戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第610話 まだ早い

弦十郎の緊急事態を聞いて発令室に響たちは急いで発令室へ来た。

 

弦十郎「全員揃ったな」

 

入ってきた面々を見て弦十郎は言う。

 

クリス「おい、おっさん!さっきの話は本当なのか!?」

 

入って来て早々にクリスは弦十郎にスコーピスの事を聞く。

 

弦十郎「あぁ。NASAの宇宙開発局で打ち上げられていた冥王星観測人工衛星が地球へ向かうスコーピスの大群を確認した」

 

翼「何か対抗策は?」

 

?『それについては既に対策済みです』

 

翼の問いに答える声がしたかと思いきやメインスクリーンに1人の男性が映った。

 

眼鏡をかけてスーツを着て、左側の襟に議員バッジを付けた男性―前に竹島沖に出現した謎の所属不明巨大戦艦『自称大和』こと『紅の戦艦』の事件に貢献した『中井』が映っていた。

 

中井『既に北九州市に対宇宙侵略防衛用防壁装置の準備を進めています』

 

マリア「宇宙侵略防衛用防壁?」

 

聞きなれない言葉にマリアは聞く。

 

中井『平たく言えばバリアのようなものです。ブラックホール第三惑星人のメカゴジラによる地球侵略作戦以降、地球には数多くの宇宙人や宇宙怪獣に狙われている、そこで風鳴さん…お父様が密に建設していたのが侵略防衛用防壁の装置です』

 

かつて地球侵略に現れた類人猿型の宇宙人『ブラックホール第三惑星人』によるメカゴジラの地球侵略以降、数多くの宇宙人や宇宙怪獣たちが地球を我が物にしようと侵略を繰り返していた。

 

それを防ぐために弦十郎の兄にして翼の実父、日本の安全保障を影から支える内閣情報官である今は亡き『風鳴 八紘』が密に作っていたという。

 

翼「お父様が…」

 

中井『ただ問題としてこの装置を動かすにはある電波が必要なんです』

 

調「その電波って?」

 

中井『K2電波と呼ばれるものです』

 

響「それって!?」

 

K2電波と聞いて響たちはあることを思い出した。

 

K2電波はギャシー星人たちが放っている特殊な電波で、スコーピスたちはそれを感知していた。

 

中井『何か心当たりがおありで?』

 

弦十郎「実は…」

 

響たちの反応を見て弦十郎は中井にこれまでのことを話した。

 

ギャシー星人たちのこと、サンドロスとスコーピスたちのこと、そしてエルザに協力してもらって何をしようとしていたのかを。

 

中井『そうでしたか…ギャシー星人たちと協力できればすぐにでも防壁を地球全体に展開できるのですが……』

 

話を聞いて中井は言う。

 

話の中にギャシー星人たちが地球人類をどのような生物かということも聞いて反論する余地がないことが分かっていたからだ。

 

(大半は世界最強とか称してる元大国家のせいではあるが…)

 

中井『お話の通りならそのギャシー星人と協力関係は築けそうにありませんね』

 

弦十郎「はい。そうなります」

 

ギャシー星人たちと協力関係が築けないと半ばあきらめている弦十郎と中井、それに響たちも同じであった。

 

諦めの雰囲気が周囲を覆ったその時だった。

 

ガウ「がうがうーがう?」

 

訳:諦めるのはまだ早すぎるんじゃない?

 

協力関係が築けないと諦めていた空気をガウがそう言ってきた。

 

ガウ「がうがうがうーがうがうがうがうがうがうー。がうがうがうがうーがう?がうーがうがうがうがうがう」

 

訳:どんな人とも分かり合えるって信じてる響たちが諦めてどうするのさ。どんな人とも、怪獣とも分かり合えるって教えてくれたのは響たちでしょ?だったら諦めないで何度でも開いた拳を差し出せばいいんじゃないか

 

響「ガウくん…そうだよね、うん!そうだよね、まだ諦めるには早すぎる!」

 

ガウに言われて響が言うと全員が頷いた。

 

多少の確執はあるが地球人類は地球怪獣たちと共存の道を切り開きつつある。

 

種族が違う者たちとも臆せず、握った拳を広げて差し出した勇気を思い出して全員が頷いた。

 

中井『それではみなさん、ギャシー星人との協力関係をお願い致します』

 

頭を下げて中井は願う。

 

響「はい!任せてください!!」

 

面々を代表して響が気合の入った声で言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スコーピス地球襲来まであと28日


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