戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第631話 暗闇の死闘 前編

弦十郎「中の様子はどうなっている!?」

 

サンドロスが黒い煙を噴出させて全員の姿が見えなくなったのを見て弦十郎は聞く。

 

藤尭「現在、サンドロスから放出されたと思われる黒煙によるドーム型の巨大アーチが出現!外部カメラによる内部の確認不能!!」

 

友里「センサー各種及びギア搭載のマイクからの音声と通信機能使用不能!!」

 

中の様子を探ろうとした藤尭と友里であったが黒い煙により形成されたドームにはカメラはもちろん、センサーやギア搭載のマイクですら機能していなかった。

 

緒川「これは、完全にこちらと分断されてしまっていますね」

 

内部のことが全く分からず、響たちと通信すらできなくなったことを聞いて緒川は言う。

 

弦十郎「あぁ。こうなれば信じるしかあるまい、彼女たちの力を」

 

完全に外と分断されてしまった響たちの力を信じるしかないと弦十郎はいうのだった。

 

 

 

TYPE_GODZILLA_MkⅡは周囲をキョロキョロと見渡していた。

 

ガウ「……」

 

周辺の様子をセンサーなどで探るのだがどういうわけか何も反応していなかった。

 

ガウ「………」

 

センサー類が使えないと分かるとガウはTYPE_GODZILLA_MkⅡの手を動かして"パーン"っと両手を叩いた。

 

音が周囲に響き渡る。

 

ガウは意識を集中させて周辺に反響した音を探る。

 

蝙蝠などが行うエコーロケーションと呼ばれるもので、音の反響でどこに何があるのかを探るためのもので、細かいところまでは分からないが大まかな位置などは把握できるのである。

 

ガウ「………!?」

 

周辺の状況を探っていた時、後ろから朧気な光を発しながら細く鋭利な何かがTYPE_GODZILLA_MkⅡに迫ってきているのに気づいて慌てて回避した。

 

TYPE_GODZILLA_MkⅡが回避し、少し遅れて地面が砕かれる音が聞こえた。

 

ガウ「がう~…」

 

訳:危なかったぁ~

 

なんとか回避が間に合ってガウは言う。

 

サンドロス『流石は初代怪獣王だ…この暗闇の中でも動けるとはな』

 

どこからかサンドロスの声が響くように聞こえてくる。

 

サンドロス『だが、他の奴らはどうかな?』

 

ガウ「!?」

 

サンドロスの言葉を聞いてガウは急いでTYPE_GODZILLA_MkⅡの手を鳴らしてエコーロケーションを起こして位置を探る。

 

すると反響した音でサンドロスが別の誰かを狙っていた。

 

ガウ「がう!!」

 

サンドロスが狙っている誰かを助けようとガウはTYPE_GODZILLA_MkⅡを操り急ぐのだった。

 

 

 

別の場所で暗闇の中、響は1人で彷徨っていた。

 

響「どうなってるの、これ…」

 

視界が完全に暗闇で閉ざされてしまい、他のメンバーとはぐれ、さらに外の本部と連絡を取ろうにも通信機の通信機能が働いていなかった。

 

さらにヘキサリヴォルバーを使用したためにギアのエネルギーが切れて暫くは纏えなくなってしまい、響は元のS.O.N.G.の制服姿になっており、平たく言えば丸腰の状態だった。

 

こんな状態でサンドロスに襲撃されてしまえばひとたまりもなかった。

 

響「ガウくーん、リルくーん!クリスちゃーん、翼さーん!切歌ちゃーん、調ちゃーん、マリアさーん!ジーンさーん、シャウさーん!」

 

暗闇の中で視力に頼れないので全員の名前を呼ぶが響の声が木霊すだけであった。

 

響(みんなどこに…とにかくここを出ないと)

 

暗闇から出ようと響が行動を起こしかけた時だった。

 

響「ん?」

 

ふと響の視界にチカチカ点滅している光があった。

 

響「なんだろう…。もしかしてガウくんが私たちを呼んでる!?」

 

光を出しているのがガウのTYPE_GODZILLA_MkⅡではないかと考えて向かい始めた。

 

暗闇で方向など分からなかったのでその光が頼りで、響は走った。

 

光を目指して走っていくと、近づくにつれてその光の位置が高くなっていき、最終的には見上げるほどまで高い位置に光はあった。

 

響「え…!?」

 

光を見て疑問を持った響は立ち止った瞬間、光は細く鋭利になって斬りかかってきた。

 

暗闇の空間に液体が宙を舞い、地面を濡らして汚したのだった。


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