戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第633話 生きとし生ける者たち

藤尭「周辺の暗闇が晴れました!!」

 

友里「響ちゃんたちの生存を確認!!並びにリルくん、レイジャ、バトラの生存も確認しました!」

 

弦十郎「そうか…ん?ガウはどうした?」

 

響たちの生存は確認出来たと聞いて安心した弦十郎だったがすぐにガウの生存がまだ確認されていないことに気づいて聞いた。

 

友里「少し待ってくだ…!?」

 

弦十郎に聞かれて友里はガウのTYPE_GODZILLA_MkⅡのシグナルを確認していたが…。

 

弦十郎「どうした、あおい」

 

友里「それが…TYPE_GODZILLA_MkⅡのシグナルとガウくんの生命反応…どちらも検知出来ません……」

 

藤尭「なっ!?」

 

弦十郎「なんだと!?」

 

TYPE_GODZILLA_MkⅡのシグナルとガウの生命反応のどちらも検知出来ないと聞いて驚いて声を上げてしまう。

 

 

 

翼「暗闇が…!」

 

暗闇が晴れて視界が元に戻ったのを見て周囲を見渡す翼はクリスたちの無事を確認する。

 

その中で響が膝をついている姿が見えた。

 

翼「立花!!」

 

何かあったかと思い、翼は急いで響の元へ向かう。

 

他の面々も響の方へ走る。

 

翼「立花!何があ…ッ!?」

 

響のそばまで来ると翼は何があったのかと聞いた瞬間、その目にバラバラになってしまっているTYPE_GODZILLA_MkⅡの姿が映った。

 

後から来たクリスたちもその姿に言葉を失ってしまう。

 

翼「これは…」

 

クリス「お、おい、ガウの奴は!?」

 

バラバラになってしまっているTYPE_GODZILLA_MkⅡを見てクリスがガウの安否を聞くと響は首を横に振った。

 

マリア「嘘でしょ…」

 

首を横に振った響を見てガウの安否が不明であると察して言う。

 

響「私を庇って…それで……」

 

今にも泣きそうになる声で響はバラバラになったTYPE_GODZILLA_MkⅡの経緯を言う。

 

クリス「今はまだ泣くな!まだ、本命中の本命の奴が残ってるだろ!!」

 

泣きそうになる響にクリスの厳しい言葉が飛んできた。

 

柱のような角があった部分にカイサツゴジラソードが突き刺さって苦しんでいるサンドロスの姿があった。

 

響「クリスちゃん…うん…そうだよね……」

 

クリスに言われて響は出かけていた涙を拭い立ち上がる。

 

響「私はこの胸にある心を黒くしたりしない…大切な人を奪われて悲しくって、怒りたくても、私は恨まない!復讐なんて考えない!そう教えてくれた人のためにも!!!そうだよね、リルくん!!!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

恨んだり、復讐を考えたりしない、それを教えてくれた大切な人のためにもと響が言うとそれに答えるようにミレニアムゴジラは雄たけびを上げると放射火炎をサンドロスに向かって発射した。

 

発射された放射火炎にサンドロスが気付いた時には回避不可能な距離まで迫っていて直撃を喰らい大きく後退する。

 

サンドロス「グオガッ!おのれ、貴様らぁ!!!!!!」

 

大きく後退しながらも体勢を崩さずにサンドロスはカイサツゴジラソードを引き抜くことを止めて叫ぶ。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

叫ぶサンドロスにミレニアムゴジラは雄たけびを上げて受けて立つ構えを取る。

 

サンドロス(くっ、この我がここまで追い込まれるだと!?奴に大見得切ったのだぞ、ここで撤退などしてはなんと言われるか…いや、その前に命がないではないか!)

 

地球へ来る前に通信した者へ大見得切って地球を陥落してみせると言ったためにサンドロスに撤退の2文字は存在しないに等しかった。

 

サンドロス「こんな辺境の星などに我が…我が負けるなどありえぬ!!!!!!!!」

 

自らの安寧を手にするには戦えぬ響たちシンフォギアを差し引いてもミレニアムゴジラ、バトラ、レイジャたちを倒して地球を制圧するしか残されていないと悟り、サンドロスは口からギガレントラッシュを連射するように発射した。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

 

レイジャJ「ゴジラに続けぇ!!キリシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

 

レイジャS・レイジャM「『キリシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!』」

 

連射されたギガレントラッシュを放射火炎で対抗、続くようにレイジャJ、レイジャS、レイジャMたちがオーシャンライザーを発射して放射火炎が撃ち漏らしたギガレントラッシュを撃ち落とした。

 

バトラ「ギャウオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!」

 

ミレニアムゴジラとレイジャたちがギガレントラッシュを撃ち落としてすぐにバトラがプリズム光線を発射する。

 

サンドロス「グオロロロロオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

 

プリズム光線をサンドロスはハードキネシスを発射して対抗・相殺した。

 

サンドロスの視界を爆煙が包み、奪い取る。

 

サンドロス「くそっ、どこに…!?」

 

視界を爆煙で奪われてミレニアムゴジラたちを捜して首を左右に動かしていると頭上に痛みと重さを感じた。

 

視線を右に移すとミレニアムゴジラがサンドロスに刺さっているカイサツゴジラソードの柄を握り、さらに深々と刺し込んでいた。

 

サンドロス「き、貴様ぁ!!!!!!!」

 

深々と刺し込んでいるミレニアムゴジラを見てサンドロスは右腕をダークローベルに変えて刺そうとする。

 

しかしダークローベルはミレニアムゴジラに刺さる直前に光線が命中して爆散した。

 

サンドロス「ぐおぉぉぉぉぉぉっ!?!?!?!?!?」

 

腕であるダークローベルを破壊されて怯むサンドロス。

 

バトラ「今だ、奴にありったけの攻撃を叩き込め!!!!!!」

 

ダークロウを破壊した光線を放った主であるバトラが怯んだサンドロスを見て叫ぶ。

 

それを聞き、レイジャJ・S・Mたちが一斉にオーシャンライザーを発射する。

 

サンドロス「ぐあああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあああぁぁっ!!!!!!!!!」

 

ジャJ・S・Mたちのオーシャンライザーを受けてサンドロスは悲鳴のような声を上げて大きく後退し、その拍子にカイサツゴジラソードをミレニアムゴジラは引き抜いた。

 

サンドロス「ぐっ、ば、バカな…この我が押されているだと!?こんな弱い奴らに!?何故だ!!!!!」

 

ボロボロにされてしまった自身の体を見てサンドロスは言う。

 

ミレニアムゴジラ「サンドロス!これがお前が言っていた弱き者たちの力だ!例え一人一人の力は弱くてもそれが集まれば、大きな力にだって勝てるんだ!」

 

理解できないでいるサンドロスにミレニアムゴジラはカイサツゴジラソードにエネルギーを集中させながら言う。

 

ミレニアムゴジラ「それがこの世界にあるべき力、絆だぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

ミレニアムゴジラのエネルギーがカイサツゴジラソードの刃を一気に伸ばして天を衝かんばかりの巨大で青白い刃となった。

 

ミレニアムゴジラ「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」

 

気合の声とともにカイサツゴジラソードを振り、サンドロスめがけて降ろした。

 

何とか避けようとするサンドロスだったがレイジャたちの攻撃で体がまともに動かず、頭から一刀両断された。

 

サンドロス「ぎあぁぁぁあぁあああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁッ!!!!!!!!!!」

 

一刀両断されてサンドロスの悲鳴が響き渡る。

 

サンドロス「ぎぐあ…こ、これで勝ったと…思うな…我を倒したことで…貴様らは火中の栗を拾うことになるのだから!!」

 

両断されていながらもサンドロスは言う。

 

ミレニアムゴジラ「!!」

 

他の者たちは聞こえていないのかミレニアムゴジラだけに聞こえているのかは定かではないがサンドロスの声に反応した。

 

サンドロス「精々、奴が来るまで…この平和を…勝利の余韻を…楽しむがいい!!!そして奴が来た時、貴様ら地球人も、不完全な地球怪獣どもも、皆地獄を見ることになるだろう!!!!!!」

 

ミレニアムゴジラ「どういう意味だ!?」

 

サンドロスに言葉の意味を問う。

 

サンドロス「クククク…それは…奴が来た時の…お楽しみだ…先に…地獄で…待っているぞ…………」

 

そう言い残した瞬間、サンドロスは左右にその身が分かれて地面に倒れた瞬間に爆散した。

 

レイジャJ「やった…俺たちの勝ちだぁ!!!!!」

 

爆散したサンドロスを見てレイジャJが言うと他のレイジャたちは歓喜の声を上げ、響たちも歓喜の声を上げた。

 

ミレニアムゴジラ「…………」

 

しかしサンドロスの最期に言い残した言葉が引っ掛かり、ミレニアムゴジラは正直に喜べなかった。




サンドロスが倒された時、避難所では…。

エルザ「あぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」

周囲をロープが張られ、ビニールシートが壁となって個室化し、旧式のストーブの上に常時水蒸気を発しているヤカンがある場所に下半身を毛布で隠し、股を開いているエルザの苦痛な声が響き渡っていた。

赤子「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」

エルザの悲鳴がした後に元気な赤子の声が聞こえてきた。

ふらわーのおばちゃん「エルザちゃん、産まれたよ!元気な女の子だよ!!」

子を取り上げたおばちゃんはすぐにお湯で赤子の体を洗って綺麗なタオルでくるんだ。

エルザ「顔を…顔を見せてほしいであります……」

出産で相当体力を失ったのかきつそうな顔をしながらエルザは言う。

ふらわーのおばちゃん「はいよ」

エルザの願いにおばちゃんは言うとエルザの横に赤子を置いた。

置かれた我が子を見るエルザ。

さっきまで泣いていたのにもう落ち着いたのかスヤスヤと眠っていた。

エルザ「あぁ…私の…私たちの…子供……」

スヤスヤと眠っている我が子を見てエルザは涙を流した。

ふらわーのおばちゃん「エルザちゃん、後少し頑張れる?」

エルザ「はい…」

ふらわーのおばちゃんに聞かれてエルザは頷いたのだった。

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