戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第646.5 事情説明

キム・ジェインに七曲小学校襲撃事件から一夜明けて翌日、デッカードたちブレイブポリスはデッカールームではマリアとリル以外の面々が集まっていた。

 

藤堂「まず結果から言って、ダークの超AIはデッカードの超AIとほとんど同じであることが分かった」

 

藤堂がダークデッカードに搭載されている超AIがデッカードと一緒であるという。

 

デッカード「それはつまり、私とダークは兄弟っと言うことですか?」

 

藤堂「あぁ。その通りだ。恐らくどこかでお前さんの超AIのデータを盗んで改良も何もせずにそのままコピーしたんだろうな」

 

デッカードの質問に藤堂は頷きながら答え、原因を予測して言う。

 

勇太「うわぁ…ものすっごく間抜けだ…」

 

ジェインが物凄い間抜けなことをしたと聞いて勇太は言う。

 

東「総監。あのダークデッカードをどうするおつもりで?」

 

東は冴島にダークデッカードをどうするかと聞く。

 

この世界では超AIを許可なく作ることは犯罪で、かつてチーフテンの超AIを開発した『ビクティム・オーランド』を超AI違法製造の容疑で逮捕した記録がある。

 

冴島「超AIの違法製造は重罪だ。しかし、デッカードと同じ超AIを搭載しているのならばそれは我々警察の仲間である。どのような経緯で製造されたにしろ、心に悪が無いのなら彼をブレイブポリスの一員として迎え入れようと思うが、みんなはどうだ?」

 

どのような経緯で製造されたにせよ、デッカードや他のブレイブポリスのように正義の心を持ったダークデッカードを破壊したりせずに迎え入れようと提案する。

 

デューク「問題ありません」

 

ガンマックス「むしろ大歓迎だぜ」

 

マクレーン「えぇ」

 

パワージョー「アイツがいなかったら俺たちやボスも危なかったもんな」

 

ダンプソン「そうであります!」

 

ドリルボーイ「うん!僕も大賛成!」

 

シャドウ丸「あぁ、文句はありやせんぜ」

 

冴島の考えに賛同してデュークたちはそれぞれ言い、デッカードと勇太は元からそのつもりだったのか頷いて賛同する。

 

冴島「うむ。では、入ってきたまえ」

 

勇太たちの賛同を得た冴島が言うと、デッカードたちが出入りする入り口からダークデッカードが入ってきた。

 

ダークデッカード「BP100EX、ダークデッカードだ。これからよろしく頼む」

 

面々に敬礼して自己紹介をするダークデッカード。

 

デッカ―ド「こちらこそ、よろしく頼む」

 

弟にデッカードは右手を差し出して握手を求める。

 

ダークデッカード「あぁ」

 

差し出されたデッカードの右手を見てダークデッカードは左手を出して握手に答える。

 

勇太「2人とも、本当の兄弟みたいだね」

 

製造経緯は違うが全く同じ姿をしたデッカードとダークデッカードを見て勇太は言うのだった。

 

 

 

その頃、マリアとリルは警察病院で切歌と調のお見舞いと情報交換に来ていた。

 

ダークデッカードに救出された後、2人はすぐに病院へ運ばれたがこの世界の住人ではない2人を普通の病院では収容できるはずもなく、冴島の計らいで警察病院へ搬送されたのだ。

 

マリア「2人とも、大丈夫?」

 

リル「かうかう」

 

個室に用意された2つのベッドにそれぞれ寝ている切歌と調にマリアとリルは聞く。

 

切歌「まだ頭がズキズキするデス…」

 

入院服で、頭に包帯を巻いている切歌が言う。

 

調「マリア、ここはどこなの?」

 

同じく入院服を着ている調がマリアにここはどこかと聞く。

 

目を覚ました時にはすでに寝かされていたのだから聞きたくて仕方なかった。

 

マリア「ここは病院よ。ただ私たちのいた世界とは別の」

 

調に聞かれてマリアは言う。

 

切歌「そういう事デスか?」

 

マリア「それは…」

 

マリアの言葉に首を傾げるとマリアはここがどんな世界かを話した。

 

デッカードたちブレイブポリスがいて、ブレイブポリスのロボットたちは人間の様に心を持っていることを。

 

調「心を持ったロボットがいる世界…」

 

切歌「なんだかすごい世界デスね…」

 

自分たちの知るロボットとは一線を画す話に2人は少し戸惑っていた。

 

マリア「元の世界も似たような物よ。それで、2人はどうしてノイズ怪獣に捕まっていたの?」

 

とんでもないものといえば自分たちのいた世界もそうと言いつつ、マリアはノイズΣズイグルに捕まっていた理由を聞いた。

 

調「それは…」

 

理由を聞かれて調が話し始めた。

 

調の話によると2人はどこかの研究施設のような場所で目を覚まして、マリアとリルを探すために探索を開始していると人間の様な見た目をしているが人間とは思えない力を持った人間たちに襲われてしまい、止む無くギアを纏い交戦。

 

しかし、人間たちは明らかに即死であろう攻撃をを受けても怯まずに襲ってきたという。

 

何とか逃げ出してとある部屋に逃げ込んだ時に、突如として槍を持った全身をフード付きのローブで隠した子供に不意打ちを受けてしまい、気絶させられてしまったという。

 

マリア「そう…それでノイズ怪獣に捕まっていたのね。それじゃあ、今日は休んでなさい。またお見舞いに来るから」

 

リル「かうかうかう~」

 

訳:お大事にね~

 

事情を聞いてマリアはそう言うとリルと共に席を立って帰り始めた。

 

調「うん」

 

切歌「ありがとうデース…」

 

2人を見送りながら切歌と調は言うのだった。

 

しかし、2人の体には既にあるものが植え付けられてしまっている事に誰も気付いてはいなかった。

 

 

 

その頃、ジェインはアジトへ帰還していた。

 

ジェイン「くそっ!!ダークめ、裏切りおって!なぜだ、確かに超AIは改造して搭載したはずだぞ!なぜだ!!」

 

?「随分と荒れているな、ジェイン」

 

荒れているジェインの後ろからあの子供が姿を現して言う。

 

ジェイン「お、お前!?」

 

現れた子供を見てジェインは驚いていた。

 

?「折角完成して、くれてやったデルラゴやエルヒガンテを無駄にしてくれたな。量産はできるが制御が難しい代物だと知っているだろう?」

 

倒されてしまったデルラゴとエルヒガンテの詳しいことを知っているのか少し呆れながら子供はジェインに言う。

 

ジェイン「わ、分かっている…まだ私には策がある!」

 

?「策だと?この期に及んでまだあのオモチャ(ダークデッカード)に執着するか…貴様を素材にした方がよっぽど役立ちそうだな」

 

ジェインの言葉を聞いて呆れから苛立ちに変わった子供はフードの奥からでも分かるように睨みつける。

 

ジェイン「ま、待ってくれ!お願いだ!チャンスを、私に挽回するチャンスをくれ!!」

 

チャンスをくれるように子供に懇願するジェイン。

 

?「…ふん、まあ良いだろう。ただし、次は無い。失敗したときは…」

 

ジェインの話を聞いて子供は槍を持っている手とは逆の手からあるカプセルを取り出した。

 

?「自らの命で償え」

 

脅しを掛けるようにジェインの耳元でそう言いながらカプセルを手渡す。

 

ジェイン「ッ!!!!!!!」

 

カプセルを見てジェインは恐怖が顔に滲み出ていた。

 

?(ま、あの2人に植え付けた卵さえ孵れば貴様は用済みだ。精々いい実験データにはなってくれよ)

 

?「しっかりな」

 

ジェインの顔を見て本心を隠しながらそう言うと子供は踵を返してどこかへ行ってしまったのだった。


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