戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第648話 再生者(リヘナラドール)討伐作戦(奇襲)

切歌「ぜえ…ぜえ…」

 

息を荒らしながら一歩一歩山道を登る切歌。

 

切歌「ちょ、ちょっと待ってデ~ス…」

 

少し先へ行っているマリアたちに切歌は言う。

 

調「大丈夫、切ちゃん」

 

切歌「だ、大丈夫デスけど…山道が険しすぎるデ~ス……」

 

シンフォギアを纏って様々な激戦や戦地で戦っているとは言え、中身はごく普通(お墓参りに醤油をお供えしたとか、謎のクレープ食べての願掛けとか除いて)の女の子である。

 

ほとんど人の手が行き届いていない山林の山道は険しく、すぐにバテてしまっていた。

 

現在、マリアたち4人は数人の防衛軍の隊員と共にブレイブポリスの代表として行動している。

 

マリアたちの他にもいくつかの部隊が山林に潜んでいるであろう正体不明の未確認生物『リヘナラドール』討伐のために進軍しており、マリアたちはその東側を探索していた。

 

ただし、デッカードたちブレイブポリス本隊は何かあり次第、すぐに動けるように入り口付近で待機している。

 

隊員A「どうしますか?我々は先に行きますが…」

 

リーダー各の防衛軍隊員がマリアに聞く。

 

マリア「そうしていただけると助かります」

 

隊員A「では、1人連絡要員で置いときますので休んでから合流をお願いします」

 

マリア「でしたらこちらも1人、連れて行ってください」

 

隊員A「分かりました。おい、真琴!通信要員で、ここに残れ!」

 

真琴「分かりました!」

 

マリアと話し合って真琴と呼ばれる隊員を呼んで指示を出す。

 

マリア「リル、貴方が一緒に行ってあげて」

 

リル「かう!」

 

マリアもリルに先行する部隊と共に行くように言うとリルは頷いて了承した。

 

マリアたちと真琴を置いて、リルは先行する部隊と共に先に山林の奥へ向かっていく。

 

切歌「うぅ、面目ないデス…」

 

ちょうどいい感じの岩に座って切歌は言う。

 

マリア「大丈夫よ、切歌。気にしないで」

 

落ち込んでいる切歌にマリアは言う。

 

真琴「それにしても、いまだに信じられませんね。貴女方が異世界から来た住人だなんて」

 

話題を変えようとしたのか、唐突に真琴は言う。

 

調「よく言われます」

 

切歌「最初は戸惑ったりしちゃいますけど、慣れればどうってことないデス」

 

『あったかもしれないIFの装者たち』の世界や『獣電戦隊 キョウリュウジャー』などのスーパー戦隊、『慈愛の勇者 ウルトラマンコスモス』などのウルトラ戦士たち、『仮面ライダーオーズ』などの仮面ライダーたち、『新幹線変形ロボ シンカリオン』など、シンフォギア以外の戦士たちのいる世界を見てきた切歌たちは言う。

 

真琴「そうですか。姉さんの予想通りだな」

 

切歌たちの言葉を聞いて真琴は言う。

 

マリア「お姉さん?」

 

真琴「はい。私は『尾上 真琴』と言います」

 

首を傾げるマリアに真琴は名乗る。

 

マリア「尾上…ってことはせいあ一等陸佐の」

 

真琴「弟です」

 

切歌「姉弟揃って防衛軍デスか?」

 

調「なんだかカッコイイ」

 

真琴がせいあの弟と聞いそれぞれ言う。

 

真琴「そんなことは…よく姉さん、尾上陸佐や隊のみんなに迷惑をかけていますから」

 

かつてバイオ生物『ガワン』の事件で、マクレーンの制止を無視して眠っていたガワンを目覚めさせてしまった挙句、飲み込まれてしまい、その後部隊やブレイブポリスの活躍で一命を取り留めるも迷惑をかけたことを恥じていた。

 

マリア「それでも、貴方は貴方なりに頑張っているんだから大丈夫よ」

 

真琴「友永警部にも言われましたよ、それ」

 

マリア「あら、そうなの?」

 

勇太と同じことを言ったとしてマリアは微笑む。

 

マリア「さて、切歌。もう十分休んだわね?」

 

立ち上がって切歌に聞く。

 

切歌「はいデス!」

 

聞かれた切歌は元気よく立ち上がって言う。

 

調「じゃあ、早くリルくんたちと合流しよう」

 

真琴「では先に行っている者たちに連絡を……」

 

先行隊と連絡を使用と無線機を出した瞬間だった。

 

先行隊の行っていたであろう場所から爆発音と共に黒煙が上がった。

 

同時に遠くから自動小銃の発砲音が響き渡ってきた。

 

マリア「爆発!?それに銃声!?」

 

爆発と銃声を聞いて驚く。

 

真琴「こちら真琴!先行隊、状況を報告してくれ!!」

 

爆発と銃声に驚きながら真琴は通信する。

 

隊員A『こちら先行隊!突然現れた謎の武装勢力から攻撃を受けている!!数が多い!!!』

 

通信に出た隊員Aの声に交じって怒声や日本語以外の言葉、銃声が聞こえてきた。

 

隊員B『なんだ、あの動きは!?人間じゃないみたい…ぎゃあっ!!!!!』

 

隊員A『おい、しっかりしろ!おい!くそぉ!!!!』

 

別の隊員が殺られたのか隊員Aは通信が開きっぱなしなのを忘れて自動小銃を発砲する。

 

しかし、次の瞬間に外国語のような言葉を発する男性の声と共に激しい音がして通信が途切れた。

 

調「武装勢力!?」

 

切歌「どっから湧いて出てきたデスか!?」

 

通信を聞いていた2人は驚く。

 

真琴「対策本部、こちら東側探索隊!先行していた部隊が謎の武装勢力の攻撃を受けている!至急応援を!!」

 

本部に応援を要請する真琴。

 

せいあ『こちら対策本部!現在各部隊が謎の武装勢力と接敵、これと交戦中!ブレイブポリス本隊も応戦しているが、かなり苦戦している模様!そちらへの増援は見込めない!!』

 

本部で通信を受けてせいあが返事をするが山林に突入した部隊全てが謎の武装勢力と交戦していて、ブレイブポリスを既に投入するも苦戦していてこちらに割り振る戦力が無いと伝えてきた。

 

真琴「そんな!?」

 

思わぬ返事に真琴は驚いてしまう。

 

マリア「どうやら、戦闘はここだけじゃないみたいね」

 

真琴の表情を見て察したマリアは言う。

 

真琴「はい、山林に入った全部隊が謎の武装勢力と交戦中。ブレイブポリスもすでに出動していますが数が多く、苦戦していてこちらに回せる戦力が無いそうです」

 

マリア「そう…じゃあ、私たちだけで彼らを助けに行くわよ」

 

真琴「無茶です!相手の数さえ不明なのに突っ込むなんて…」

 

マリア「大丈夫よ。私たちの中じゃ、想定外は想定内」

 

調「どんなに情報が少なくても、行かなきゃいけないのなら行くだけです!」

 

切歌「それにリルくんだって先行している防衛軍の人と一緒デスからどの道助けに行かないといけないんデス!」

 

無茶だという真琴にマリアたちは言うと先へ行ってしまった。

 

真琴「…どんなに無茶な状況でも、仲間を助けにか…よし!!」

 

その言葉に押されて、真琴は先へ行ってしまったマリアたちを追いかけて行った。

 

 

 

マリアたちが向かっている頃、1km先ではすでに激戦の戦場となっていた。

 

明らかに日本語でない言葉を発しながら武装勢力たち自動小銃を大木に向かって放っていた。

 

大木の後ろには防衛軍とリルが隠れていた。

 

すでに半数以上が負傷及び戦死しており、まだ息のある負傷者を衛生兵が懸命に救命していた。

 

リル「かうぅ……」

 

様子を見ていたリルは右足から痛みを感じて見る。

 

右足の脹脛辺りに太い棒状の何かが刺さっていて血塗れで、今もなお、傷口からドクドクと血が流れていた。

 

武装勢力の仕掛けたと思われる爆弾から隊員を咄嗟に守った時に爆発で飛んできた木の破片が深々と刺さってしまっていたのだ。

 

すでにオルガナイザーG1による破壊された細胞組織などの修復が行われているが、この状況下ではオチオチと回復に回している暇は無かった。

 

そんな中で、銃声が止んだ。

 

リル「?」

 

なぜ止んだのかと思い、少し顔を出すと数人の人間たちが筒状の武器を向けていた。

 

隊員A「RPG!?」

 

武装勢力の人間たちが向けた筒状の武器―『RPG』(『Rocket-Propelled Grenade』の略で、携帯用対戦車ロケットグレネードランチャー)を見て驚いて、叫んだのと同時に先端のグレネード部分が発射された。

 

隊員A「総員、退避ーッ!!!!」

 

発射されたRPGを見て叫ぶがその直後にグレネードが着弾、爆発が周囲を吹き飛ばした。

 

隊員A「ッ…い、生きてる?」

 

爆発で起きた爆風により吹き飛ばされはしたが、体はほとんど無傷であることに気づく。

 

隊員A「いったい何で…!?」

 

不思議に思って前を見るとそこには爆発で吹き飛んで、中間部分しか残っていない巨木を持っているリルの姿があった。

 

体中に巨木の破片が突き刺さり、所々には火傷や衝撃による裂傷があり、見るからに痛々しく血塗れの状態だった。

 

さっきのRPGから防衛軍を守るために自分のいた巨木を引き抜いて、それを盾にしていたのだ。

 

しかし巨木では防げるものではなく、相当なダメージがリルを襲っていたのだ。

 

そんなリルに銃口を向ける武装勢力の人間たち。

 

リル「く…かうぅ……」

 

ボロボロながらも、巨木を投げ捨てて戦う意思を見せるリル。

 

だが、もはやその体に武装勢力の持つ銃弾から避けるだけの体力すら残されてはいなかった。

 

それを知ってか知らずか、武装勢力の人間たちはリルにゆっくりと狙いを定めると引き金に手をかける。

 

ここまでかと思われた時だ。

 

隊員A「総員、射撃開始!!!」

 

隊員の声と共に防衛軍が一斉に武装勢力に向かって射撃を開始した。

 

防衛軍攻撃に武装勢力の人間たちは散開して木の陰へ隠れた。

 

その隙に衛生兵がリルのところへ駆け寄った。

 

衛生兵A「大丈夫か!?」

 

衛生兵B「すぐに治療するからな!」

 

そう呼びかけるとリルの体を担架に寝かせると急いで来た道を戻っていく。

 

戻っていく衛生兵たちに武装勢力の人間が再びRPGを持って狙いを定める。

 

狙いを定めて、引き金を引いてグレネードを発射する。

 

ロケット推進で一気に向かってくるグレネード。

 

何とかグレネードを迎撃しようとするが、それをさせまいと木の陰から武装勢力の人間たちが射撃を行い妨害する。

 

グレネードが衛生兵たちとリルに命中しかけた時だ。

 

?「伏せて!!」

 

空から女性の声が聞こえてきたかと思いきやダガー、丸鋸、ブーメラン状のカッターが飛んできてグレネードを破壊した。

 

破壊されたグレネードを見て驚いていると3人の鎧を纏った少女たちが着地した。

 

マリア「随分とリルを痛めつけてくれたじゃない。このお礼はたっぷりとさせてもらうわよ!!!!」

 

聖剣型のアームドギアを構えてアガートラームを纏うマリアは言う。

 

切歌「ザババの刃で両断するデス!」

 

調「うん、リルくんをいじめたアナタたちを絶対に許さない!」

 

マリアに続くように、イガリマとシュルシャガナをそれぞれ纏う切歌と調も鎌型のアームドギアとヨーヨー型のアームドギアを構えて言うのだった。

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