ベディヴィエール「皆さん!!!」
発射された赤黒い光線から皆を守ろうとベディヴィエールがアガートラームを構えた。
ベディヴィエール「我が魂食らいて奔れ、銀の流星!
アヴェンジャーの赤黒い光線に対してベディヴィエールは宝具を展開した。
アガートラームの輝きと赤黒い光線がぶつかり合う。
しかし…。
ベディヴィエール「ぐっ!!」
宝具を発動しているベディヴィエールの体に痛みが走る。
マリアの纏うアガートラームと違い、ベディヴィエールのアガートラームは寿命を縮める諸刃の剣であり、宝具を使えば使うほど苦痛が伴う。
藤丸との契約で何とか痛みだけであるが連続使用は流石に耐え難いようだ。
藤丸「ベディヴィエール!!」
マシュ「ベディヴィエール卿、無理はいけません!!このままでは貴方が死んでしまいます!!」
ベディヴィエールの宝具を知る2人は言うがベディヴィエールは宝具を止めようとはしない。
このまま退けば光線が皆に命中してしまうと判断してるのだ。
するとベディヴィエールの義手に重なる手があった。
マリアの手だ。
ベディヴィエール「貴女は!?危険です、すぐにさが…」
マリア「悪いけど、下がらないわよ」
下がるように言うベディヴィエールにマリアは言う。
マリア「貴方の義手がアガートラームなら…私の纏うこれも、アガートラームよ!同じアガートラームを持つ者が命かけてるなら私だってかけさせてもらうわよ!!!」
マリアの纏うアガートラームが輝くとベディヴィエールのアガートラームもその輝きを増していく。
マーリン「おぉ!異世界のアガートラーム同士が互いを助けようと呼応している!」
輝きを増す2つのアガートラームを見て少し興奮気味にマーリンは言う。
ベディヴィエール「これは…痛みが、引いていく」
輝きを増した自身のアガートラームと同時に痛みが引いていくのを感じていた。
マリア「これが私のアガートラーム。色々な人たちの思いを受けて出来た"愛"のギアよ!!!!」
エンキから始まり妹であるセレナから受け継いだ愛のギアであるアガートラームがその力でベディヴィエールのアガートラームの諸刃の力を対消滅させたのだ。
信長「なぜそこで"愛"なのじゃ!?」
オキタ「いやいや、そこは深くツッコまない方がいいですよ」
景虎「"愛"といえば直江殿ですが、関係がおありで?」
マシュ「全然無いと思いますよ」
急にマリアの言う"愛"で物議をかもす。
マリア「いくわよ!」
ベディヴィエール「はい!」
「「我が魂喰らいて
2つのアガートラームから放たれる光の剣が赤黒い光線を切り裂き、アヴェンジャー本体に向かって行く。
アヴェンジャー「!?」
向かってくるアガートラームの刃にアヴェンジャーは輝きの中にその姿を消した。
マリア「くっ…」
ベディヴィエール「ぐっ…」
マリアとベディヴィエールは『一閃せよ、銀色の腕』を放ってその場に膝を付く。
響「マリアさん!」
藤丸「ベディさん!」
2人が膝を付いたのを見て傍に全員が駆け寄る。
マリア「ちょっと…無茶しすぎたわね…」
疲れを見せているが無事なようでマリアが言う。
ベディヴィエール「えぇ。ですが不思議と反動によるダメージはありません…」
マーリン「そりゃあ"愛"の籠ったその白銀の鎧が君たちの反動ダメージを防いでくれたんだよ」
ベディヴィエールの疑問にマーリンは言う。
奏「そんで今のでアイツを倒せたのか?」
マシュ「分かりません。ですが無事だとしても無傷では……!?」
2人のアガートラームで放たれた宝具を喰らってアヴェンジャーはどうなったかと話していると爆煙が風で晴れるとそこには無傷のアヴェンジャーが立っていた。
エレシュキガル「う、嘘なのだわ!?」
ギルガメッシュ「二重の力のある宝具を受けて無傷だと!?」
マリアとベディヴィエールの宝具を受けてもなお傷一つ無いアヴェンジャーを見て驚愕する。
アヴェンジャー「ぐっ!ごはっ!!」
瞬間、アヴェンジャーは苦しんだかと思いきや口から大量の赤い液体―血液を吐き出した。
吐き出された血液がアヴェンジャーの足元を赤く汚した。
マーリン「流石にダメージを与えられたようだね」
吐血したアヴェンジャーを見てマーリンは言う。
アヴェンジャー「ワタリガラス…流石ニ油断シタ…ナラバ我ノ秘儀ニテソノ礼ヲシテクレル!!!!」
吐血したアヴェンジャーはそう言うと自身の頭上に巨大な魔方陣を展開した。
ロマニー『アヴェンジャーの魔力が急激に上昇中!この魔力量…わ、惑星のビッグバン級!!!ヤバイよ、アヴェンジャーはこの土地一帯ごと吹き飛ばす威力の宝具を打つつもりなだ!!早く逃げるんだ!!!』
藤丸「そんなこと言ったって!!」
観測していたロマニーに言われたがそんな技からどうやって逃げろというのか逆に聞きたくなった。
マシュの宝具でもアヴェンジャーの宝具を防ぎきれそうにない、そもそも威力が桁違いすぎていた。
?「やはりこの状況になりましたか…」
聞きなれた声が聞こえたかと思い振り向くとそこにはリルを抱えたルーラーが立っていた。
響「る、ルーラーさん!!」
戦場に現れたルーラーに響たちは驚くのだった。