地球の様に青く美しい星が広大な宇宙に存在していた。
その星は地球の様に多種多様な命が溢れていた。
平和な日々が流れると思われていた。
だが、それは突如として終わりを告げた。
サンドロス「フハハハハハ!!!!!!」
スコーピス『ピキイィィィィィィィィシャアァァァァーーーーーーーーー!!!!!!』
不気味な笑い声と共に稲妻が走る黒雲―サンドロスと数千から数万ものスコーピスたちが飛来し、破壊の限りを尽くした。
生命の悲鳴が響き、その度にサンドロスたちは笑い、さらに破壊し命を奪っていく。
サンドロスとスコーピスたちにより青い星は瞬く間に赤く醜い星へと変わり果てていく。
そんな星から脱出するように円盤がいくつも宇宙へ逃げていく。
スコーピス『ピキイィィィィィィィィシャアァァァァーーーーーーーーー!!!!!!』
しかし逃げていく円盤を逃すまいと何体かのスコーピスたちが追撃に出てきた。
追撃に出てきたスコーピスたちは非武装の円盤を容赦なくフラレジッドボムやポイゾニクトで破壊していく。
中には護身用の武装で攻撃する円盤もあったがスコーピスたちに回避されてその凶刃に掛かっていく。
ほとんどの円盤がスコーピスたちに破壊されていくつかの円盤たちは空間にワープホールを開いてその中へ入っていく。
スコーピス『ピキイィィィィィィィィシャアァァァァーーーーーーーーー!!!!』
スコーピスたちは追撃しようとするがワームホールは閉じてしまい追撃できなかった。
シャウ「これが私たちの故郷、ギャシー星を見た最後の映像だ」
岩壁に映した映像を止めてシャウは悲し声でそう言う。
今のはシャウたちギャシー星人たちがサンドロス率いるスコーピス軍から母星から宇宙へ逃れる時の記録映像であった。
響たち『………』
あまりにもスケールの違いにしばらく誰も何も言えなかった。
シャウ「私たちは故郷の環境を蘇らせるために故郷とよく似た環境を持つこの地球に向かうことになった。だがその途中でスコーピスたちの追手に見つかり、残された仲間たちの乗る船は次々に破壊されてしまった」
何も言わない響たちを見てシャウはそう言うと映像を再度再生した。
シャウたちの乗る最後の円盤を追ってワープホールにまで侵入したスコーピスたち。
もはやこれまでかと思われたその時だった。
突如、スコーピスたちの攻撃から赤い色をした光の巨人が現れて円盤を守った。
その後、赤い巨人は光線を放ってスコーピスたちを一掃してしまった。
スコーピスたちからシャウたちの乗る円盤が離れていくの見送るとどこかへ飛び去って行った。
シャウ「彼はこの宇宙で様々な星々をサンドロスから守っている赤い勇者。私たちは彼に救われてこの星に辿り着いて研究を始めた。しかし…!!」
"赤い勇者"と呼ばれる光の巨人に助けられて地球へ辿り着き、母星を蘇らせるために必要な"生命の根源"を生み出す研究を始めたと言った時、何かを見て急いで走り出した。
それを見て響たちは視線を動かすとそこには"生命の根源"を生み出すためのカプセルがあり、その中に小さな光があった。
響「これは?」
シャウ「これが生命の根源…あ!」
光―"生命の根源"を見て言うがすぐに消えてしまった。
シャウ「まただ…生まれてもすぐに消えてしまう…だから錬金術と呼ばれる技術が必要だった」
どうやら何度も"生命の根源"を生み出せそうになっていたがすぐに消えてしまうのを繰り返していたらしく藁にも縋る思いで錬金術の情報を手に入れて中でも強力な錬金術を出せるエルフナインとエルザを見つけた。
が、エルフナインはS.O.N.G.の職員であるがために手が出せず、エルザを狙うことになってもエルザはガウと共にいる上に怪獣軍団の護衛がいる場所にしかいないため焦っていたがスコーピスたちのサイパン島襲撃の混乱に乗じてエルザを連れ去ってきたのである。
ガウ「がうがうーがうがうがう。がうがうーがうーがう!」
訳:だからって人の嫁を攫わないでよ。エルザは身籠ってるんだよ!
事情は分かりはしたが人の妻、しかも身籠っている体をしたエルザを攫ったことをガウは言う。
シャウ「分かっている…だが私たちはもう時間が無い。サンドロスが攻めてくる前に何としても生命の根源を作り出さなくてはならなかったんだ」
エルザを攫うことに多少の後悔はあるようでシャウは言う。
翼「だが、いくらサンドロスとスコーピスとは言え、そうそうに地球を襲うか?」
マリア「そうね。ここの場所を突き止めているのなら話は別だけど、怪獣軍団がいるこの星には早々に攻め込めないハズ…」
シャウ「いや。奴らはここを確実に攻めてくる」
クリス「なんでんなことが分かるんだよ?」
シャウ「奴らは私たちの出す"K2電波"を感知している。それを辿ればいくら認識阻害を施しているこのブルーエリアでも容易に発見されてしまう」
友里「それじゃあ、怪獣軍団や私たちがここに来るときに検知した電磁波の正体は…」
友里の言葉にシャウは頷き、そして全員があることを察した。
あの時のスコーピスたちのサイパン島襲撃はギャシー星人たちの発するK2電波を感じ取り威力偵察の目的で襲来、そしてシャウがエルザを攫うところを見てギャシー星人たちが地球で生き残っていることが分かり、今度は大群を差し向け地球生命ごとギャシー星人たちを葬り去ろうとしていると。
切歌「それって結構不味いんじゃないデスか?」
調「"結構"じゃなくて"完全に"不味い状況だよ、切ちゃん」
弦十郎「あぁ。何とかして迎撃態勢を整えねば…」
そんな事態を察して迎撃態勢を整えねばと話す。
シャウ「無理だ。サンドロスには絶対に勝てない…スコーピスたちだって1体1体は大したことは無い…だがあの数で押されればひとたまりもない」
母星にサンドロスたちが襲来した時の経験からかシャウは怯えた様子でそう言う。
するとそんなシャウの手を握る手があった。
響の手であった。
響「諦めちゃダメだよ!この星には私たちがいる!神様だって知らない光を紡ぎだせる力がある私たちが!それにこの星にいるのは人間だけじゃない。ガウくんやリルくん、それに沢山の怪獣たちがいるんだよ!何千だろうと何万だろうと私たちは負けたり諦めたりしない!この胸に歌が響き渡ってる限りね!だから私たちが協力し合えばサンドロスだって絶対に倒せるよ!!」
怯えていたシャウに響は言い、それに他の面々は頷いて同意する。
数々の激戦を乗り越え、絆を継ぐんできた彼女たちだからこそ言える言葉であるからだ。
シャウ「………」
響の言葉を聞いて"諦め"、"絶望"、"恐怖"に支配されていたシャウの心に何かが芽生え始めた。
しかし…。
?「これだから利己的な生物は…」
『!?』
いい感じの空気と雰囲気をぶち壊す発言した人物に全員の視線が向かれる。
その発言をしたのは本部で弦十郎を抑えたあの男性のギャシー星人であった。
シャウ「ジーン…」
ジーンと呼ばれるギャシー星人を見てシャウは急いで響から手を離した。
ジーン「お前たちがどんな戦いを乗り越えてきたかは知らないがサンドロスは桁が違う。奴はたった1人で多くの平和な星々を滅ぼしてきた巨悪。お前たち利己的な生物が敵う相手ではない」
クリス「そんなのやってみねーと分か…」
ジーン「その過程で、お前たちは多くの自然を踏みにじってきただろ!お前たちは自分たちさえ無事ならば他はどうなろうと構わない利己的な生物だからな!!」
クリス「ッ!?」
ジーンに言われてクリスは黙ってしまう。
事実、米国やロシアなどは自然環境ごと破壊しかねない"核兵器"や"反応兵器"、細菌やウイルスなどの"生物兵器"などを保有している。
これらは国民や国を守るための兵器であって自然環境のことなどなんら配慮していない、これは言い方を変えれば"自分たちさえ無事なら自然などどうでもいい"っと言い表しているのと同意義である。
ジーン「そんなお前らと我々が手を組むなどありえない!!!」
宣言するようにジーンは言い放った。
その頃、NASA宇宙開発局では慌ただしい様相をしていた。
オペレーターA「From the Pluto satellite, you can see a large horde that seems to be a medium-sized space monster! The number is unknown!」
訳:冥王星衛星から甲中型の宇宙怪獣らしき大群を確認!数は不明です!!
オペレーターB「After this, I will fly to Earth within a month!!」
訳:このままだと後、一ヶ月以内に地球へ飛来します!!
甲中型の宇宙怪獣の大群―サンドロスが出撃させたスコーピスの大群が冥王星まで接近し、後一ヶ月以内に地球へ飛来することにオペレーターたちは焦りを見せていた。
局長「Don't panic! First let's let governments know about this! Don't leak the data from each satellite!!」
訳:慌てるな!まずは各国政府にこの事態を知らせるんだ!各衛星のデータを漏らすんじゃないぞ!!
指示を出しながら部下たちを冷静にさせる局長だった。
スコーピス襲来まで後、一ヶ月。