戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

867 / 1218
第663話 暗黒勇者

デッカード「みんな、無事か?」

 

レックスシャドーとそれを操る子供が消えて少しした後、デッカードたちはマリアと合流していた。

 

クリス「あぁ、何とかな」

 

翼「周辺にいたガナードとB.O.W.は全て撃破した」

 

周辺にはガナード、ヴェルデューゴ、ガトリングガン男(J.J.)、U-3の死体と弾痕などの傷があちこちにあった。

 

切歌「後は中に入ってジェインをフン縛るだけデス!」

 

マリア「急いでジェインを捕まえて」

 

デッカード「あぁ、勇太を助け出すんだ!」

 

レックスシャドーとの戦いで受けた傷やダメージを気にしない様子でチェーンソウ男が破壊したシャッターから内部へ入ろうとした時だ。

 

ダークデッカード「ん?」

 

何かを感じ取ったダークデッカードがふと見上げるとデッカードの真上に魔法陣が展開されて光が出てこようとしていた。

 

ダークデッカード「デッカード、上だ!!」

 

デッカード「上?」

 

ダークデッカードに言われて見上げたデッカードだったが既に光はデッカードへ向けて落ちようとする寸前だった。

 

ダークデッカード「危ない!!」

 

光がデッカードに落ちる刹那にダークデッカードがデッカードを突き飛ばした。

 

その数秒後に光がダークデッカードを襲った。

 

ダークデッカード「ぐわあぁぁぁーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

 

『ダーク!!』

 

光を喰らって悲鳴を上げたダークデッカードはその場に倒れてしまった。

 

ジェイン「フハハハハハ!遂にやったぞ!!」

 

勇太「デッカード!みんなぁ!!」

 

笑い声が聞こえてその方向を見ると司令塔らしき塔にジェインと錬金術の魔法陣で縛られた勇太の姿があった。

 

ジェイン「よくガナードたちを倒したな、だがここが貴様らの墓場となるのだ!!」

 

そうジェインが言うと倒れていたダークデッカードが起き上がった。

 

デッカード「ダーク、無事だったか!勇太を助けるぞ!!」

 

ダークデッカード「おう!」

 

デッカードの言葉に反応してダークデッカードはダークバスターを取り出して向けた、デッカードに。

 

ダークデッカード「死ね!!」

 

なんの戸惑いもなくデッカードに発砲するダークデッカード。

 

デッカード「うおっ!?」

 

異変に気付いてデッカードは慌てて体を捻り、回避する。

 

調「え!?」

 

切歌「いきなりどうしちゃったんデスか!?」

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!?」

 

ダークデッカードの行動に驚く。

 

ジェイン「もはや貴様らの声は聞こえていない!」

 

翼「何だと!?」

 

クリス「いったい何しやがった!!」

 

ジェインの言葉を聞いて問いただす2人。

 

ジェイン「奴には洗脳錬金術をかけてやったのだ!!」

 

マリア「さっきの光ね!」

 

ダークデッカードが喰らってしまった光が洗脳錬金術なるものだと悟る。

 

ジェイン「そうだ!これでダークは私の手足となって動くのだ!さあ、ダークよ!今こそお前の真の力を見せてやれ!!」

 

ダークデッカード「おう!来い、ダークネスローダー!!!」

 

ジェインの指示に従って、ダークデッカードはそう叫ぶとチェーンソウ男が破壊した建物から一台の漆黒のトレーラー―デッカードの使用するジェイローダーに酷似したメカ、『ダークネスローダー』が残されていたシャッターを破壊して出てきた。

 

デッカード「あれは!?」

 

勇太「黒いジェイローダー!?」

 

現れたダークネスローダーを見て驚くデッカードと勇太。

 

ダークデッカード「とう!」

 

ダークネスローダーが現れたのを確認したダークデッカードは跳躍、同時にダークネスローダーも飛翔した。

 

そして2機はデッカードがジェイローダーと合体するのと同じ要領で合体、漆黒のジェイデッカーとなった。

 

Dジェイデッカー「暗黒勇者合体!ダークネスジェイデッカー!!!」

 

ジェイデッカーを悪魔にして歪めたような姿の漆黒のジェイデッカー―『暗黒勇者 ダークネスジェイデッカー』(以後『Dジェイデッカー』)が名乗りを上げて降り立った。

 

勇太「黒いジェイデッカー!?」

 

Dジェイデッカーを見て驚く勇太。

 

ジェイン「これこそが私の作った完全なロボット、ダークネスジェイデッカーだ!!」

 

Dジェイデッカーの登場にジェインは興奮気味に叫ぶ。

 

Dジェイデッカー「デッカード、シンフォギア、ゴジラ!貴様らは俺が倒す!ダークネスジェイバスター!!!」

 

ダーク時のバスターよりも大型のライフル型の武器―『ダークネスジェイバスター』を向けて発砲。

 

紫と黒のビームが向かっていくが、全員が一斉に散開して誰一人として直撃を受ける事は無かったが、代わりにさっきまでいた所に大きなクレーターを作り上げた。

 

調「さっきまでとは威力が違う!!」

 

切歌「合体してパワーが上がってるデス!!」

 

クレーターを見て調と切歌は言う。

 

デッカード「止めるんだ、ダーク!正気を取り戻すんだ!!」

 

説得しよと呼びかけるデッカードだが、Dジェイデッカーは無視して発砲する。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

迷ってはいるが仕方なくDジェイデッカーにミレニアムゴジラは放射火炎を発射する。

 

Dジェイデッカー「はあっ!!!」

 

しかしDジェイデッカーは放射火炎をダークネスジェイバスターで相殺した。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!?」

 

いくら錬金術師により生み出されたとはいえ、ロボットである。

 

性能には限界があるハズなのに相殺されたこにミレニアムゴジラは驚いていた。

 

ジェイン「無駄だ!貴様らのデータはすでに収集済み!いかなる攻撃もダークネスジェイデッカーには通用しない!!」

 

デッカード「私たちのデータだと!?まさか、最近起きている無人暴走事件は!!」

 

ジェインの言葉にデッカードは思い当たる節があった。

 

ジェイン「そう、私だ!私が錬金術で作業用ロボットを暴走させた!そしてデルラゴやノイズΣズイグルを使い、貴様らの戦闘データを取ったのだ!!ダークネスを完成させるためにな!!!」

 

デッカード「なんということを!」

 

クリス「この外道野郎が!」

 

ダークデッカードことDジェイデッカーを作るためだけに無人の作業用ロボットを暴走させて、時にはデルラゴのような凶暴な怪物を野に放ってそれをデッカードたちブレイブポリスやシンフォギア、ミレニアムゴジラと戦わせてそのデータを収集していたと語るジェインにデッカードたちは怒りを露にする。

 

勇太「そのせいでどれだけの人が傷ついて、命を落としたと思っているんだ!」

 

ジェイン「ふん、不完全な者が何人死のうと知ったことではない!命とは完全なる者のことだ。そう、シンフォギアと初代怪獣王に無残にも殺されたアダム様がそうであったようにな!!」

 

勇太の言葉にジェインは神々が生み出した最初の人類で、完全すぎるとして破棄された存在―ガウを一度は殺し、神の力をその体に付与し、完全無比の怪物『ディバインモンスター・カイザーギドラ』へと変えた『パヴァリア光明結社統制管理局長 アダム・ヴァイスハウプト』をかなり酔狂しているように出し、興奮気味に言う。

 

ジェイン「さあ、ダークネスジェイデッカーよ、貴様の敵を抹殺するのだ!!」

 

Dジェイデッカー「おう!!」

 

ジェインの指示を聞き、Dジェイデッカーはダークネスジェイバスターを再度向ける。

 

Dジェイデッカー「喰らえ!!」

 

戸惑いなく発砲するDジェイデッカー。

 

各自で散開して攻撃を避ける、しかしデッカードは転がっていたガナードに死体を踏んでしまい、足を取られて転倒してしまった。

 

Dジェイデッカー「もらったっ!!」

 

デッカード「しまった!!」

 

転倒してしまったデッカードにDジェイデッカーは容赦なく発砲、ビームがデッカードに向かって行くのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。