戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第614話 変わり始めた考え

シャウ「…地球人の買い物を侮っていた……」

 

疲れたのかシャウはベンチに座っていた。

 

服はギャシー星のではなくせっかくだからと買ったばかりの服を着ている。

 

調「女の子の洋服選びって結構時間かかるんですよ」

 

シャウ「そうなのか?」

 

クリス「日常茶飯事って訳でもねーけどな」

 

初めての買い物で疲れたシャウにクリスは言う。

 

その時だ。

 

不良「ってえな!どこ見て歩いてんだよ!!!」

 

声の方を見るとガラの悪そうな男が老婆に向かってガンを飛ばしていた。

 

老婆「何言ってるんだい。ぶつかってきたのはそっちでしょ」

 

不良「あぁん?なめてんのか、ババア!!!」

 

自身に非があるようなのに認めない不良は老婆を押した。

 

体が弱くなっている老婆の老体が地面に倒れる。

 

クリス「アイツ!」

 

調「お年寄りになんてことを!」

 

突き飛ばした不良を見てクリスと調はシャウを置いて不良の方へ向かう。

 

クリス「おい、お前!ばあさんになんてことしてんだ!!」

 

クリスが不良を呼び止め、調が老婆を助け起こしていた。

 

不良「あぁ?そこのババアが先にぶつかってきたんだろうが」

 

クリス「嘘つけ!お前が先にぶつかってただろ!!」

 

不良「何言ってんだよ、あんまり嘗めてっと痛い目に合わせ…ッ!?」

 

クリスを殴ろうと不良の振り上げた拳を掴む手があった。

 

不良「な、なん…」

 

掴まれて振り向くとそこにはスーツを着た男性が掴んでいた。

 

男「女相手に向きなるなよな」

 

そう言って男は掴んでいた不良の手を捻る。

 

不良「イデデデデデデッ!?」

 

かなり力強く捻られたのか不良は物凄く痛そうな声を上げる。

 

不良「な、なんだよ、このゴリラパワーはよ!?」

 

痛いながらも男に不良は言う。

 

バルカン「ゴリラじゃねぇ。俺はバルカンだ」

 

ゴリラと言われて男は否定してバルカンと名乗る。

 

そして突き飛ばすように不良から手を離した。

 

バルカン「そもそもお前、俺も見ていたがお前からこのばあさんに当たってたろ?」

 

不良「ふざけんな!お前らだけ見たってだけで俺が悪いみたいな言い方すんな!!」

 

バルカン「なら、他の人にも聞いてみるか?それでも信用しないなら警察に行って防犯カメラでも確認してもらうか?俺らが合ってたら傷害罪、立派な犯罪が浮き上がるぞ」

 

不良「ッ!?」

 

図星だったのか不良は何も言い返せず、周囲を見るとクリスや調、バルカンと同じように不良が先にぶつかったっと言いたげな目をしている人たちがいた。

 

不良「く、くそが!覚えてろ!!」

 

捨て台詞を吐いて不良は急いでその場を離れるように逃げていった。

 

バルカン「覚えてるかよ。お前の事なんざ」

 

捨て台詞にそう返してバルカンは不良を見送るとクリスたちの方を向いた。

 

バルカン「おい、大丈夫か?」

 

クリス「あ、あぁ。ありがとうな」

 

バルカンに聞かれてクリスは言う。

 

バルカン「中々いい度胸だったぜ。だが、無茶は禁物だぞ」

 

クリス「分かってるよ、んなこと」

 

バルカン「そうか」

 

老婆「皆さん、ありがとうございます」

 

クリスとバルカンが話しているとさっきの老婆がお礼を言ってきた。

 

クリス「いいってことだよ」

 

バルカン「あぁ。さっきの野郎の方が悪かったからな」

 

老婆「今の日本にもあんたらみたいな勇敢な人がいてうれしいよ」

 

バルカン「任せておけ。この俺がいる限りはな」

 

クリス「なんだよ、それ」

 

バルカンの言葉にクリスがそう言う。

 

シャウ(他人のはずなのにあそこまで体を張るのか…ジーン。地球人は私たちが思っていたほど利己的な生物ではないかもしれない)

 

一連の騒動を見てシャウは正直にそう思った。

 

何も関係ないはずの老婆を助けるために周りが助けに入った。

 

これを見て今まで自分たちが思っていた"地球人は利己的な生物"という考えが違うのかもしれないと思ったからだ。

 

シャウ(ジーン、ここに貴方がいれば…私と同じことを思ったはず……)

 

この場にいないジーンに今の一連の騒動を見せられれば考えを改めてくれるかもしれないと思うシャウなのであった。

 

 

 

同刻・NASA宇宙開発局では緊急事態が発生していた。

 

オペレーター「Director is tough!」

 

訳:局長、大変です!

 

慌てた様子のオペレーターが局長室のドアを開けて入ってきた。

 

局長「What the noisy」

 

訳:なんだ、騒々しい

 

オペレーター「The result of the recalculation by the computer came out earlier! According to it, the date when the space monster Scorpius hits the earth hastened!!」

 

訳:先ほど、コンピューターによる再計算の結果が出ました!それによると宇宙怪獣 スコーピスが地球に襲来する日付が早まりました!!

 

局長「what!?」

 

訳:なんだと!?

 

オペレーターの報告に局長は驚いて声を上げた。

 

局長「How fast is it!?」

 

訳:どれぐらい早くなったんだ!?

 

オペレーター「That's... about two weeks from now!!!」

 

訳:それが…今から約2週間後です!!!

 

局長「!?」

 

この報告に局長は戦慄してしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スコーピス地球襲来まであと14日


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