戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第694話 北京州攻防戦終結

クリス「先輩!?」

 

オーストラリアにいるハズの翼に驚き、未来と共に近づく。

 

翼「すまない、少し来るのが遅くなった」

 

響「な、なんで翼さんがここに!?」

 

本来ならマリアたちの捜索にオーストラリアにいるハズの翼が日本にいることに驚きながら響は下ろしてもらいながら聞く。

 

翼「あぁ、彼らにここまで送ってきてもらったんだ」

 

未来「彼ら?」

 

聞かれた翼は帝国軍艦隊から見れば左側を見ながら言い、それに釣られて見ると帝国軍艦隊を取り囲むように群青色をした丸い穴が開いた。

 

 

 

レーダー官「か、艦長!我が軍の両側面に重力振を確認!何者かがワープアウトしてきています!!」

 

レネディ「重力振!?惑星内ワープですって!?」

 

報告を聞いてレネディは驚いてしまう。

 

ワープは空間を歪ませる事で近道を作り上げ、光年単位の遠方さえも一瞬で移動する航法だが、失敗すれば歪ませた空間に周辺のモノは飲み込まれて消滅してしまう。

 

それは障害物があれば起こる危険性が高く、宇宙空間ならば真空と無重力であるために失敗するリスクは低い。

 

だが惑星内になると大陸や航空機、高層ビルなどが邪魔で失敗する危険が極めて高かったのだ。

 

失敗する率が極めて高いにも関わらず何者かが惑星内ワープしてきたのだ。

 

そんなリスクのある惑星内ワープを行った正体が現れた。

 

黄土色に塗装されている帝国軍艦と同じシャチやサメを思わせる流線型の形をしている船体と四段の飛行甲板を持つ空母が数十隻の艦隊を組んで現れた。

 

 

 

レネディ「なんだ、あの艦隊は!?」

 

突如惑星内ワープで現れた艦隊を見てレネディは驚く。

 

レーダー官「艦種識別…反乱軍の戦艦 スペランツァ級、重巡洋艦 ファルケ級、軽巡洋艦 アードラー級、駆逐艦 シュペルリング級、空母 クラーニヒ級です!!」

 

レネディ「なんですって!?」

 

兵士の報告にレネディは再度驚く。

 

レネディ「反乱軍はビーメラ星を最後に全て根絶やしにしたハズじゃなかったの!?」

 

地球に来る際にビーメラ星を帝国軍は支配下に置いている。

 

ビーメラ星は反帝国勢力の本星であった為に、地球侵攻作戦前に後顧の憂いを断つ意味で征服しており、その際反帝国軍を全て殲滅させたハズであったのだ。

 

レーダー官「艦長!反乱軍艦隊の後方にさらに重力振を確認!!」

 

レネディ「!?」

 

さらに艦が惑星内ワープでこの戦闘区域に出ようとしていると聞いてレネディは反乱軍艦隊の後ろを見ると群青色をした丸い穴が開いていた。

 

その穴から1隻の赤と軍艦色のツートンカラーで塗装された巨大な船体を持った戦艦が現れた。

 

三連装砲を前方に2門、後方に1門を備えた3基9門を備え、船体の左右にはハリネズミの如く機銃や対空砲を備えている艦であった。

 

 

 

弦十郎「大和!?」

 

現れた艦を見て弦十郎は『大和型戦艦1番艦 大和』だと思い、驚きながら叫んだ。

 

エルフナイン「いえ、機銃と対空砲の数が大和とは異なっています」

 

かつての大和のデータと照合していたエルフナインは副砲と機銃や対空砲の数が大和とは異なっていることに気づいた。

 

エルフナイン「大和には無い機銃、それに高角砲が大和の約半分…そうか!あれは武蔵です!大和型戦艦2番艦 武蔵です!!」

 

大和には載せられていなかった25mm三連装機銃があり、高角砲である12.7cm砲が大和の半分だけ搭載されているのを確認したエルフナインは結論にたどり着き言う。

 

そう、上空に現れたのは旧日本海軍が世界に誇った戦艦 大和の同型艦にして唯一の姉妹艦『大和型戦艦2番艦 武蔵』である。

 

リュグロー『俺はレジスタンスのリーダー・リュグロー!帝国軍に告げる!お前たちの武力による宇宙支配をこれ以上見逃すわけにはいかない!同じ宇宙から来た者として、俺たちは地球人と地球怪獣たちと共に戦う!!』

 

S.O.N.G.本部にレジスタンスのリーダーである『リュグロー』を名乗る男性の声が通信越しに聞こえてきた。

 

藤尭「通信の発信源は武蔵からです!」

 

友里「司令!この通信は日露の両陣営にも送られています!」

 

リュグローの通信が日露の両陣営にも伝えられていることが判明する。

 

翼『マリアたちを捜索していた過程で私は彼らと出会いました』

 

弦十郎「翼!?帰ってきたのか!?」

 

今度は翼の声を聴いて弦十郎は驚いて聞く。

 

翼『はい。彼らは帝国軍により故郷を追われ、地球へ亡命してきたのです。マリアたちの説得で、私たちと共に帝国軍と戦ってくれるように要請しました』

 

エルフナイン「それじゃあ、マリアさんたちは!」

 

 

 

マリア『えぇ、4人共ピンシャンしてるわ』

 

 

 

エルフナイン「皆さん!」

 

友里「無事だったんですね!」

 

 

 

調『心配をおかけしました』

 

切歌『アタシたちが来たからにはもう大丈夫デース!!』

 

マリア『ここからが反撃開始よ!!』

 

マリアの一言を皮切りに戦艦 武蔵ことレジスタンスにより宇宙戦艦として復活を遂げた『宇宙戦艦 武蔵』を先頭にレジスタンスの艦隊が一斉に帝国軍へ向かって砲撃を開始した。

 

 

 

帝国軍兵士A「敵艦隊発砲!!」

 

レネディ「各艦回避!!」

 

レジスタンス艦隊が一斉砲撃を開始したのを確認したレネディはすぐさま護衛にいたバルバスファ級宇宙駆逐艦各艦に回避を指示する。

 

しかし回避が間に合わず、7隻が命中弾を受けてしまう。

 

7隻の内3隻のバルバスファ級宇宙駆逐艦が命中弾を受けて数秒後に船体が大爆発を起こし空から沈んで(墜ちて)いく。

 

帝国軍兵士B「護衛バルバスファ級駆逐艦3隻轟沈!4隻被弾!内2隻大破航行不能、2隻中破!!」

 

命中弾を受けて7隻の被害が旗艦であるランバルミの艦橋に知らせられる。

 

一気に7隻(内撃沈3、大破・中破各2ずつ)の被害の知らせを聞き動揺が走る。

 

レネディ「狼狽えるな!数はこちらが上だ!包囲して各個撃破しろ!!」

 

動揺する部下たちに一括してレネディは指示を出す。

 

レネディの指示を聞き、帝国軍艦隊は反撃を開始する。

 

しかし士気はレジスタンスの方が大きいらしく、数で圧倒する帝国軍艦隊の艦艇は次々に命中弾を受けて爆沈か、コントロールを失い、地面に落下していく。

 

アメリ『お姉ちゃん!!』

 

艦橋に艦隊の損害が入ってくる中、アメリが通信を入れてきた。

 

アメリ『爆装して出撃()る!アングルドデッキを開けて!』

 

レネディ「無茶を言わないで!こんな火砲の中で飛び込むなんて死にに行かせるようなものよ!!」

 

出撃しようとするアメリにレネディは言う。

 

アメリ『でもこのままじゃ…』

 

それでも出撃しようと進言するアメリだったが、轟音と共にアメリの右側から閃光と爆発が起きて通信が切れてしまう。

 

同時にランバルミ全体が揺れ、反撃のためにレジスタンス艦隊へ砲撃していた主砲に1つが爆発した。

 

帝国軍兵士A「3番砲塔大破!1番、2番砲塔損傷!発砲不能!格納庫にも被弾を確認!航空機発艦不能!!」

 

帝国軍兵士B「護衛バルバスファ級駆逐艦艦隊更に被害甚大!反乱軍の攻撃で我が方の艦隊の被害が広がっています!!」

 

旗艦である自艦の武装と格納庫を破壊されてしまい、攻撃能力の大幅低下と艦隊の損害が大きくなっていることがレネディに知らせられる。

 

レネディ「アメリ!?アメリ!!」

 

被弾して通信が途絶えた格納庫にいるアメリにレネディは叫ぶが返事は帰ってこなかった。

 

レネディ「くっ、後方の艦隊司令官殿は何をしている!!このままでは全滅だ!!」

 

今すぐに格納庫へ行き、妹の安否を確かめたかったが、指揮官として離れるわけにもいかず、後方にいるであろう第一次攻撃艦隊はどうしているかと聞く。

 

帝国軍兵士B「そ、それが…」

 

レネディ「なんだ、どうした!?」

 

帝国軍兵士B「それが反乱軍が来てから本隊と連絡が取れず…」

 

レネディ「なんだと?まさか!?」

 

報告を聞いて、レネディは嫌な予感が過る。

 

自分たちを囮に本隊は撤退をしたのではないかと。

 

 

 

そのレネディの予感は的中していた。

 

宇宙大怪獣帝国軍第三次降下作戦艦隊第一次攻撃艦隊総司令官『ナックル星人・グレイ』率いる第一次攻撃艦隊はレネディ率いる先遣艦隊を囮に転進、戦線から離脱していた。

 

グレイ「あー、危なかった。反乱軍が出てくるとか信じらんなーい!ここは先遣隊を囮に私たちはさっさと引き上げるわよ!!」

 

扇子を仰ぎながらグレイはワザとらしく言う。

 

副官「い、いいんですか?勝手に戦線を離脱して?」

 

グレイ「いいのよ、大体あの娘たち気に入らなかったのよ。ヴァロルド提督に気に入られてるからって指揮官にまで抜擢されちゃって…気に入らなかったのよね~。これで死んでくれれば私は嬉しいわ~♪」

 

副官の質問にグレイは私念混じりの本音を言う。

 

これを聞いて副官を含めた艦橋乗員は引き気味であった。

 

 

 

レネディ「あの腰抜けめ!!」

 

グレイ率いる本隊が引き上げたと予感して、レネディは怒りを露にして指揮官席の肘おきを殴る。

 

帝国軍兵士D「どうします、艦長!」

 

レネディ「……」

 

指示を仰ぐ帝国軍兵士にレネディは無言になり、パネルを操作した。

 

レネディ「レネディ・リンケ、認識番号82712α」

 

帝国軍兵士D「艦長、それは!?」

 

レネディが軍人としての認識番号を言うのを聞いて副官は驚いた。

 

同時にレネディの前に点火装置らしきボタンがせりあがってきた。

 

レネディ「ここからは私一人の戦争よ。総員ただちに離艦!後に私の開けた穴から各個脱出せよ!」

 

艦橋にいる乗員にレネディはそう命令を下す。

 

が、誰一人として退艦するそぶりを見せなかった。

 

それどころか、全員がレネディがこれから起こす最後の賭けを知っているような顔をしていた。

 

帝国軍兵士A「これは…全員命令違反で、軍法会議送りですな」

 

レネディ「お前たち…」

 

帝国軍兵士C「我々は元々荒くれ者だったのを貴女に救われたんです。最期の最期までお供します、艦長!」

 

レネディの部下たちは元々宇宙で海賊紛いの行為をして暴れていた無法者たちである。

 

それをレネディは取り立て、部下とした。

 

最初は上手くいかないことも多かったが、今は誰もがレネディを慕う兵士となっていた。

 

レネディ「そうか…ならば本艦はこれより敵艦隊への突撃を敢行!友軍艦隊の脱出経路を確保する!」

 

帝国軍兵士達『レネディ大佐と共に!!』

 

最後の賭けである自艦を自爆させて敵の包囲網に穴を開けて友軍艦艇を脱出させるとして全員がレネディに最後の敬礼をする。

 

 

 

レジスタンスA「敵艦隊旗艦が突っ込んでくる!!」

 

武蔵艦橋から戦況を見ていたレジスタンスの1人がランバルミが全速で向かってくるのを確認して叫ぶ。

 

リュグロー「自爆でもする気か!?全艦、一斉射!これ以上近づけさせるな!!」

 

向かってくるランバルミを見てリュグローは指示を出す。

 

武蔵の前方に二基6門設置されている主砲『三連装460mm陽電子ビームカノン』がランバルミに向かってビーム放つ。

 

他の僚艦も一斉にビームを発射してランバルミを沈めようとする。

 

だがランバルミは残された武装や船体が破壊されようと全身を止めない。

 

それどころか武蔵の主砲が艦橋の屋根に命中し、破壊された屋根に艦橋の乗員が下敷きになっても止まらなかった。

 

レジスタンスA「ダメだ、止まらない!!」

 

リュグロー「緊急回避だ!急げぇ!!」

 

レジスタンスB「緊急回避!!」

 

一斉射を受けても止まらないのを見てリュグローの指示で操舵士が舵をきって回避しようとするも間に合わず、ランバルミが武蔵の船体に激突、同時にランバルミから錨が発射されて船体同士が固定されてしまった。

 

レネディ「共に…来てもらうぞ、反乱軍!!」

 

艦橋部でただ一人生き残ったレネディは自爆装置のスイッチに力を入れて起動させようとしたときだ…。

 

?「Seilien coffin airget-lamh tron…」

 

レネディ「歌?」

 

突然聞こえてきた歌に警戒していると破壊された屋根から白銀の鎧を纏った女性—マリアがレネディの前に降り立った。

 

マリア「はあぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!」

 

レネディ「!?」

 

突然現れたことに反応できず、レネディはマリアの聖剣型のアームドギアに自爆装置のスイッチを破壊されてしまう。

 

レネディ「シンフォギア!!」

 

ようやく相手が何なのか分かってレネディは腰のホルスターから拳銃を抜き、マリアに向ける。

 

マリア「はっ!!!」

 

銃を向けられたマリアはすかさずアームドギアを蛇腹状態にしてレネディから銃を叩き落とした。

 

叩き落とされた銃は床を滑り、レネディがいる場所から2~3M離れた場所で止まった。

 

レネディ「!!」

 

銃を叩き落とされて取りに行こうとしたがマリアがアームドギアを首に突き付けてきて動けなかった。

 

マリア「降伏しなさい。捕虜として、それ相応の扱いをすることを保証するわ」

 

勝敗は決した。

 

自爆は阻止され、残されたバルバスファ級宇宙駆逐艦はレジスタンス艦隊により次々に沈められいた。

 

それを確認したマリアはレネディに降伏するように言ったのだ。

 

レネディ「フッ…甘いわね…私たち帝国軍人に"降伏"なんて言葉はないのよ!!」

 

マリアの静止を無視してレネディは銃の方に飛び、掴むと自身のこめかみに銃口を向ける。

 

マリア「まっ……!!!」

 

彼女が何をしようとしているのかを感づいたマリアは制止しようと走りだす。

 

しかし、レネディはすでに引き金を引いていた。

 

銃口からレネディ自身の頭を撃ち抜いた細い光の一線が彼女の赤い飛沫と共に飛び、赤い飛沫の一部がマリアの顔に掛かる。

 

レネディ(ごめんね、アメリ…先に逝く私を許して…ヴァロルド提督…申し訳ありません…私たちを実の娘のように育ててもらいながら…このような失態を犯してしまい…申し訳ありませんでした………)

 

駆け寄ってくるマリアの姿と破壊された艦橋内部、戦死した部下たちを見ながらレネディは倒れ、視界が暗くなっていき何も見えなくなった。

 

マリア「なんてこと…」

 

頭を撃って自害したレネディの首に手を当てて脈を診るマリアだったが、死んでいることは間違いなかった。

 

開いたままの彼女の目を手でそっと閉じて穏やかな表情へ変えるマリア。

 

マリア「最後の最後まで軍人としての責務を果たしたの立派だけど…命を捨てる事なんてないじゃない……」

 

軍人としては立派だったのだろうが、人としてはどうなのかとマリアはレネディの遺体を前に問いかけるように呟いたのだった。

 

ふと視線を剃らすと彼女が使っていた銃が目についた。

 

マリア「……」

 

おもむろに拾い上げるマリア。

 

マリア「こんな物でも貴女からしたら形見になるのかしら…」

 

さっきまで自分の命を奪おうとした銃とその持ち主であるレネディを見ながらマリアは呟くように言う。

 

周辺を見回して他に生存者がいないかマリアは確認する。

 

すると通信のコールが鳴り応答する。

 

弦十郎『マリアくん、すぐにそこから退避するんだ!間もなくその艦が爆沈する!!』

 

マリア「分かったわ、すぐに…!?」

 

ランバルミがもうすぐ爆沈すると聞いてマリアは屋根から退避しようとした矢先、近くの壁にビームが命中して黒く焦がした。

 

それを見て振り返ると頭から血を流し、片目を瞑り、息を荒らしながら残った片目でマリアを睨むパイロットスーツを着た少女―アメリが銃口から煙が出ている銃を向けていた。

 

アメリ「よくも…お姉ちゃんを…!」

 

自害したとは知らないでいるアメリはマリアが(レネディ)を殺したと思い込んでいた。

 

マリア(お姉ちゃん?まさか、さっき自決した人の…)

 

マリアはアメリの言葉を聞いて姉妹であることを察し、同時に自身が姉を殺した張本人と誤解していることに気づいた。

 

マリア「待ちなさい、私は…」

 

アメリ「五月蝿い!」

 

マリアの言葉をきかず、アメリは引き金に指を掛ける。

 

その時、アメリの床に亀裂が走り崩れた。

 

アメリ「しまっ!?」

 

床が崩れたを見てアメリは反応できず、落ちそうになった。

 

マリア「危ない!!」

 

落ちそうになったアメリを助けようと雪崩と化した床の穴に飛び込むマリア。

 

ランバルミ船体の崩壊を確認して武蔵は副砲の150mm三連装陽電子ビームカノンの砲撃でランバルミのアンカーを破壊して離脱する。

 

アンカーを破壊されたランバルミは小さな爆発を頻発させながら地上へと高度を落とし、最終的には船体を真っ二つに折れる爆発を起こした。

 

リュグロー「全員無事か!?」

 

レジスタンスB「船体、人員に被害無し!」

 

爆発による被害は無かったことがリュグローに伝えられる。

 

リュグロー「彼女は!?」

 

マリア『私なら無事よ』

 

リュグローが彼女というのはマリアのことで、マリアは通信してきた。

 

残されたランバルミのアンカーにマリアは掴んでいた。

 

その腕には気絶したアメリがいた。

 

旗艦を喪った第三次降下作戦艦隊第一次地上攻撃艦隊先遣艦隊は全滅。

 

ランバルミは爆沈、護衛のバルバスファ級宇宙駆逐艦は数百は半数が轟沈、残り半数は大破及び中破となり、生き残った乗員は降伏した。

 

ランバルミ艦長 レネディ・リンケ大佐はレジスタンス艦隊の奇襲により艦隊を撤退のために自爆を計るもマリアにより阻止され、投降を勧められるも断り自害した。

 

レジスタンスという不確定要による作戦失敗は地球防衛戦で無敗を誇っていた宇宙大怪獣帝国が天ノ川銀河系において初の敗北となり、地球側は初の勝利となった。




この敗北の報はすぐさま帝国軍の本拠地へと知らせられた。

ヴァロルド「レネディが…戦死しただと…!?」

宇宙大怪獣帝国天ノ川銀河方面地球侵攻本部がある冥王星基地 プラートの一室にて、同軍航宙艦隊艦隊総司令官『ガッツ星人・ヴァロルド』は報告を聞いて驚愕した顔で立ち上がって確認する。

ヴァロルド「本当なのか、それは!」

帝国軍兵士D「はっ。レネディ大佐率いる敵地上攻撃先遣艦隊は地球軍を圧倒していましたが、レジスタンスを名乗る反乱軍の艦隊が現れ、取り囲まれてしまい…それで友軍艦隊を脱出させるための血路を切り開くために敵艦隊へ突貫、自爆を図るも失敗。その後、敵の侵入を許し捕虜となる前に自ら命を…」

ヴァロルド「アメリ…アメリはどうした!」

帝国軍兵士D「アメリ中尉は地球軍の地上指揮所攻撃に成功した後、旗艦 ランバルミに帰還したまでは分かりましたがまだ…」

聞かれた兵士はヴァロルドにことの経緯を兵士は伝えるが、相手は自身からすれば雲の上の存在で、帝国軍艦隊全てを取り仕切っている人物である。

報告は正確にしなくてはならないが、下手をすれば自身が巻き込まれてしまうのではという恐怖心があり、震える声で報告する。

ヴァロルド「指揮官は誰がしていた…第一次地上攻撃艦隊の総司令は誰がしていたぁ!!」

声を荒らげてヴァロルドは兵士に問い詰める。

帝国軍兵士D「だ、第三次降下作戦艦隊第一次地上攻撃艦隊総司令官はムルロア様の指揮下にあるナックル星人・グレイ司令です!!」

ヴァロルドの気迫に押されて兵士はグレイの名を口にする。

ヴァロルド「ナックル星人…あの知略者が…!」

怒りを爆発させたヴァロルドは拳で机を殴ると殴られた箇所に大穴が空いた。

帝国軍兵士D「ひっ!?」

怒りを爆発させたヴァロルドを見て、兵士は怯えしまい悲鳴を上げる。

ヴァロルド「……もうよい、下がれ。報告ご苦労だった…」

そんな兵士の姿を見てヴァロルドは一旦冷静になり、兵士に下がるように命令する。

帝国軍兵士D「は、はっ!失礼しました!!」

ヴァロルドに命令されて兵士は敬礼し、踵を返して司令官室を出ていった。

ヴァロルド「ふー…」

報告に来た帝国軍兵士が去り、息を大きく吐くと一番上の引き出しを開けて1枚の写真を出した。

ヴァロルド「レネディ、アメリ…血は繋がらずとも親の情を注いだ者を喪うのは…悲しいものだな……」

取り出した写真を見ながらヴァロルドは呟いた。

その写真はまだ幼い姿のレネディとアメリが写されていた。
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