戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第685話 例え、この命砕けたとしても…

響「何がどうなってるの!?」

 

突然飛んできたミサイルが爆発したかと思いきや爆風と熱に襲われ、次に視界に入ってきたのは巨大なキノコの形をした雲が地面から上がってきていたことに驚く響。

 

響「未来!未来は無事なの!?」

 

最愛の友人を心配して響は雲の中へ向かう。

 

因みに響の頭の中にはクリスが消えております。

 

周辺はかなりの熱気があるのか、入った瞬間に響の体から汗が流れ出始めた。

 

響「熱い…ギアの断熱フィールドでも防げないなんて…まさか、核とかじゃないよね……」

 

ギアに搭載されている断熱フィールドでも熱を遮断できないことを呟きつつ、響は地上へ向かっていく。

 

響「うっ!?」

 

地上の少し上空に到達した響が見たのは爆心地であろう場所を見て吐き気を感じた。

 

大地を抉るようにして出来たクレーター、周辺には丸焦げとなった陸空の怪獣たちの死体と人間のであろう死体が転がっていた。

 

近くには戦車や対空砲が溶けて辛うじて原型を留めていた。

 

響「未来、無事でいて…」

 

吐きそうになるのを我慢して、響は未来()を捜す。

 

響「未来ー!未来、どこー!!」

 

周辺に響き渡るほどの声で叫ぶが、反応は無かった。

 

響「未来…どこに…」

 

反応が無いことに響の中で、不安が募る。

 

その時、少し前にある黒い塊が僅かに動いたかと思いきやグラリと動いて倒れた。

 

クリス「はぁ、はぁ、何とか生きれたか…」

 

未来「うん、そうだね…」

 

黒い塊が倒れて中から少しギアが解けているが、無事の姿のクリスと未来が出てきた。

 

響「み、未来ぅー!!」

 

現れた未来を見て響は走る。

 

未来「響ー!」

 

走ってくる響を見て、未来は手を振る。

 

響「良かったよ、未来が無事で!」

 

未来「うん。でも…」

 

響に言われた未来だったが黒い塊の方を見た。

 

クリス「爆発の瞬間、この怪獣がアタシたちを庇ってくれたんだ」

 

響「それって…」

 

クリスの言葉を聞いて、響はさっきの黒い塊が元々は共に戦ってくれていた地球怪獣の1体であったと聞いて言葉を失った。

 

響「ありがとう…未来を、私の友達を助けてくれて…」

 

本当は申し訳なかったが、精一杯に彼女らしく送れる言葉を送る。

 

弦十郎『こちら本部!3人とも無事か!!』

 

聞き覚えのある男声、弦十郎が通信してきた。

 

響「師匠!」

 

クリス「アタシら3人は無事だ。おっさん、いったい何がどうなってやがるんだ!?さっきの爆発はなんだよ!?」

 

クリスがさっきの爆発のことを聞く。

 

弦十郎『米国が改良型の反応兵器を使った!しかも、国連の承認無しにだ!』

 

味方がまだ戦っているのを承知で、米国が独断で反応兵器の改良型を発射したと弦十郎は言う。

 

反応兵器改良型はそれまでの反応兵器には無かった数万度の超高熱を周辺に発生させる爆発を起こす機能があり、それまでの反応兵器や核に変わる兵器である。

 

弦十郎『すでに残存部隊は撤退を開始した。君たちもすぐに撤退するんだ』

 

他国軍はすでに撤退を開始したことを伝えて、響たちにも撤退をするように命じる。

 

響「味方を巻き込んでこんな…」

 

クリス「これが戦争とでも言うのかよ…」

 

米国の独断で発射した反応兵器改良型により帝国軍だけでなく、北米大陸を守るために集まった味方の地球軍も一緒に吹き飛ばしたことに憤りを感じる。

 

?「なるほどのう。友軍ですら平気で捨て駒にするか…」

 

『!?』

 

突然聞こえてきた老人の声、その方向を見ると地球軍とは真逆に傷すらついていないブラックエンドを筆頭にした宇宙怪獣と帝国軍陸戦部隊、そして宇宙艦隊であった。

 

未来「ウソ…!?」

 

クリス「アレを至近距離で喰らって無傷だと!?」

 

シンフォギアですらある程度溶解してしまっているほどの熱量を有する反応兵器改良型を受けているのにも関わらず、無傷でいる帝国軍に驚く。

 

ブラックエンド「ふん、あれくらいの熱で弱音を吐く者は帝国軍にはおらんよ」

 

響「そんな…」

 

ブラックエンドの言葉に言葉を失う響たち。

 

米国が祖国の威信を掛けて、味方を巻き込んだ作戦は肝心の帝国軍に一切の被害を出すことすら叶わず、味方のみを殺したただの自滅になってしまったのだ。

 

ブラックエンド「自業自得とはいえ、手傷を負った相手を殺すのは忍びないが、これも戦の常というもの。悪く思うなよ。追撃戦を開始しろ!!」

 

手傷を負い、撤退を始めている地球人軍に対して追撃を命じた。

 

ブラックエンドの命を聞いて、宇宙怪獣と地上軍、宇宙艦隊が一斉に攻撃を開始した。

 

クリス「くそ、やめろ…ぐっ!」

 

追撃戦を開始した帝国軍を止めようとするクリスだが、反応兵器改良型によるダメージが残っていて立ち上がれなかった。

 

次々に帝国軍の攻撃で兵士たちの命が吹き飛ばされていく。

 

弦十郎『どうしたんだ!?なにがあった!!』

 

未来「帝国軍が無傷です!さっきの攻撃が効いていないみたいです!」

 

弦十郎『なんだとぉ!?』

 

状況を聞いて驚く弦十郎。

 

ブラックエンド「さて、嬢ちゃんらも死んでもらおうか!」

 

そう言ってブラックエンドはデスマグマを響たちに発射した。

 

避けれない、そう思っていた時だった、赤い衝撃波がデスマグマを迎え撃ち相殺した。

 

ブラックエンド「むっ!?」

 

デスマグマを相殺しれたブラックエンドは衝撃波が飛んできた方を見た。

 

そこには、1体の怪獣がいた。

 

体中に火傷を負い、右の角は折れて血管が焼け焦げ、右目は閉じてはいるが中から血が流れ出て、残った左目も赤く充血しているパワードゴモラだった。

 

パワードゴモラ「き、貴様の相手は…俺のはずだろうが!!」

 

ボロボロでありながらもパワードゴモラはブラックエンドに言う。

 

ブラックエンド「その体で儂と戦うというのか!?」

 

戦おうとするパワードゴモラにブラックエンドは驚いていた。

 

どう考えても体中火傷を負い、ボロボロとなった満身創痍の体で戦おうなどありえないことである。

 

ブラックエンド「益々気に入った。パワードゴモラ殿、儂らの仲間にならんか?仲間を捨て駒にするような奴らと手を組む道理はあるまい」

 

そんなパワードゴモラにブラックエンドは再度勧誘する。

 

パワードゴモラ「ふっ、何度言われようと同じだ…断る!自らが主と認めたお方とそのお方の意思を継いだ方を裏切ることなど出来るかッ!例え、この命が砕けたとしても!!」

 

ブラックエンドの勧誘を断り、パワードゴモラは戦おうとしていた。

 

例え自身の命が失われようと…。

 

かつて、この北米で無敗を誇り、最強の名を欲しいままにしていた自身が唯一敗北し、その背中から感じた大きな器を持つ主とその主には及ばないものの、いずれは越えると信じる今の王への忠誠心がパワードゴモラを立たせていた。

 

ブラックエンド「ふー…そうか。ならば仕方ないの…ならば、その命…儂自らが砕いてくれよう!!」

 

パワードゴモラ「ふっ、俺が逆に貴様の命を奪ってくれるわぁ!!」

 

ブラックエンドとパワードゴモラ、両軍の将が再度、お互いに向かっていき激突する。

 

ブラックエンドと激突する寸前、パワードゴモラはアイコンタクトで、響たちに『自分が殿を務める。その隙に退いてくれ』と伝えていた。

 

それを感じた響たち戦いたかったが、追撃を受ける地球軍を助けなければならず、パワードゴモラに一言いった。

 

『ごめんなさい…』

 

自分達と同じ地球人が無断で発射した兵器で手傷をおってしまったことへの謝罪だった。

 

パワードゴモラ「ギイィィィシャアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 

だがパワードゴモラは響たちの謝罪を聞いて、気にするなと言うように鳴き、ブラックエンド率いる帝国軍へ向かって行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米国が独断で発射した反応兵器改良型により各国軍は壊滅。

 

地球怪獣軍団北米防衛連合軍は参加怪獣200体の内50体が反応兵器改良型により戦死、カナダ方面軍司令官フライグラーを含むほとんが重症。

 

米国方面軍司令官 パワードゴモラは撤退する友軍の時間を稼ぐために単身で帝国軍へ突撃。

 

同軍六王第二位大将 ブラックエンドにより戦死。

 

なれども戦車数十両、戦闘機十数機、人型兵器数機、宇宙怪獣数体を道連れにした。

 

だが、北米大陸防衛戦は地球軍自滅に近い形で敗北。

 

帝国軍はパワードゴモラを討ち取った後、追撃を止めるが地球軍は穀倉地帯の3分の2を消失した。




北米攻略した帝国軍は穀倉地帯の一角に第二次降下艦隊全てが降下していた。

ゼルト「良いんですか?勝手に追撃を止めてしまって」

同艦隊総旗艦ギルヴァスター級弩級宇宙戦艦2番艦 メッサースターの艦橋にて、ゼルトが人間体のブラックエンドに聞く。

ブラックエンド「ふん。あの者が自身の命を代わりにして守った者がどうやってこれから戦うか、見てみたくなったんじゃ」

パワードゴモラが自身の命を省みずに守った者たちがどんなことをするか見てみたいと言う。

それは、ブラックエンドなりの自身の主へ忠義を見せたパワードゴモラへの誠意であったのだ。

ゼルト「全く、貴方と言う方は」

ブラックエンドの誠意をゼルトも察してそれ以上は何も言わなかったのだった。
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