戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第651話 再生者(リヘナラドール)討伐作戦(救援・決着)

リヘナラドール「ウギヤアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」

 

腹部に大穴を開けてリヘナラドールが悲鳴を上げて後退した。

 

?「なんだ?」

 

マリアは動けずにおり、リヘナラドールの攻撃を回避や反撃することは出来なかったハズだった。

 

なのにリヘナラドールが腹部に大穴を開けて後退している。

 

その事に子供は不審に思っていると空から2人の少女が降りてきた。

 

2人ともマリアたちと同じギアを纏っており、赤と紫色をしていた。

 

クリス「全発全中!持ってけ、全部だぁッ!!」

 

腰部から小型ミサイルと両手に持った二連装ガトリングガンを一斉発射する少女―雪音 クリス。

 

クリスにより放たれたミサイルと弾丸がリヘナラドールの肉体に次々に命中し、穴を開いていく。

 

クリス「今だ!!」

 

未来「うん!」

 

クリスの合図で、紫色のギアを纏った少女―小日向 未来は扇型のアームドギア(折り畳んだ状態)からビームを発射する。

 

放たれたビームはリヘナラドールの頭部を飲み込み蒸発させた。

 

マリア「彼方たち!?」

 

現れたクリスと未来に驚くマリア。

 

?「来たのは雪音と小日向だけではない!!」

 

マリア「この声…!?」

 

聞き覚えのある声が空から聞こえて見上げると巨大な何かかが降ってきていた。

 

マリア「ちょっ!?」

 

降ってくる巨大な何かを見てマリアは火事場の馬鹿力とでも言うような力を出して切歌を押し戻すとアームドギア越しに蹴り飛ばして後ろへ飛んだ。

 

その直後、降ってきていた巨大な何かが地面に突き刺さった。

 

?「なんだ、壁?」

 

巨大な何かを見て子供は言う。

 

翼「壁とは不躾な!剣だッ!!!」

 

壁…否、巨大化させた剣の先端に立っている青いギアの少女―風鳴 翼は言う。

 

マリア「ちょっと、翼ぁ!!貴女、私ごと殺る気だったでしょ!?」

 

言っている翼にマリアは怒って文句を言う。

 

翼「そんな訳ないだろ。マリアなら避けられると思ってやったまでだ」

 

マリア「この剣…可愛くない……」

 

翼の言い訳にマリアは呆れてしまっていた。

 

クリス「夫婦喧嘩は他所でやってくれ!今は…」

 

マリアと翼にそう言ってクリスは頭部を失い、倒れるリヘナラドールを見る。

 

倒れたリヘナラドールは失った部分を再生させながら、ビクビクと体をうねる様に動かして接近してきた。

 

クリス「くそ、やっぱり本体の寄生虫を潰さねぇとダメか!」

 

接近するリヘナラドールにクリスはそう言うと右目にスカウターのような片目眼鏡型のスコープを出して、二連装ガトリングガンをスナイパーライフル型へ変形させて狙いを定める。

 

スコープはサーモグラフィのように赤、青、黄などの色で熱が表されており、背中にはミズグモのような形がリヘナラドールの体温より赤く表示されているハッキリと二匹映っていた。

 

クリス「お前の弱点はお見通しだ!!」

 

そう言って引き金を引き、弾丸を発射してミズグモを打ち抜いた。

 

クリス「もういっちょ!!」

 

もう1匹を狙い撃つクリス。

 

リヘナラドール「ウギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

本体である寄生虫ことプラーガを全て打ち抜かれたリヘナラドールはようやく再生したばかりの頭部から悲鳴のような声を上げると上半身が膨らんで破裂した。

 

残された下半身はビクビクと少し動いたのち、完全に動かなくなった。

 

?「なに!?」

 

リヘナラドールが倒されたのを見て子供は驚く。

 

クリス「よし、残りは!」

 

未来「私に任せてください!!」

 

残るはプラーガに寄生されてしまった切歌と調の2人のみ。

 

その2人に未来は自身の周囲に丸鏡を複数展開した。

 

未来「私の光で打ち抜く!!!」

 

丸鏡から一斉にビームを発射。

 

防御しようとする調であったがそれをクリスがリボルバー拳銃型にしたアームドギを発砲して妨害した。

 

ビームに飲まれる2人。

 

ビームに飲まれた2人の体内に寄生していたリヘナラドールより少し小さめのプラーガが苦しそうに体を震わせて破裂するように消滅した。

 

プラーガが消滅して切歌と調はその場に倒れてしまった。

 

神獣鏡の聖遺物無効化『凶祓い』を応用した輝きで、ピンポイントに2人に寄生していたプラーガを聖遺物として見立てて祓ったのだ。

 

マリア「切歌、調!!」

 

急いで倒れてしまった2人に駆け寄るマリア。

 

調「うぅ…」

 

切歌「デェース…」

 

気を失っているだけなのか、呻き声のような声を出す調と目を回している切歌の姿があった。

 

マリア「良かった」

 

駆け寄ったマリアはそんな2人の姿を見てホッとする。

 

翼「残るは貴様だけだ!」

 

巨大化させたアームドギアを元に戻しながら降りてきた翼は子供に言う。

 

クリス「大人しくしとけば痛い目には合わせないぞ」

 

リボルバー拳銃型のアームドギアを向けながらクリスは警告する。

 

?「ふっ、甘いな。貴様らは…」

 

降伏勧告をするクリスたちに子供はそう言うと服の下から何かを落とした。

 

同時に眩い光が周囲を覆い、クリスたちから視界を奪う。

 

クリス「くそ!?閃光弾だと!?」

 

翼「ま、前が見えん!!」

 

閃光弾により前が見なくなってしまい、動けないクリスたち。

 

光が収まると子供の姿はどこにもなかった。

 

?『今日のところはここまでだ。良いデータが取れたんでな』

 

姿は見えないが反響するように子供の声が聞こえてきた。

 

クリス「逃げたか…」

 

未来「みたいだね」

 

反響するように聞こえてきた声で、子供がこの場から離れて行ったと考える。

 

翼「マリア、大丈夫か?」

 

マリア「えぇ。助かったわ…って、貴女たちどうしてここに?」

 

クリス「その辺りはまた後で話すよ。今は他の連中の救援が先だろ?」

 

マリアに聞かれてクリスは周辺から聞こえてくる銃声のことを言いながら言う。

 

マリア「そうね。とりあえず、近くの方から救援しに行きましょう」

 

クリスに言われてマリアはそう言うとガナードに襲撃されているであろう防衛軍の部隊の救援に向かうのだった。


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