戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第566話 合流の怪物

マリアとマシュが2体のウーズと戦っている時、リルは女型のウーズ―『レイチェルウーズ』と通常のウーズ2体をたった1人で相手取っていた。

 

リル「かあぁぁぁぁぁうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

 

尻尾を鞭のように回転させてウーズ2体を薙ぎ払う。

 

レイチェルウーズ「もっとぉ、あそんでぇぇぇぇえ!!!!!!」

 

戯言なのかそれとも素なのかは分からないがレイチェルウーズはそう叫びながら二股に分かれた腕でリルの殴り掛かる。

 

リル「かう、かうかう!!!」

 

レイチェルウーズの攻撃をリルは最小限の動きで避けると激しく燃え盛る炎の如き形状の背びれを前にして突進、背びれでレイチェルウーズの腕を切り裂く。

 

その時だ。

 

レイチェルウーズ「い゛だぃ゛よ゛ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!」

 

急に悲鳴を上げて痛みを訴えだした。

 

リル「!?」

 

これにはリルも驚いて動きが止まってしまう。

 

その隙にレイチェルウーズは鼻辺りの部分を大きく裂けたかと思いきやウーズと同じくワームか蛭のような舌を伸ばしてリルの首に向かって噛み付いた。

 

リル「ぎゃうっ!!!!!」

 

噛み付かれたリルは引きはがそうと腕を動かしたその時だ。

 

リルの両腕に向かってさっき薙ぎ払ったウーズ2体が同時に口からワームか蛭のような舌を伸ばして噛み付いた。

 

噛み付いてレイチェルウーズたちは"ゴクン…ゴクン…"とリルから何かを吸い出していた。

 

奏「リル!!!!」

 

三ヵ所同時に噛まれたリルを見て奏は急いで自衛官のゾンビをアームドギアで殴り倒すとリルを助けに行く。

 

奏「離れろ!!!!」

 

噛み付いているレイチェルウーズたちの舌に向かって奏はアームドギアを思いっきり投げた。

 

投げられたアームドギアはレイチェルウーズたちの舌に連続で貫いた。

 

レイチェルウーズ「うう゛ぁあぁあぁぁああああぁぁぁぁっぁぁぁぁぁあああぁああ!!!!!!!」

 

アームドギアが刺さって痛みを感じるのかレイチェルウーズはすぐさまリルから舌を離したが他のウーズ2体は意に返さなかった。

 

奏「こいつら…!?」

 

意に返さないウーズたちに奏は再度攻撃しようとした瞬間、自身に迫る殺気のようなものに反応して後ろへ飛んだ。

 

時間差でさっきまで自身がいたところに二股に分かれた腕が叩きつけられた。

 

レイチェルウーズ「ゆるざぁなぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛…!!!!」

 

目は見えないが睨みつけるかのようにレイチェルウーズは呻き声を上げる。

 

奏「くっそ、邪魔すんな!!!!」

 

自身に立ちはだかるレイチェルウーズに向かって奏はそう言うと新たにアームドギアを出して構えた。

 

リル「か、かあぁぁぁぁぁぁうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

 

身体を噛まれて何かをウーズに吸い出されてしまっているリルは背びれを怪獣時の時に放射火炎を放つ時と同じように赤く光らせた。

 

ウーズ「「!?!?」」

 

リルが背びれを赤く光らせた瞬間、ウーズたちの様子が変わった。

 

身体が徐々に膨らんでいったかと思いきや風船のように破裂し、周囲に血のような液体が飛び散って壁や床を汚した。

 

ウーズたちは極端な変貌の影響から水分を欲し、異常に発達した舌を使って獲物から吸血を行い補給しようとする。

 

それが人間なら体の血液を吸われてひとたまりもないだろうがウーズたちが吸血していたのは人間ではない、並行世界の全生命の頂点に君臨している一族―『ゴジラ一族』の者にして最強の怪獣 初代怪獣王 ゴジラの息子怪獣王 ミレニアムゴジラことリルである。

 

ゴジラ一族には他の生物ではコントロールが不可能な細胞である『万能細胞 オルガナイザーG1』が存在する。

 

リルはウーズたちが自分の体から血液を吸い取るのを見抜き、体にあるオルガナイザーG1を吸われていく血液に大量に混ぜたのだ。

 

そうとは知らずに血液を吸ったウーズたちは大量のオルガナイザーG1により体内の組織が暴走、これにより組織が体を維持できなくなり自滅したのだ。

 

リル「くわうぅ……」

 

しかしその代償は少ないわけではなく、リルは膝を着いてしまう。

 

身体から一気に多量の血液を奪われてしまい、軽い貧血によるめまいに襲われたのだ。

 

体内では既にオルガナイザーG1による血液の緊急製造が行われていた。

 

数秒から長くて数分後には完全回復する、そしたら奏の援護に向かわなければと考えていたその時だ。

 

リルの左側の壁にヒビが入ったかと思いきや一気に崩れてあの怪物が姿を現し、雄たけびを上げたのだった。

 

ネメシス-T型「スタアァァァァァァァァァァァァァァァァァアッズ!!!!!!」


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