戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第689話 知っているから

アンギラス「なんですと!?」

 

ラドン「なぜ解消しないのですか!?」

 

マンダ「奴らは我々を裏切ったのですぞ!!」

 

自分たちとは真逆の決定をしたリルに三将軍は声を荒げて聞く。

 

リル「確かに北米の部隊は人間の攻撃に巻き込まれて壊滅した。でも、それが地球人の総意だと思う?」

 

アンギラス「それはどういう?」

 

リルの質問にアンギラスたちは首を傾げて聞く。

 

リル「あの戦いでアメリカの攻撃に巻き込まれたのは北米の部隊だけじゃない。北米に派遣された各国の軍も巻き込まれてるんだよ。響ママたちだって巻き込まれてたんだよ」

 

北米大陸防衛戦で、反応兵器改良型による被害は響たちにもあったことを聞いていたリルは言う。

 

リル「これが人間たちの総意なら、僕もはっきりと同盟解消に賛成していたよ。でも、人間たちの総意でもないのに、こっちから一歩歩んだ足を引っ込めるのは話が違う気がするんだ」

 

確かにリルの言う通り、反応兵器改良型を発射したのは米国政府一部高官たちによる独断である。

 

これが人間たちの総意ならリルですら同盟解消には賛成していただろう。

 

だが、総意でないなら同盟解消はしないとリルの考えは他の怪獣たちも分かる部分はあった。

 

ラドン「ですが、人間はその内に私たちを裏切るに…」

 

リル「勝手に決めるなぁ!!!!」

 

反論しようとしたラドンにリルは大声を上げる。

 

ラドン「!?」

 

リルの大声にラドンは驚き、黙ってしまう。

 

リル「実際に人間たちを見てきたから分かるよ。人は弱い、だからどうにかしようと頭で考えている。それは時に非道なモノになる、だけど多くは僕らと共に今の状況をどうにかしようと考えている!断片的なことしか知らないのに裏切ると決めつけるな!!!!」

 

先王とは違い、幼い頃から人間と長く暮らしてきたリルだからこそ言えることだった。

 

アンギラス(この迫力…)

 

リルの言葉に込められた思いと迫力を感じ、アンギラスは先王とその姿が重なっていた。

 

アンギラス(大王様…現王様はあなた様と同じ…いや、それ以上になる芽が生まれましたぞ…!)

 

リルの姿が先王に重なったのが見えてアンギラスは芽生え始めた王としての器を感じていた。

 

マンダ「しかし…」

 

アンギラス「もう止めろ!」

 

いまだに反論しようとしたのをアンギラスは止めに入った。

 

アンギラス「王の決定だ。これ以上は反論するでない」

 

ラドン「アンギラス将軍…」

 

マンダ「分かりました…」

 

アンギラスに言われてラドンとマンダはそれ以上の反論は諦めた。

 

リル「アンギラス…」

 

アンギラス「王よ、しかとその決意を見届けましたぞ」

 

先王に重なった姿を見ながらアンギラスは言うのだった。

 

崩れかけた地球人と地球怪獣軍団の同盟は継続が決まった。

 

だが、1度生じた綻びは直ることはなかったが帝国軍と戦うだけは協力体制を取るのであった。

 

 

 

地球連合が継続された頃、月の近くにタイターンから発進していた大怪獣帝国軍第三次降下作戦参加艦艇がワープアウトしていた。

 

艦隊は艦隊総旗艦『ギルヴァスター級5番艦 ギガドーラー』を筆頭に、『ベルバスト級宇宙重巡洋艦』、『ギャラガス級宇宙軽巡洋艦』、『バルバスファ級宇宙駆逐艦』、『ラルベアー級多層式宇宙空母』、『ポルタヴィオン級宇宙揚陸母艦』、ポルタヴィオン級に搭載された『ガルシア級宇宙揚陸艦』と『ガレアツァ級大型宇宙揚陸艦』である。

 

ギガドーラー率いるタイターン艦隊の後方から近づく艦隊がいた。

 

リベン「将軍。ガモス将軍のアイスヴィーナス基地の艦隊です」

 

ムルロア「そのようだな」

 

後ろから接近してきた艦隊がアイスヴィーナスから発進したガモスの艦隊であると察する。

 

アイスヴィーナス艦隊はタイターン艦隊と同じ編成と艦種であるが、1種類だけ違う艦があった。

 

艦橋構造物にシャッターがあり、その先には空母のように航空機の発着に使われる滑走路があり、その上には三連装砲塔が二基ある艦であった。

 

ガモス『よう、ムルロア!きっかり合流したぜ!』

 

アイスヴィーナス艦隊の艦隊総旗艦は『ギルヴァスター級6番艦 クォツラー』の艦橋からガモスが通信してきた。

 

ウェド『ガモス将軍!少し礼儀を…』

 

ガモス『んなこと気にすんじゃねぇよ、ウェド!細かいんだよ、お前は!』

 

副官らしき一つ目で、頭に触手のようなのがある宇宙人―宇宙大怪獣帝国軍先任参謀大佐『変身怪人 ゼットン星人』の『ウェド』に注意されて、ガモスは言う。

 

ムルロア「ウェド副官、気にするな。こいつに礼儀を言っても意味は持たんからな」

 

注意したウェドにムルロアは言う。

 

ガモス『あ?どういう意味だ、そりゃあ?』

 

ムルロア「貴様が礼儀知らずのバカってことだ」

 

ガモス『あー、なるほどな………って、どういうことだよ!!!!!』

 

ムルロアにバカと呼ばれてガモスはキレて怒鳴る。

 

ムルロア「そのまんまの意味だ」

 

ガモス『てめぇ!八つ裂きにすんぞ!!!』

 

ムルロア「やれるもんならやってみろ!返り討ちにしてやるぞ!!」

 

売り言葉に買い言葉状態で、ガモスとムルロアは言い争う。

 

リベン「はあ…ウェド艦長。全艦、降下準備してください」

 

ウェド『了解した…』

 

両副官は直属の上官たちの喧嘩を呆れながら地球への降下指示を出した。

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