戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

847 / 1283
海水浴場で人々を襲う、オオサンショウウオ型の怪物、デルラゴ。

デルラゴにより人々は食い殺されていき、海水浴場は地獄と化す。

だが、そこへデッカードたちブレイブポリスとリル、マリアが到着。

デルラゴの近くに逃げ遅れた親子がいて攻撃できないブレイブポリスに代わってリルことミレニアムゴジラが満を持して戦いに出る。

圧倒的な力でデルラゴに完全勝利したミレニアムゴジラ。

怪獣王の実力を目の当たりにして唖然とするデッカードたち。

しかし、黒幕・ジェインはすでに次の動きを開始しようとしていた。


第645話 黒いロボット

警視庁にあるデッカールームの一室にて銃声が響き渡る。

 

銃口から放たれる弾丸が目標の中心部に向かっていき、貫いた。

 

1発だけでなく、2発3発と連続で発射されていく。

 

放たれた弾丸は次々に目標に向かって着弾、穴を開けていく。

 

銃声が止むと屋根から吊り下げられている画面に【98.91】という数字が表示されていた。

 

デッカード「………」

 

射撃を終えてデッカードは制式拳銃から空になった薬莢(やっきょう)を落とす。

 

マリア「凄いわ。ほぼ100%じゃない」

 

拍手をしながらマリアは言う。

 

ここはデッカードたちが射撃訓練を行う射撃場で、さっきのはデッカードが発射したものである。

 

デッカード「そう言ってもらえると嬉しいな。これでも、自力でここまで上げてきたんだ」

 

リル「かうかう?」

 

訳&メモ:どういうこと?

 

デッカードの言葉に首を傾げて聞いた。

 

デッカード「前に一度だけ100%の命中率を得られる話があった。だが、私たちは断った」

 

マリア「どうして?」

 

デッカード「私たちは機械だ。しかし超AIによって心を持ってしまった。心を持ってしまった故に、道具のように扱われるような話に嫌な気持ちになったんだ。だから私たちはそのことを勇太に話した。勇太は理解して、総監にその話を断るように進言してくれたんだ」

 

かつてブレイブポリスに導入が検討された『シリコンハウエル社』から提案された新型射撃管制システム―『ガンピュレーターシステム』のことを思い出しながらデッカードは話す。

 

ガンピュレーターシステムは確かに100%の命中率を誇り、これをブレイブポリスで使用すれば速やかに犯人を確保・撃破を可能にする素晴らしいものであった。

 

だが、それはボディを必要以上に改造しなくてならない品物で、それをしてしまえば自分たちはただの機械や道具と変わらないのではないかという懸念があった。

 

超AIにより人間と同じ心を持ってしまったデッカードたちにとってこのガンピュレーターシステム導入は、機械であるのと同時に人間と同じ心を持ったことで人間でありたい、自分たちの実力で向上させたいという気持ちに反比例する嫌なものでしかなかったのだ。

 

リル「かうかう…かうかうかう」

 

訳&メモ:そうなんだ…でも良いと思うよ

 

デッカード「え?」

 

マリア「そうね。私も同意見だわ。例え100%の命中率を得たとしても、道具として扱われることなんて誰だって嫌だわ。私が貴方でも同じことを言ったと思うわ」

 

デッカード「そうか」

 

マリアとリルの言葉を聞いて

 

アナウンス『七曲小学校にアルカ・ノイズ出現!繰り返す!七曲小学校にアルカ・ノイズ出現!』

 

マリア「アルカ・ノイズ!?」

 

デッカード「七曲小学校だと!?勇太が危ない!!」

 

アナウンスを聞いてマリアとデッカードはそれぞれ驚いていた。

 

 

 

七曲小学校では人型とフライング型のアルカ・ノイズが小学校校舎全体を取り囲んでいた。

 

さらに小学校周辺にはバルタン星人似の巨大アルカ・ノイズが4体おり、周辺を見張るようにしていた。

 

勝気「な、何なんだよ、アイツら…」

 

菊麿「もしかして、最近出てきているアルカ・ノイズって奴じゃ…」

 

絵美里「外に出た教員の人たちが赤い色の粉になっちゃったけど…もしかして私たちも…」

 

外を取り囲むアルカ・ノイズを見て勇太のクラスメイトで、パワージョーを慕う3人『喜多川 勝気』、『鷹野 菊麿』、『愛原 絵美里』は言う。

 

他の生徒たちも様子を見に行った教員たち数名がアルカ・ノイズの攻撃で赤い粒子に変えられてしまったのを目の当たりにして怖がっていた。

 

勇太「大丈夫だよ!デッカードたちが来てくれるから!みんな諦めないで!!」

 

怖がる生徒たちに勇太は言う。

 

勝気「勇太…そうだよな。俺達にはブレイブポリスが付いてるんだ!」

 

みんな勇太がブレイブポリスのボスであることを知っているから、その言葉を信じて希望を持った。

 

その時だ。

 

?「……」

 

空から歌が聞こえてきた。

 

絵美里「歌?」

 

勇太「この歌は!」

 

歌に首を傾げている生徒たちとは正反対に勇太は聞いたことがあり叫んだ。

 

同時に光の一つの閃光が降り注がれて上空と地上にいたアルカ・ノイズたちを呑み込んで消滅させた。

 

マリア「誰に呼び出されたか知らないけど、子供達には手を出させないわよ!!」

 

地上に着地してアガートラームを纏ったマリアが残ったアルカ・ノイズたちに言う。

 

マリアの登場に巨大アルカ・ノイズが動くと後ろから赤い火炎がその体を貫いて消滅させた。

 

ミレニアムゴジラ「!!!!!!!!」

 

巨大アルカ・ノイズを貫いた火炎を放った張本人―ミレニアムゴジラが雄たけびを上げて威嚇する。

 

勇太「マリアさん、リルくん!!あ!!」

 

駆け付けたマリアとミレニアムゴジラを見て喜ぶ勇太はさらにサイレンの音を聞いてその方を見た。

 

デッカード「チェーンジ!!」

 

サイレンを鳴らしていた正体―デッカードたちブレイブポリスが到着してそれぞれのビークルモードから人型へ変形した。

 

勇太「デッカード!みんな!!」

 

デッカードたちが来てくれたのを見て叫ぶ勇太。

 

デッカード「勇太、無事か!?」

 

窓から見えた勇太を見てデッカードは真っ先に安否を確認する。

 

勇太「うん、クラスのみんなも無事だよ!」

 

デッカード「そうか。すぐに助け出すから待っていろ!」

 

無事なことを聞いてデッカードたちは銃を取り出して臨戦する。

 

しかし、校舎の屋上にジェインの姿があった。

 

ジェイン「来たかブレイブポリス共。今日が貴様らの命日となるのだ!!」

 

現れたブレイブポリスとマリア、ミレニアムゴジラを見て何やら自信満々な様子のジェイン。

 

ジェイン「出でよ、エルヒガンテ!!!」

 

魔法陣を展開するとブレイブポリスの真上にさらに大きな魔法陣が現れる。

 

エルヒガンテ「ウガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

現れた魔法陣から巨大な塊が降ってきたかと思いきや立ち上がって雄たけびを上げる15Mはあろう巨人、『エルヒガンテ』。

 

デッカード「な、なんだコイツは!?」

 

ドリルボーイ「巨人!?」

 

現れたエルヒガンテに驚く。

 

エルヒガンテ「ウガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

デッカードたちに気付いたエルヒガンテは殴り掛かるとデッカードたちは後ろへ跳ぶ。

 

パワージョー「図体がデカいだけの奴に負けてたまるかよ!!!!」

 

そう言ってパワージョーは制式拳銃をしまい、代わりにヌンチャクを出した。

 

パワージョー「アタァァァーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

 

ヌンチャクを振るい、エルヒガンテの足を攻撃する。

 

エルヒガンテ「ウガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

しかし、エルヒガンテは効いていないのか裏拳でパワージョーを殴り飛ばした。

 

パワージョー「うおあっ!!!!!」

 

殴られたパワージョーは背中から地面に叩きつけられる。

 

ダンプソン「パワージョー!?」

 

デッカード「一斉射撃だ!!!」

 

残されたメンバーが一斉にエルヒガンテに攻撃するが全く効いていないのか徐々に間合いを積めてくる。

 

マクレーン「馬鹿な、命中しているハズなのに!?」

 

シャドウ丸「怯みもしないのか!?」

 

ガンマックス「痛みを感じてねぇのか!?」

 

デューク「それでもダメージは通っているハズだ!撃ち続けるんだ!!」

 

徐々に間合いを積めるエルヒガンテに驚きながらも撃ち込むが、遂にエルヒガンテが1番近くにいたドリルボーイを殴り飛ばした。

 

ドリルボーイ「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

 

殴り飛ばされて地面に叩きつけられるドリルボーイ。

 

マクレーン「ドリルボーイ…うわあっ!!!」

 

ドリルボーイを心配したマクレーンをアッパーののように下から上へ殴り飛ばした。

 

エルヒガンテ「ウガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

ダンプソン「ごはっ!!!!」

 

デューク「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!」

 

さらに続けてダンプソンとデュークを纏めて裏拳で殴り飛ばした。

 

ガンマックス「こいつ!これならどうだ!!」

 

次々にやられる仲間たちを目の当たりにしてガンマックスが言うと愛用のバイクであるガンバイクが来た。

 

ガンマックスアーマー「チェーンジッ!ガンマックスアーマー!!」

 

ガンバイクが変形し、ガンマックスが纏うように合体する。

 

ガンマックスがガンバイクを鎧として纏うように合体することで誕生する『ガンマックスアーマー』である。

 

ガンマックスアーマーは合体が完了すると背中の双発ローターにより空中へ上がる。

 

シャドウ丸「変化ッ!!」

 

ガンマックスが合体するとシャドウ丸はシャドウ丸タンクへ変形する。

 

ガンマックス・シャドウ丸「「喰らえ!!」」

 

地上のシャドウ丸タンクの砲撃、空中のガンマックスアーマーのショットガンによる射撃がエルヒガンテに同時命中。

 

周囲を爆煙が包み込んだ。

 

デッカード「やったか!?」

 

爆煙を見てデッカードが言うと爆煙が晴れていき、そこにいたのは…。

 

エルヒガンテ「ウガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

無傷で雄叫びを上げるエルヒガンテの姿があった。

 

ガンマックス「なに!?」

 

シャドウ丸「無傷だと!?」

 

無傷のエルヒガンテに驚く。

 

エルヒガンテ「ウガアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

驚いているとエルヒガンテはガンマックスアーマーの足を掴むとシャドウ丸タンクに向かって叩きつけた。

 

ガンマックス「くっ!?うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」

 

シャドウ丸「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

互いに叩きつけられて跳ね返り、地面に叩きつけられた。

 

デッカード「みんな…はっ!?」

 

全員が倒されて心配していたデッカードだったが目の前にエルヒガンテがおり、両手でがっしりと掴まれてしまう。

 

デッカード「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!」

 

掴んでいるエルヒガンテの力がかなりあるのか悲鳴を上げるデッカード。

 

マリア「デッカード!!」

 

デッカードの危機にマリアは最後のアルカ・ノイズを倒して向かおうとした時だ。

 

ジェイン「ふはははは!ブレイブポリスも大したことないな」

 

大声を上げてジェインが姿を現した。

 

マリア「お前は!」

 

姿を現したジェインを見てマリアは警戒する。

 

シャドウ丸「だ、誰だ、貴様?」

 

ガンマックス「彼女たちと知り合いか?」

 

マリアの反応を見てシャドウ丸とガンマックスは問う。

 

ジェイン「ブレイブポリスは初めましてだったな。私はパヴァリア光明結社最高幹部キム・ジェイン」

 

マクレーン「彼女たちと同じ世界の犯罪シンジケートか…!」

 

パワージョー「最高幹部ってことは本腰入れてきたってわけか…!」

 

名乗ったジェインの言葉を真に受けてマクレーンとパワージョーは焦りを見せる。

 

マリア「いえ、最高幹部は自称よ。ただの腰巾着よ、しかも万年準幹部止まりの」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル」

 

焦りを見せるブレイブポリスにジェインの名乗りは自称最高幹部であるとバラすマリアとミレニアムゴジラ。

 

ジェイン「う、うるさい!これから最高幹部になるのだ!!私の最高傑作によってな!!!」

 

ジェインはそう言うと新たな魔方陣を展開した。

 

展開された魔法陣の中からデッカードと瓜二つの姿をした黒いロボットが現れた。

 

マリア「あれは!?」

 

勇太「く、黒い…デッカード…!?」

 

現れた黒いデッカードに驚く。

 

ジェイン「ふははははははっ!驚いたか!これこそ、私が錬金術と科学を併せて生み出した、最強無敵国士無双を誇る邪悪なロボット!ダークデッカードだ!!」

 

ダークデッカード「来臨…ダークデッカード!」

 

黒いデッカードこと『ダークデッカード』は名乗りを上げる。

 

ジェイン「さあ、ダークよ!エルヒガンテが押さえ込んでいるデッカードに止めを刺せ!!」

 

ダークデッカード「ダークバスター!!!」

 

ジェインの指示をダークデッカードはライフル型の黒光りする武器を出すとエルヒガンテに締め上げられるデッカードにその銃口を向ける。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

デッカードの危機に最後の巨大アルカ・ノイズを倒したミレニアムゴジラが向かおうとする。

 

ジェイン「おっと、貴様の相手はコイツだ!!」

 

向かってくるミレニアムゴジラにジェインはジェムを出すと叩き割る。

 

叩き割ったジェムからノイズΣズイグルが姿を現した。

 

マリア「やっぱりそのノイズ怪獣は貴方のだったのでね!!」

 

ジェイン「その通りだ。だがソイツを貴様らは攻撃できん」

 

マリア「なんで…!?」

 

ジェインの言葉を聞きながらノイズΣズイグルをよく見ると見たことのある2人の少女が胸部にある十字のケースに磔にされていた。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!?」

 

訳:あれは!?

 

マリア「まさか、切歌!?調!?」

 

ケースに磔にされている少女が切歌と調であることに驚く。

 

ジェイン「殺れ、ノイズΣズイグル!!!」

 

切歌と調を人質に取るジェインが指示を出すとノイズΣズイグルは両手からミサイルを発射する。

 

ミレニアムゴジラ「ゴギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

マリア「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

人質を取られて戦えなくなったマリアとミレニアムゴジラはミサイルを喰らって吹き飛ばされる。

 

デッカード「2人とも!!この、離せ!!」

 

2人を助けるために何とか脱出しようとするデッカードだったがエルヒガンテのパワーからはなかなか抜け出せなかった。

 

ジェイン「次はお前だ!死ね、デッカード!!!!」

 

ジェインの言葉と同時にダークデッカードは引き金を引く。

 

勇太「デッカードォ!!!!!」

 

勇太の悲痛な叫びと共にビームが発射音と共に放たれたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。