戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第569話 一時の休息

何とかネメシス-T型とレイチェルウーズの強敵ゾンビ2体を退けたマリアたちだったが、出口を探す過程で大量のゾンビに襲撃されてしまいじり貧となる。

 

殆ど連戦で全く休めていたない状態で、さらにリルはウーズ2体をオルガナイザーG1を用いた肉を切らせて骨を絶つ作戦で体力を無くしたところにネメシス-T型の奇襲で気を失って戦えない状態でゾンビたちと交戦。

 

体力が無くなる前に何処か休める場所として資料室にある重要機密が保管されている金庫へ立て籠もることになった。

 

 

 

マリア「ここまでくれば安心ね…」

 

奏「だーっ、疲れたぁ……」

 

何とかゾンビたちを振り切って一安心した面々はへなへなと座り込む。

 

ここまでずっと戦いっぱなしであったのでようやくゆっくり出来るからだ。

 

金庫内はどうやら別電源となっているらしく動体感知らしくマリアたちが入った瞬間にライトが点き、空調装置も動いていた。

 

響「あ、藤丸さん。リルくんは私が」

 

藤丸「はい」

 

ここまでくる間リルを持ってくれていた藤丸に響は引き取る。

 

浅木「その子の様子はどうですか?」

 

響「はい、だいぶ顔色も良くなってきました」

 

浅木にリルの様子を聞かれて響は答える。

 

ウーズ2体に加えて、人だとほぼ致死量に近い血液を奪われてしまったのだ心配するのは仕方がなかった。

 

浅木「良かった…」

 

だいぶ顔色が良くなったと聞いて浅木は安心する。

 

マシュ「それでこれからどうしましょう…」

 

マリア「そうね。相変わらず外とは通信できないし、外はさっきのゾンビの大群で囲まれている。加えてさっきの怪物2体…あれは見た目通り、他の怪物たちとは桁が違うわ」

 

自分たちの置かれている状況とネメシス-T型とレイチェルウーズの2体のことを思い出して言う。

 

奏「あの白い怪物も厄介だな。ダクトから出てきたから多分、調査隊の人を襲ったのも…」

 

通常のウーズがダクトから出現したの思い出して奏は散り散りになった調査隊を襲撃したと察する。

 

響「それにあの女の怪物…奏さんの言う白い怪物と同じ特性がある気がします」

 

奏「あぁ。奴の出した口みたいなの、白い怪物と同じだった」

 

ウーズとレイチェルウーズの出した舌が同じ形であることを思い出し、2種が共通の能力を有していると予測する。

 

浅木「ダ、ダクトの中からって…私、下手をしたらそのまま……」

 

ダクトから出てきたウーズを思い出して浅木は青ざめる。

 

下手をすればあの狭いダクトで戦闘しなくてはならなくなり、殺されていたかもしれないからだ。

 

マリア「それに関しては貴女、もの凄く運が良いわね」

 

青ざめる浅木にマリアは素直な事を言う。

 

浅木「は、はい…」

 

マリアに言われて浅木は本当に運が良かったと実感する。

 

マリア「とにかく今考えてもしょうがないわ。今は休みましょう。念を入れて交代で見張りをしながらね。最初は私が見張るからみんなは先に休みなさい。2時間後に奏、そのあとに響、マシュと藤丸、浅木の順でどうかしら」

 

響「分かりました」

 

藤丸「はい」

 

マシュ「私も異論はありません」

 

浅木「了解しました」

 

奏「2時間だけか…ま、しょうがねぇか」

 

マリアの提案に全員が乗り、最初の見張りのマリア以外は身体を横にして眠り始めたのだった。

 

 

 

同刻・超獣軍団本拠地の城。

 

アヴェンジャー率いる超獣軍団の本拠地の城ではアヴェンジャーと男が面と向かって会っていた。

 

男「我らが王よ。好機が訪れました」

 

アヴェンジャー「好機ダト?」

 

男の言葉を聞いてアヴェンジャーは聞き返す。

 

男「はい。さきほど作戦行動中の2人から連絡が、ワタリガラス共を呪術で作り出した者たちで釘付けにしていると。ここは今すぐ人間どもの最後の生存圏であるあの国を落とせます」

 

聞き返された男はマリアたちワタリガラスがくノ一と鬼の女の放ったゾンビたちに釘付けになっている隙に日本へ攻め込むべきだと言ってきた。

 

アヴェンジャー「…………」

 

だがアヴェンジャーは聞き終わると興味が無いのか無言になった。

 

男「我らが王よ。なにとぞ、この私に人類の息の根を止めろとお命じ下され!」

 

そう言って男はアヴェンジャーに願い出る。

 

アヴェンジャー「スキニシロ…」

 

沈黙を破ってアヴェンジャーはそう言う。

 

男「ははっ!必ずや吉報を知らせて参ります!!!」

 

アヴェンジャーから許可を貰い、男は準備をするためにその場を後にした。

 

アヴェンジャー「イイ加減ニ出テ来イ」

 

男が去ったの確認してアヴェンジャーは後ろを向いて言う。

 

?「気づいていたか」

 

アヴァンジャーが言うと柱の陰から6人の人物が姿を現した。

 

赤、青、黒、黄、桃、銀の色をした禍々しく悪魔のような姿をした強化スーツをそれぞれ着た人物たちだった。

 

アヴァンジャー「貴様ら、サーヴァントデハナイヨウダナ。何者ダ?」

 

現れた人物たちに警戒しながらアヴェンジャーは問う。

 

赤「俺たちはこことは違う世界からとある人物に蘇らせてもらった悪の戦士だ」

 

リーダー格の赤が問いに答える。

 

アヴァンジャー「トアル人物ダト?」

 

赤「そうだ。その人物は俺たちにシンフォギアと怪獣王の始末を申し付かっている。つまり俺たちと貴様たちは共通の敵を持っている」

 

アヴェンジャー「ダカラ何ダト言ウノダ?」

 

青「要するに貴様の手下だもの手助けをしてやると言っていだよ」

 

黒「もしシンフォギアたちが貴様の手下を倒し、人類への攻撃を防がれても厄介であろう」

 

黄「だから私たちが保険としてシンフォギアたちを始末してやるって言ってるのよ」

 

桃「悪い話ではないと思うけど?」

 

銀「どうするんだ?」

 

アヴァンジャー「…………」

 

他のメンバーからその目的を聞きアヴェンジャーは1分くらい沈黙して赤の人物を見た。

 

アヴェンジャー「良カロウ。上手ク始末シテクレヨ」

 

赤「任せておけ」

 

アヴェンジャーから協力を得て人物たちは不敵に笑っていたのだった。


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