だが、サンドロスは本気として黒煙を噴出して暗闇に響たちを閉じ込めて視界を奪ってしまう。
さらにサンドロスは暗闇で視界ゼロの中でまともに動けない響たちに奇襲攻撃を敢行、優位になる。
その凶刃は響に直接迫っていた。
細く鋭利な何かに襲われた響。
同時に液体が宙を舞い、地面に落ちて汚した。
響「?」
痛みが自身の体を襲ってこなかったことに首をかしげていると上の方から"バチバチ"という音と共に熱いのを感じて見上げると響の前に火花に照らされて2つの巨影があった。
1つは左腕が剣ー『ダークローベル』にしたサンドロス。
そしてもう1つは響を庇うように前に立ち、ダークローベルに胸部部分を貫かれたTYPE_GODZILLA_MkⅡの姿だった。
響「が、ガウくん!?」
胸部部分を貫かれてしまったTYPE_GODZILLA_MkⅡを目の当たりにして響は叫ぶ。
サンドロス「ククク、やはりこんな小さな者のために自らの命を失ってもいいというのだな」
響を庇って貫かれたTYPE_GODZILLA_MkⅡを見てサンドロスは嘲笑いながら言う。
響「そんな…ガウくん……」
自身を庇って貫かれたTYPE_GODZILLA_MkⅡを見てショックを受ける。
するとTYPE_GODZILLA_MkⅡがサンドロスのダークローベルを左手でガッシリと掴んだ。
サンドロス「!?」
自身の腕をガッシリと掴んで来たかTYPE_GODZILLA_MkⅡに驚く。
驚いているサンドロスにTYPE_GODZILLA_MkⅡは空いている右手でカイサツゴジラソードを構えると振り上げた。
サンドロス「させるか!!!!!」
TYPE_GODZILLA_MkⅡが何をしようとしているのか察したサンドロスは右腕もダークローベルにしてさらに胸部部分を突き刺した。
上半身と下半身が胸部部分で完全に分断されてしまい、下半身が力無く地面に横たわった。
サンドロス「ククク、これでおわ…!?」
上半身と下半身を分断されたTYPE_GODZILLA_MkⅡを見てサンドロスは勝利を確信したがTYPE_GODZILLA_MkⅡは動いて両手でカイサツゴジラソードを掴んでいた。
ガウ「グルルルルッ、ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
火花散るコックピット内にて頭から血を流して片目を瞑っているガウは叫びを上げる。
それを体現したかのようにTYPE_GODZILLA_MkⅡが残された力を振り絞り、カイサツゴジラソードをサンドロスの柱のような角を破壊して、角が生えていた体部分に突き刺した。
サンドロス「グギャアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
カイサツゴジラソードに角を破壊され、角が生えていた体部分に突き刺されてサンドロスは悲鳴を上げて暗闇に後退して紛れる。
サンドロスが後退したことでダークローベルに乗っていたTYPE_GODZILLA_MkⅡは地面に落下して叩きつけられてしまった。
響「ガウくん!!」
まだ中にいるだろうガウを助けようとTYPE_GODZILLA_MkⅡに近づいた瞬間だった。
TYPE_GODZILLA_MkⅡが突然動き出して響を掴むと横向きに手首を動かして投げた。
響「なんで……」
助けようと近づいた自分を投げたことに驚いているとTYPE_GODZILLA_MkⅡが爆発した。
響「うわっ!!」
爆発の閃光、衝撃、熱波に襲われて目をそらす響。
爆発はサンドロスが繰り出した黒煙を吹き飛ばす威力だったのか明るい太陽の光が中にいた者たちを照らした。
響「!?」
目を開けた響が見たのはバラバラになってしまったTYPE_GODZILLA_MkⅡの姿だった。
響「が、ガウくん!!」
急いでTYPE_GODZILLA_MkⅡに近づく響。
辺りは熱が籠って地面から空に向かっていくように下から上へ熱が上がってくるのを感じた。
それでも響はバラバラになってしまったTYPE_GODZILLA_MkⅡをキョロキョロする。
理由はさっきの爆発にガウが巻き込まれていないかという心配だった。
普通なら脱出すればいいのだがそれは通常の人での話である。
だがガウはシェム・ハとの戦いで両足の機能を失い、動かない状態である。
TYPE_GODZILLA_MkⅡはそんなガウの為に視線誘導システムを搭載され、Aiがガウの視線を関知して自動で機体を動いている。
さらに心配しているのはサンドロスの攻撃で脱出装置まで破壊されてしまったのではないかという心配だった。
自分を庇ってサンドロスのダークローベルに串刺しにされてしまい、上半身と下半身を両断されてしまったのだ。
その衝撃で脱出装置まで破壊か故障してしまったのではないかという心配があったのだ。
響「そんな…ガウくん…」
熱を気にしないで辺りを見回し、バラバラのパーツを退かして捜し回った響だったがガウの姿は見当たらなかった。
響「ガウくーん!!!!!!」
悲痛な叫びでガウの名を叫ぶ響だったが周辺に木霊しただけであった。