ゾンビ「ウゥ、ウアァァァァァァァ!!!!」
奇声を上げてゾンビは響たちに向かって走りだし、襲い掛かった。
向かって来るゾンビにリルが動いた。
リル「ガアァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!」
動いたリルはすぐに壁を蹴って空中で体を捻り、尻尾を振りゾンビの頭を体から吹き飛ばした。
頭は壁に叩きつけられて粉々に吹き飛び、頭を失った体は糸が切れた人形のように崩れた。
奏「ヒュ~。やるじゃないか」
ゾンビを一撃で倒したリルを見て奏は言う。
リル「かう~♪」
誉められたと解釈してリルは嬉しそうに尻尾を振る。
マリア「誉めて嬉しくなる前にまだ警戒しなさい!次が来るわよ!!」
奏・リル「「!!」」
マリアに言われて2人は前を見ると奥から続々と自衛官だったであろうゾンビが迫ってきていた。
しかも数が多く幾重にも重なった壁のようになって迫り来ていた。
藤丸「なに、あの数…」
響「これって基地丸ごとだからかなりのゾンビがいるじゃ…」
迫り来るゾンビたちの数を見て2人は顔をひきつらせながら言う。
マシュ「可能性は大きいですよ!」
2人の言葉にマシュはそう答える。
ロマニー『流石にゾンビの数が洒落にならないぞ!一旦外へ脱出するんだ!!』
反応を見ていたロマニーが指示を出す。
マリア「それに賛成するわ!退くわよ!」
ロマニーの指示に乗り、後退し始めるマリアたち。
リルは後退しながら近づいてきたゾンビを倒し、響と奏が援護する。
しかし後から新たなゾンビが近づいてきてキリがなかったがリルは近づいてくるゾンビを次々に尻尾でなぐり、通路を砕いて瓦礫を投げて攻撃し、殿を務める。
響と奏もリルの死角から来たゾンビを攻撃して援護する。
マリアとマシュは藤丸を守りながら出口へ向かっていく。
時間が少しかかったがようやく出口へ繋がる曲がり角に到着した。
マリア「よし、3人とも!もう戦う必要は無いわ!ここから走るわよ!!」
出口を見てゾンビがいないことを確かめたマリアは殿で戦っているリルたちに言うと藤丸、マシュと共に出口へ向かって走り出す。
マリアの言葉を聞いて奏、響、リルの順で戦線を離脱、出口へ向かって走り出した。
幸いにしてゾンビたちは歩行がゆっくりであるためマリアたちの走りでも十分に引き離せた。
後少しで出口に到達しかけたその時だ、扉の隣にあった壁が突然破裂したように砕かれたかと思いきや歩兵が持つ対戦車の小型ミサイルが藤丸に向かって飛んで来た。
マシュ「先輩!!」
藤丸の前にマシュが割って入り盾を構えるとミサイルが盾に命中、爆発と爆煙、衝撃波が周囲を襲う。
響「マシュさん、藤丸さん!!」
爆発と衝撃波に耐えて爆煙で見えないマシュと藤丸の安否を確かめるように叫ぶ。
マシュ「私も先輩も無事です!」
爆煙の中からマシュが叫んで自身と藤丸の生存を伝える。
彼女の持つ盾がミサイルの爆発と衝撃波、熱などからマシュ自身と藤丸を守ったのだ。
マリア「それにしても今のミサイルはいったい…」
リル「かう!?、かうかう!!」
マリア「!?」
藤丸に向かって放たれたミサイルを思い出してマリアが考えていると何かを感じ取ったリルがマリアを突き飛ばした。
マリアを突き飛ばした瞬間、赤くグロテスクな触手のようなのが爆煙を突き破り伸びてくるとリルの体に巻き付いて縛り上げた。
マリア「リル…ッ!?」
リルを触手から助けようとしたマリアだったが全身を覆うような恐怖に見舞われてしまい、体が動かなかった。
リルを捕らえた触手の先でガラガラと壁が崩れ、外の光が爆煙を照らす。
そして、爆煙が晴れてそこにいたのは大柄な体、顔がやや面長、鼻が横に歪む形で残っており、心臓を彷彿させるシルエットをした制御装置らしき機械が胸に装着さ、上半身は黒い防火コートというより大量の拘束具のような衣装を身に纏い左手にロケットランチャーを持ち、リルを捕らえている触手が右肩あたりから伸びている人型の怪物だった。
中へ入ってきた怪物は息を吸うと大声で叫んだ。
?「スタアァァァァァァァァァァァァァァァァァアッズ!!!!!!」