メーデー…メーデー…こちら調査隊……救難信号……メーデー…メーデー……めぇえええええでぇええええええええ!!!!!!!!!』

 

それを最後に"ブツン"っと通信が切れてしまった。

 

ルーラー「これが調査隊が送った最後の通信です」

 

通信はを聞き終えて悲痛な顔でルーラーは言う。

 

奏「こ、これって…アレだよな?」

 

ロマニー『基地は完全に敵の手に墜ちていると考えていいね。しかも調査隊の生存も』

 

通信を聞きそう言う奏とロマニー。

 

ルーラー「本音を言えばもう少し情報を集めたいのですが、犠牲を出したくないのです」

 

マリア「確かにそうね。得体の知れない怪物に占拠された基地を奪還するにはまだ情報が足りないわね」

 

響「でも、行かないとこれ以上の犠牲は出させたくない!」

 

リル「かうかうー!」

 

訳:僕たちに任せて!

 

息巻いて響とリルが言うと全員の顔が真剣になる。

 

ルーラー「みなさん…ありがとうございます。すぐにこちらでヘリを用意します」

 

マシュ「はい!準備が出来次第、すぐに呉基地に向かいます」

 

ヘリの準備が出来たら出撃すると言う。

 

これが恐怖の始まりであるとは誰も知らなかった、いや、知ることさえ無かったのだった。


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