その日、警視庁前では多くの報道陣が詰めかけていた。
理由は海水浴場に出現したミレニアムゴジラについてだ。
昨日の事件の一部始終を動画に取っていた客がおり、そこにはデルラゴに襲われる親子を助け、デルラゴを見事に撃破したミレニアムゴジラの雄姿とデッカードたちと親しげにしている様子が撮られていた。
このことで警視庁は記者会見を開くことになり、その会場である警視庁に報道陣が集まっていたのだ。
東「それでは警視総監の記者会見を始めます。まず、質問のある方は挙手をお願いします」
進行役の東が集まった記者たちに言うと何人かの記者がてを上げた。
冴島「では、そこの貴方」
記者A「昨日出現した巨大生物について何か一言!」
冴島「まず、先に言っておきます。昨日現れたバイオ生物を撃破した巨大生物でるが、彼の名はミレニアムゴジラ。我々のいる世界とは別世界に存在する生命体、怪獣の王です」
冴島の言葉に会場はざわついた。
記者B「別世界と言いますと異世界ということでしょうか?」
冴島「そうです。彼らの元居た世界では我々が空想の産物と思っている錬金術、バイオ生物を超える体格を有する生物である怪獣、また映画やアニメでしか見たことが無い空中戦艦などの超兵器が存在する世界と言われています」
さらに冴島の言葉に会場はざわついた。
フィクションの世界でしかその存在を知ることができなかったことが現実に現れているから仕方なかった。
記者C「それは誰からの情報でしょうか?」
冴島「もちろん、ミレニアムゴジラからです」
記者D「怪獣が人間の言葉を喋るんですか?」
冴島「喋れません。ですが、人間と同じように言葉を紙に書くことでコミュニケーションをとっています」
記者E「そのミレニアムゴジラが私たち人類に害ある存在という意見もありますが」
最大の懸念を冴島にぶつけてきた。
異世界(元の世界)ではどのような存在だったか知らないから仕方なかった。
冴島「皆さんのご心配は理解できます。ですが、彼はブレイブポリスを超える力を持っていながら、それを人を助けるために使ってくれた。これが何を意味するか分かるハズです」
デルラゴの1件でブレイブポリス以上の力を有するのに侵略には使わず、デルラゴを倒し、親子を助けるのに使ったと話すと記者たちは黙った。
マリア「すっかり有名人ね、リル」
リル「かう~♪」
冴島に宛がわれたマンションの一室でマリアとリルは朝ごはんを食べながら冴島の記者会見を見ていた。
マリア「今日は一日休みだから、町を散策しましょうか。まだ見つかってない切歌と調のことも気になるし」
リル「かう」
今日は記者会見のために冴島から直々に2人は休みを貰っており、いまだに連絡や手掛かりすら見つからない切歌と調の2人を捜すために町へ繰り出すことにしていた。
食事を済ませて準備を終えた2人は町に繰り出していた。
マリアたちがいるのは『七曲市』という町で、デッカードと勇太も暮らしている。
マリア「町の見た目は私たちの世界とは余り変わらないわね。ちょっと古い気もするけど」
リル「かう」
歩きながら町の様子を観察して言う。
明るく、笑顔が沢山あり、平穏で、戦いで磨り減らした心が癒されるようなのを2人は感じ取っていた。
おばちゃん「ちょっと、ちょっと、そこの若いお母さん」
歩いているとマリアは1人のおばちゃんに声をかけられた。
マリア「え?」
おばちゃんのあるワードに反応してしまうマリア。
おばちゃん「こんにまだ若いのに、小さい子供がいて大変だろうに。よかったらウチの野菜見ていきなさいな、まけてあげるよ。新鮮なのが揃ってるしね」
どうやらマリアとリルを親子と勘違いしたらしく、売りに来ていた。
マリア「え、あ、こ、この子と私は別に…いえ、そうなんですよ」
言い訳を考えるマリアだが、下手に言い訳をして良からぬ噂が立つのだけは避けたいと思って、言い訳を止めた。
色々と自身の心が傷つきながら。
その後、おばちゃんの町仲間のお店(精肉店、洋服、靴、蕎麦屋、ラーメン屋など)の従業員たちに呼び止められ続けて沢山買い物をしてしまった。
その日の夜は鍋にしたのだった。
因みに切歌と調の情報は全く集まらなかったのは別の話である。
その頃、ジェインが潜伏する孤島では…。
ジェイン「ふははははは!遂に、遂に完成した!!」
ドッグのような場所でジェインは興奮していた。
ジェイン「錬金術と科学が併さった最高傑作!さあ、ブレイブポリス、シンフォギア、ゴジラ!恐れおののくがいい!ふははははは!!!!!」
とあるロボットの前でジェインはそう言って笑うのだった。