戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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宇宙大怪獣帝国編
第671話 帝国襲来


かつては太陽系第9惑星と言われていた準惑星となった星『冥王星』。

 

その冥王星の周辺に漂うデブリの中にNASAの宇宙開発局の有人人工衛星が紛れるように漂っていた。

 

この有人人工衛星は宇宙からの侵略者となる宇宙人や宇宙怪獣たちの接近をいち早く察知して地球へ知らせる見張り台の役割も担っている。

 

それは数か月前に宇宙から飛来した闇の超能力者と呼ばれる『異形生命体 サンドロス』とサンドロス自身が率いる昆虫怪獣型兵器『怪獣兵器 スコーピス』の大群により地球は多大な被害を被った為にいち早く察知する必要があったのだ。

 

そんな人工衛星にあるコントロール室に警報が鳴り響く。

 

オペレーターA「宇宙レーダーに反応あり!」

 

レーダーを見ていたオペレーターが言うと後ろから主任の職員が来て聞いてきた。

 

主任「なんだ、隕石か?」

 

オペレーターA「いえ、この反応は…宇宙金属です!それもかなり巨大な!」

 

主任「っとすると侵略宇宙人か。すぐに地球にこのことを…」

 

オペレーターAの報告に主任は金属反応から侵略宇宙人が来たと考えて指示を出した時だ。

 

オペレーターB「主任!後方よりさらに宇宙金属反応に加えて、生物反応多数確認!数は…なんだこれ!?」

 

レーダーを改めて見たオペレーターBは驚いていた。

 

主任「どうした、数はどうなんだ!」

 

驚いているオペレーターBに主任は聞く。

 

オペレーターB「そ、それが…生命反応並びに宇宙金属反応が、す、数十万をすでに越え、なおも数を増加中!!」

 

主任「なんだと!?」

 

オペレーターBの報告に主任は驚く。

 

オペレーターA「主任!レーダーの軍勢と思われる艦影と生物を肉眼で確認!!」

 

主任「!?」

 

オペレーターAの報告に主任は宇宙空間を見る、そこにはまるで宇宙空間を覆い尽くす数の大小様々な大きさの宇宙艦と宇宙怪獣たちの姿があった。

 

しかも後ろから赤い空間が開くと中から次から次へと新たな宇宙艦と宇宙怪獣たちが出現していた。

 

主任「な、なんだ、この数は!?」

 

あまりにも途方もない数に主任は驚きを隠せなかった。

 

主任「すぐにこのことを地球に発信して知らせろ!」

 

人工衛星オペレーターA「は、はい!こちら冥王星見張り塔!だ、大多数の宇宙船と宇宙怪獣を確認!数は数十万を超え、なおも増加中!繰り返す!くりかえ…」

 

ただ事ではないと判断してすぐに地球へ知らせるように指示を出す。

 

だが、そこから彼らが生きて地球へ帰ることは出来なかった。

 

衛星へ向かって放たれる赤い一閃が貫き、爆発させて破壊した。

 

衛星の上方に、大型の単装砲を持った艦が何隻もいた。

 

巨大宇宙戦艦オペレーター「バルバスファ級宇宙駆逐艦 EA101より入電。"我、蠅を落とした"」

 

集結する大艦隊の中央にいる巨大な宇宙戦艦のブリッジにて、オペレーターが衛星を破壊した艦ー『バルバスファ級宇宙駆逐艦』からの報告をする。

 

スペース「そうか。全艦に通達しろ、全軍が集結し次第、地球へ向けて前進するとな!!」

 

ブリッジの中央にある席に座る右目を髪で隠したガウースペースは報告を聞いて笑い、指示を出す。

 

 

 

その頃、地球では…。

 

先生「たーちーばーなーさーん!!!」

 

響「ひぃー!すみません、ごめんなさい、すみません、ごめんなさい、すみません、ごめんなさぁいぃ!!!!!!」

 

リディアンの教室に響く先生の怒声とペコペコと謝る響のいつもの光景があった。

 

未来「はあ、またこのパターン…」

 

頭を抱えて未来は呆れて見ていた。

 

お説教の理由は響がまたいつもの人助けで、遅刻した上に昨日遅くまで任務だったので授業中に居眠りをしていたからだ。

 

すると教室の後ろにあるガラスが割れ、何かが入ってきた。

 

リル「かう!」

 

ガラスを割って入ってきたのはリルだった。

 

響「ふえ!?リルくん!?」

 

未来「どうしてここに!?」

 

リル「かうかう!」

 

入ってきたことに驚いているのを無視してリルは未来の手を掴むと、教卓にいる響のところまで走って手を掴んで2人を連れていこうとする。

 

響「わわわっ!?」

 

未来「え、私も!?」

 

連れていかれそうになって2人は驚く。

 

先生「あ、あの、まだお話が…」

 

2人を連れていこうとするリルを先生は呼び止める。

 

リル「かうぅ……」

 

呼び止められてリルは"急いでるのに"っと顔に出しながら黒板まで戻るとチョークで一言書いて2人を連れていった。

 

先生「……」

 

あっという間に見えなくなったリルを遠目に、先生はリルが黒板に書いていた一言を見た。

 

そこには、教師のように綺麗な字で書かれていた。

 

『後日にお願いします』

 

 

 

リディアンを出て、すぐにリルはミレニアムゴジラへ変身して、響と未来をS.O.N.G.の本部が停泊している港に連れてきた。

 

港に着いてミレニアムゴジラは2人を降ろすと港から海に入り、どこかへ行ってしまった。

 

港に置いてかれた2人だったが、港にはクリス、調、切歌がいた。

 

響「あれ、クリスちゃんたちも連れてこられたの?」

 

クリス「あぁ。リルがいきなり地面から出てきてな」

 

切歌「そのままアタシたちをここに置いていったデス」

 

調「いきなり過ぎて驚いてます」

 

響の質問にクリスたちはそれぞれ答える。

 

未来「どうしたんだろうね、いったい」

 

響「すごく慌ててたね」

 

慌てた様子だったミレニアムゴジラを思い出しながら話す。

 

?「ようやく来たでありますか」

 

声の方を見ると赤子を抱えた犬耳と尻尾を持った獣人の女性ー『エルザ』がいた。

 

赤子はガウとの間に儲けた娘のエウルで、ぐっすりと眠っていた。

 

未来「エルザちゃん!」

 

クリス「どうしてお前がここに?」

 

エルザ「私めも呼ばれたのであります」

 

クリスに聞かれてエルザは答える。

 

エルザ「中で指令が待っているから早く行くであります」

 

そう言ってエルザは本部で弦十郎が待っていると言うと響たちと共に発令室へ向かうのだった。

 

 

 

発令室に入ると弦十郎をはじめ、藤尭、友里、エルフナイン、ユウコ、緒川、翼、マリアがいた。

 

弦十郎「来たか」

 

響「師匠、いったい何があったんですか?」

 

全員が来たことに反応した弦十郎に、響は聞く。

 

弦十郎「先程、NASAが冥王星に配備していた有人人工衛星が何者かに破壊された」

 

クリス「何者かって、宇宙人か?」

 

有人人工衛星が破壊されたと聞いてクリスが聞く。

 

弦十郎「いや、分からん。データも僅かにしか届かなかったそうだ。そのデータが、これだ」

 

弦十郎が言うと友里に向かって頷くと友里は頷き返してキーボードを打つと音声データを出した。

 

人工衛星オペレーターA『こちら冥王星見張り塔!だ、大多数の宇宙船と宇宙怪獣を確認!数は数十万を超え、なおも増加中!くりかえ…』

 

オペレーターの声がしていたが、その後に破壊されたのか爆発音とノイズがして途切れた。

 

マリア「ちょっ、数十万の宇宙船と宇宙怪獣ですって!?」

 

クリス「冗談だろ、それ!?」

 

オペレーターの音声データから聞こえた数に驚いて確認する。

 

弦十郎「だったら良かったが、冗談ではないらしい」

 

緒川「すでに音声データと共に送られてきた僅かなデータをエルフナインさんとユウコさんが解析した結果、真実と判明しました」

 

切歌「なんデスとぉ!?」

 

翼「これまでにない規模の敵と言うことですね」

 

冗談ではなく、事実であると聞いて驚く。

 

弦十郎「この宇宙艦隊と宇宙怪獣軍団がいつ地球に襲来するかは分からないため、各国が迎撃準備を開始している。リルは地球怪獣たちの統率と援軍の準備をしてもらっている」

 

調「だから私たちを本部に連れてきてすぐにどこかに行っちゃったんだ」

 

リルが慌てた様子だったのは先にこのことを聞いて急いで迎撃準備をするためであると分かり、納得する。

 

弦十郎「そこで我々S.O.N.G.だが…」

 

?『警告する』

 

今後のことを指示しようとしていた時、突然発令室のモニターが起動して、ノイズと共に少年の声が聞こえてきた。

 

?『全地球生命に告ぐ。無駄な抵抗は止め、即刻我らに降伏せよ』

 

ノイズが晴れた発令室のモニターに右目を髪で隠したガウが映し出された。

 

未来「ガウくん!?」

 

エルザ「ガウ…いや、違うであります!」

 

映し出された少年がガウと思い、驚いていたがエルザは違うと叫ぶ。

 

スペース『俺は宇宙大怪獣帝国大帝にして、大怪獣王 ゴジラの息子、スペースゴジラだ!』

 

ガウに似た少年ー宇宙大怪獣帝国大帝『スペースゴジラ』は名乗るのだった。


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