――――なんだ…。
――――この懐かしさは…。
――――暖かい…。
――――復讐の業火とは違う…。
――――この優しく…暖かいのは…。
アヴェンジャー「!!!」
目を開けたアヴェンジャーは仰向けになって倒れていた。
眼前には青い空と白い雲があり、優しく暖かな太陽が照らしていた。
遠くから人間たちの歓喜の声が聞こえていた。
リル「かう!」
そんなアヴェンジャーの視界に1人の少年―さっきまで自分と戦っていた異世界から来た怪獣たちの王 ミレニアムゴジラことリルがボロボロながらも元気な姿で入ってきた。
その近くにはアヴェンジャーを囲むように響たちと藤丸たちがいた。
アヴェンジャー「……ドウヤラ、我ノ負ケノヨウダナ………」
人間の歓喜の声と動かない自身の体、そして近くにいる響たちと藤丸たちを見て自分が負けたと悟って言う。
アヴェンジャー「…何故、アノ時止メヲ刺サナカッタ?」
リルに最後の一撃で自分を完全に殺せたのに手を抜いていたことを聞く。
理由としてはビッグバン級の宝具を飲み込んでしまうほどの威力がある技を受けて自分が生きていることだった。
リル「かうかう、かうかうかーう。かうかうかうーかうかうー。かうかう、かうーかうかうかうかう」
訳:だって、ルーラーと約束したもん。アヴェンジャーを絶対に助けるって。だから、あそこで殺したら約束を破っちゃうじゃん
聞かれたリルはさも当たり前であるかのように答える。
しかもさっきまで殺し合った相手とは思えないほど明るい声で。
アヴェンジャー「ヤハリ、オ前ハ優シスギルヨウダ……」
リルの答えを聞いてアヴェンジャーは言う。
響「それがリルくんだよ!」
マリア「貴方にとっては優しすぎるかもしれないけど、強者には優しさも必要なのよ。リルくらいには」
奏「そうそう」
リルの答えに補足するように響たちは言う。
アヴェンジャー「ソウカ…」
答えを聞いてアヴェンジャーはそう言うと今度は藤丸たちの方を見た。
アヴェンジャー「人類最後ノマスタートヤラ…オ前ハ我ヲ殺シハシナイノカ?」
藤丸にそう問うアヴェンジャー。
他者の恨み、憎しみを利用して手駒にした挙句に用が済んだら戸惑い無く殺しにかかった自分を殺さなくてよいのかという意味が込められていた。
藤丸「うん、殺さないよ。貴方がしたことは確かに許されない、許しちゃいけない。でも、それは貴方の本心じゃない。全部魔術王の放った聖杯のせいだもん。それに私たちも約束したから。ルーラーさんと」
アヴェンジャーの問いに藤丸はそう答えるとマシュたちサーヴァントも頷いて同意する。
アヴェンジャー「ソウカ…ナラバ……」
藤丸の答えを聞いてアヴェンジャーは動かない腕を上げた。
無理矢理動かしているのかかなり力を入れているのが分かるくらい震えていた。
アヴェンジャー「フンッ!!!!!」
上げた腕で自身の胸部を貫いた。
『!?』
アヴェンジャーの行動に全員が驚いた。
アヴェンジャー「ソウ驚クナ…コイツヲ回収セネバナラナイノダロウ?」
驚いている全員にアヴェンジャーはそう言いながら何かを取り出した。
金色をした綺麗な杯―魔術王が放った『聖杯』であった。
アヴェンジャー「ゴフッ…コイツハ我ノ霊核ト一体トナッテイル…ドノ道、我ハ消エナケレバ…ナラン……」
弱々しくなっていく声でアヴェンジャーは言いながら藤丸に手渡した。
マシュ「そんな!!」
話を聞いてルーラーとの約束が果たせないと思う面々。
アヴェンジャー「安心シロ…我ハ救ワレタ…ヨウヤク…終ワッタ…永遠ト燃エ続ケテイタ…復讐ノ炎ガ……」
面々にそう言って安心させるアヴェンジャー。
するとアヴェンジャーの体が光の粒となって消え始めた。
アヴェンジャー「ドウヤラ…時間ノヨウダ…」
消え始めた自身の体を見て消滅を悟る。
アヴェンジャー「異世界ノ我ヨ…オ前ガ見セタ…ソノ思イ…生キテイル限リ…貫ケ……」
リル「うん…」
泣きそうになるリルは我慢して頷いて言う。
アヴェンジャー「ソレデコソ…異世界ノ我…イヤ…我ノ息子ダ……………」
リルの返事を見てアヴェンジャーはそう言うと満足そうな笑みを浮かべながら完全に消滅してしまった。
すると響たちシンフォギア組と藤丸たちカルデア組の体が光り始めた。
響「ふえ!?なになに!?」
急に体が光り始めたことに驚く。
マシュ「落ち着いてください。聖杯を私たちが回収したことでここでの歴史が修正され始めたんです。それで異物である私たちの強制退去が始まったんです」
慣れているのかシンフォギア組にマシュが解説する。
マリア「つまり私たちの世界へ強制的に帰還させられているってことでいいかしら?」
藤丸「はい、その通りです!」
マリアの要約に藤丸は言う。
奏「そっか…じゃあ、もうお別れなんだな」
マシュ「そのようです。まだ皆さんと一緒にいたかったのですが…」
響「そうだね。でも私たちには私たち、藤丸さんたちには藤丸さんたちが守らないといけない世界がありますし…」
藤丸「そうだね…お別れって少しさびし…」
響「おっと!それを言っちゃあ駄目ですよ!」
藤丸「え?」
響「"もう会えないじゃなくていつかまた会おう"。そうすれば寂しくありませんから」
藤丸「うん、そうだね!」
別れは確かに寂しい、でも"またいつか会おう"であれば寂しさは半分になることに納得する。
?「ワタリガラスの皆さん!!」
聞き覚えのある声が聞こえてみると浅木を先頭に今回の作戦に参加した自衛官たちが立っていた。
浅木「総員、この世界のために戦ってくださった英雄たちに敬礼ッ!!!!」
浅木の号令で自衛官たち全員が敬意を込めた敬礼をした。
それを見て響たちと藤丸、マシュは照れ臭く感じていた。
だがすぐに自衛官たちに向かって敬礼の真似をして返した。
同時にその場にいたワタリガラスと呼ばれる者たちの姿は消えてしまった。
響「………あれ、ここは…」
目を開けた響は見覚えのある保管区に奏、マリア、リルと立っていた。
マリア「どうやら帰ってきたみたいね」
保管区がギャラルホルンの保管場所だと気づいたマリアがそう言う。
奏「それにしても今回はかなり疲れたなぁ」
リル「かう~…」
激戦続きだった今回の事件で奏とリルは言う。
響「確かにそうですね…」
マリア「えぇ。でも休む前に司令たちに今回の報告をしないとね」
奏「うへ~、勘弁してくれよ~。なあ、チビ助」
リル「かう~」
疲れているのに休めないことに奏は露骨に嫌がり、リルも賛同するのだった。
少し日が経ったカルデア。
カルデアにあるサーヴァントを召喚する装置『守護英霊召喚システム フェイト』の前に藤丸とマシュがいた。
マシュ「戦力拡大ですね、先輩」
藤丸「うん、前みたいな奇想天外なことが起きてもいいようにね。さて、いっくよー!!!」
気合を入れて装置を起動させる藤丸。
すると輪が三本現れて1つになったかと思いきや2枚のカードが現れた。
藤丸「え!?」
マシュ「これはいったい!?」
普段なら1枚(1人)ずつ来るはずが2枚(2人)同時に来たことに驚く。
驚いていると2人の人物がカードが変化して降り立った。
ルーラー「サーヴァント・ルーラー、縁により只今顕現しました。真名はありません、単にルーラーとお呼びください。よろしくお願いしますね、マスター!あ、こう見えて私は強いですよ?」
アヴェンジャー「サーヴァント・アヴェンジャー、召喚に応じて参上した。…全く、この我が貴様のような者の配下になるとは妙な縁もあったものだ。まあいい、召喚されたからには貴様を主と認知してやる。ただし、相応しくないと判断した時は…分かってるな?」
現れた2人『ルーラー』と『アヴェンジャー』は自己紹介する。
この召喚で、一回思考が停止したが2人を改めて見て藤丸とマシュは涙を流して迎え入れたのだった。
こうして復讐に燃える1人の英霊の魂は救われ、魔術王の人類焼却はまたも撃ち破られた。
だが、まだ彼らの前に新たな戦いが待ち受けているだろう。
それでも彼らは信じている。
己が信じた道を、意思を、仲間を…………。
特殊特異点
人類最終防衛都市国家 日本
定礎修復完了
とある赤い砂で一面が覆われ、砂漠となった惑星に1体の巨大な何かが動いていた。
?「フハハハハハハ!!」
何かが不気味な笑い声を上げると地面から昆虫型の巨大な生物が2体飛翔し、宇宙へ飛び立ったのだった。
Continue to next time………
次回
事件もなく穏やかで平和な時が流れる地球。
だが平和を切り裂く羽根を羽ばたかせる宇宙からの侵略者たちが飛来した!
藤尭「宇宙から地球へ向かってくる宇宙怪獣を確認!サイパン島へ降下します!!」
弦十郎「迎撃だ!!」
襲来する宇宙怪獣たち!!
破壊の限りを尽くす宇宙怪獣たちの前に苦戦する響たちとリルたちにある宇宙人と融合した怪獣が現れた。
?「お前たちでは奴らには勝てん」
響「貴方は…」
故郷を滅ぼされ、仲間を殺されて心を閉ざした宇宙人を救えるのか…。
そして遂に、あの怪物が地球へ襲来する!
地球の…宇宙全ての命をかけた戦いが勃発する!!
未来へ繋がる命が誕生の産声を上げる時、破壊に屈しない勇気が生まれる!
戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G ACT2
Star of life・Birth of a new life!
近日公開!!
近日だからって明日からじゃないですよ!