戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第584話 酷似した泥と愛しき者へ送る"愛"

ミレニアムゴジラがユニタングの放った赤黒い何かに飲み込まれてしまった時だった。

 

響「とうちゃーくって、なにあれ!?」

 

冥界と現世を繋ぐ穴から響たちが到着、同時に赤黒い何かに侵食されて飲み込まれてしまったミレニアムゴジラの姿と周囲に流れる出す何かであった。

 

奏「なにがどうなってんだ!?」

 

赤黒い何かに飲み込まれてしまっているミレニアムゴジラを見て驚く。

 

すると藤丸の通信機がピピッと鳴った。

 

ロマニー『よかった、繋がった!急にギルガメッシュ王とかがいなくなったから何かあったのかと思ったよ!』

 

通信機にロマニーの声が聞こえてきた。

 

『ドクター!!!!』

 

聞こえてきたロマニーの声に藤丸たちは叫ぶ。

 

ロマニー『それよりどうなってるんだい!?君たちの前に聖杯の泥によく似た反応が出ているんだけど!!』

 

奏・響・マリア「「「聖杯の泥?」」」

 

聞きなれない言葉が出て響たち3人は首を傾げる。

 

ロマニー『聖杯の泥、それは"この世全ての悪"。触れてしまえばたちまち魂を汚染されてしまい、サーヴァントさえも性格が悪しき方向へと反転し暴走状態になってしまう。それに、常人ならこの泥の呪いに侵されて死亡する』

 

響「ようするに時ジ〇リ映画に出てくるシ〇神のドロドロみたいなものですか?」

 

ロマニーの"聖杯の泥"の解説を自分なりに分かりやすく言う響。

 

藤丸「うーん、似て非なるならそれ」

 

違う気もするが触れれば死ぬ部分は似てるからOKっという藤丸。

 

ロマニー『どうやって泥が出ているのかは知らないけどこの中で唯一泥への耐性があるのはギルガメッシュ…』

 

ギルガメッシュ「無理だな」

 

ロマニー『そう、無理…って、なんだってぇ!?』

 

唯一泥への耐性があるというギルガメッシュに白羽の矢が立ちかけたが本人が即答で無理という。

 

マシュ「ギルガメッシュ王!?」

 

マリア「どうして無理なの?」

 

ギルガメッシュ「この泥は(オレ)の知る聖杯の泥ではない。似て非なるものだ。"触れた者を呪い殺す"ではなく、"触れた者の憎悪のみを増大させる"かのようにな」

 

泥が自分の知っている聖杯の泥ではないと語るギルガメッシュ。

 

その時だ。

 

ユニタング「ギイィィィガアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

藤丸たちに向かってユニタングが角から赤黒い光線を発射してきた。

 

『!?』

 

発射されたユニタングの光線に気づいたときには目の前まで迫っていた。

 

その時だ、巨大な塊から赤い火炎が貫くように飛んできて光線に命中し相殺した。

 

響「今のは!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

響がそう言ったのと同時に塊が鮮やかな赤に輝くと破裂するように爆発してミレニアムゴジラが姿を現した。

 

響「リルくん!」

 

マリア「無事だったようね!」

 

姿を現したミレニアムゴジラを見て嬉しそうに言う。

 

マシュ「聖杯の泥への侵食は見られません!」

 

ロマニー『え、それ凄すぎやしないかい!?ギルガメッシュ王以外に耐性とか持ってるのって!!』

 

片や無事な姿を見せたミレニアムゴジラにロマニーは驚いて言う。

 

マリア「怪獣もといゴジラ一族って人間科学や魔術とかじゃ説明できない進化をするから…」

 

オキタ「それはそれでチート過ぎませんか!?」

 

奏「まあ、否定はできないな」

 

スペックが元からチートのゴジラ一族のことを聞いて驚くカルデア組に響たちは言う。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

泥を吹き飛ばしたミレニアムゴジラは放射火炎を発射する。

 

ユニタング「ギイィィィガアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

対するユニタングは角から赤黒い光線を発射して対抗する。

 

光線と火炎がぶつかり合うが赤黒い何かは放射火炎を飲み込もうと侵食を始めた。

 

しかし2度も同じ手を踏まないのがゴジラ一族である。

 

すでに対抗策は練っていた。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

放射火炎を止めるとミレニアムゴジラは足を思いっきり踏むと地面を隆起させて幾重もの壁を作った。

 

出来上がった壁により光線は阻害されてしまい、赤黒い何かも壁を侵食するためにその勢いを落としていく。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル………ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

その隙にミレニアムゴジラは口内にエネルギーをため込んでいるのか背鰭がマグマのように赤く輝くと大きく口を開いて今までより太く威力のある放射火炎を発射した。

 

発射された放射火炎は壁ごと赤黒い何かを飲み込み蒸発させ、ユニタングに向かって行く。

 

ユニタング「ギイィィィガアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

放射火炎を避けようとしたユニタングはバラバラになろうとしたが周囲に波紋が現れたかと思いきや金の鎖が体を縛り、分離を封じ込んできた。

 

ギルガメッシュ「(オレ)がいる限り無粋な真似などさせるものか」

 

金の鎖―天の鎖(エルキドゥ)でユニタングを縛り上げたギルガメッシュは言う。

 

このまま放射火炎がユニタングに命中すると誰もが思ったその時だ。

 

マザリュース「ウゥオギャアァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

放射火炎がユニタングに命中する直前で倒されたハズのマザリュースが起き上がりその身を盾にユニタングを守った。

 

『!?』

 

マザリュースがその身を盾にしてユニタングを守ったのを見て全員が驚く。

 

マザリュース「ウゥオギャアァァァァァァ………」

 

放射火炎を受けてマザリュースはユニタングの方を向いて何かを言うと一筋の涙を流して爆散した。

 

爆散したマザリュースは金の光となってユニタングを覆うとその体から赤黒い何かを引きずり出した。

 

赤黒い何かを引きずり出されたユニタングは元の姿になるとその場に倒れてアサシン・ユニタングに戻った。

 

奏「あれは?」

 

ロマニー『おそらく聖杯の泥に似た何かの正体だよ!あれを破壊すれば周辺のそれは消滅するハズだ!!』

 

マリア「それだったら!」

 

響「私とリルくんの出番ですね!!」

 

ロマニーの言葉を聞いて響は言うと聞こえていたのかミレニアムゴジラは近くに尻尾を持ってくる。

 

響「行くよ、リルくん!」

 

尻尾に乗ると同時にシーソーのようにミレニアムゴジラは響を自身の右肩まで飛ばした。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル……」

 

響が右肩に着地するとミレニアムゴジラは自身のエネルギーを響に与える。

 

響「はあぁぁぁぁぁ……」

 

響もまた自身の歌でフォニックゲインを上げてミレニアムゴジラに分け与える。

 

古代の血と戦姫の歌が共鳴し、混ざりここに神殺しの力が発現する。

 

神殺しの力が発現する中で2人はマザリュースのことを思い出していた。

 

あれは偶々ユニタングを守ったのではない。

 

マザリュースはユニタングを助けるために最後の力を振り絞り、自身の命を代償に救ったのだ。

 

近くにいながらも本当のことを話せなかった理由は分からない。

 

だが、マザリュースが最後に見せたそれは愛しき者へ送る"愛"なのではないのかと考えていたのだ。

 

響「ぶっ飛べえぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

響とミレニアムゴジラの気合いの声と共にドリルナックルから繰り出す竜巻と口から放たれた火炎、2つの技が融合する。

 

"愛"を踏みにじった者への怒りを込め、融合した2つの力が炎の渦となりユニタングから出てきた何かを飲み込んだ。

 

飲み込まれた何かは神殺しの力を発現している渦により蒸発して消滅した。

 

同時に周囲に広がっていた何かも一緒に消滅した。

 

マシュ「聖杯の泥に酷似した何かの消失を確認しました!」

 

マリア「ふぅ、これで一件落着ってとこね」

 

響とミレニアムゴジラの神殺しの力を発現した技で聖杯の泥に酷似した何かの消滅を確認したのを見て今回の件が解決したことを言う。

 

景虎「ですがまだ超獣が1体残っていますが…」

 

信長「うーん、しかし気を失って折るようじゃぞ」

 

オキタ「マスター、どうします?」

 

残った超獣 ユニタングことアサシン・ユニタングをどうするかと聞く。

 

藤丸「とりあえず、この世界の自衛隊に話してどうするか決めさせてもらうよ」

 

聞かれた藤丸がそう言った時だった。

 

遠くの方から爆発音のようなものが響いたかと思いきや巨大なキノコ雲が上がった。

 

奏「なんだ!?」

 

爆発音とキノコ雲を見て全員が驚く。

 

隊員「ワタリガラスの皆さん!!」

 

そこへ基地入口に警戒待機していた自衛隊の部隊の隊員が慌てた様子でこちらに走ってきた。

 

マリア「どうかしたんですか?」

 

慌てた様子でこちらに来た隊員に聞く。

 

隊員「そ、それが先ほど首都の方で黒の軍勢の大群と黒き王が出現!白き王と白の軍勢と交戦していると連絡がありました!!」

 

『!?』

 

隊員の報告を聞いて全員はまたも驚くのだった。


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