戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第701話 放たれる脅威

日露怪は宇宙大怪獣帝国の第三次降下作戦を阻止して数日後、体勢を立て直しが続けられていた。

 

同時に第三次降下作戦を阻止した要因であるレジスタンスの存在が公表された。

 

地球軍はレジスタンスを加えたことで帝国軍に対抗する手だてを手に入れることになったのだ。

 

弦十郎「つまり帝国軍の艦艇を含む兵器は全て宇宙金属で造られており、地球の現存兵器では太刀打ち出来ないと」

 

陸上自衛隊の大陸県駐屯地にS.O.N.G.用の仮設司令部にて帝国軍に地球軍の攻撃が全く効かずにいる理由を聞いて弦十郎は納得した声で言う。

 

帝国の保有する兵器の材質はこれまで現れたペダン星人のキングジョーに使われているペダニウム合金、ブラックホール第三惑星人がメカゴジラに使用したスペースチタニウムなどの宇宙金属で製造されている。

 

それを知れば帝国軍による一方的な戦いにも納得がいったのだ。

 

リュグロー「そうだ。それに奴らは支配下に置いているサロメやペダンなどの宇宙有数のロボット技術を応用してSBFを製造している」

 

弦十郎「SBFというと帝国軍が使用している人型ロボットですな」

 

リュグロー「あぁ、元々は惑星オジック二にあった民間土木用ロボットだったんだが従来の巨大兵器なんかよりも機動性と整備性に目をつけて製造されている。その中で第一線に出ているのがSBF-08 スペルグフだ」

 

元は『惑星 オジックニ』の民間土木用に造られたロボットをサロンやペダンなどのロボット技術で誕生したのがSBFであることをリュグローは言う。

 

リュグロー「性能はもうそっちで経験済みだろうが、あれは機動性・整備性・汎用性が破格の機体だ。パイロットを選ばない、戦場を選ばない、マルチロールで活躍出来る機体だ。加えて生産性にも優れてるからかなりの数が製造されてるし、本格的な地上戦を開始するなら様々なバリエーションを持つ機体が出てくるだろうな」

 

リュグローに言う通り、カスピ海・黒海戦、北米大陸攻防戦ではSBFによる性能の前に地球軍は成す統べなかった。

 

弦十郎「なるほど、具体的にどのようなバリエーションがあるのですか?」

 

言葉の中にあったSBF-スペルグフのバリエーションを効いてきた。

 

リュグロー「そうだな、分かっているだけで10種類は確認されている」

 

弦十郎「そんなにですか!?」

 

10種類もあると聞いて弦十郎は驚く。

 

リュグロー「あぁ、今帝国軍が使用しているスペルグフの中で一番数があるのが宇宙戦使用のS型、次に多いのが重力下仕様のJ型だ。J型は宇宙戦闘用の武器をそのままに、重力下でも性能が保てるようにチューニングされている」

 

弦十郎「重力下仕様というとまさか」

 

リュグロー「そのまさかだ、水中戦仕様のM型、大気圏内戦仕様のW型、狙撃仕様のSC型、火力支援型のC型とかが重力下・大気圏内仕様の亜種だな」

 

弦十郎「なんてことだ…」

 

M型、W型、SC型、C型などの重力下・大気圏内用にチューンアップされた亜種機体があることに帝国軍の機動兵器への恐怖を感じた。

 

リュグロー「だがこの星にも似て非なる機体があるじゃないか」

 

そう言ってチラリと外に待機している機体―陸上自衛隊の軍用レイバーであるヘルダイバーを見ながらリュグローは言う。

 

弦十郎「ヘルダイバーですか?」

 

リュグロー「そうだ。あれに俺たちの技術を加えれば少なくとも地上で帝国のSBFと互角に渡り合えるだろうな。あくまでも俺たちに触らせてくれるならな」

 

自分達にヘルダイバーを改修させてくれたら地上ではSBFと互角に渡り合える性能を与えられると言う。

 

弦十郎「分かりました。こちらから日本政府に打診してみます」

 

リュグローの言葉を聞いて弦十郎はそう約束した。

 

するとジェット機のような爆音と共に司令部上空を1機の機体が通りすぎていった。

 

レジスタンスが鹵獲したスペルグフだ。

 

リュグロー「凄いな、地球人であぁも簡単にSBFを乗りこなすとわ」

 

弦十郎「彼女は前世で地球外の技術で造られた機動兵器を扱たことがあるそうで」

 

窓から空を自由に飛び回るスペルグフを見てリュグローと弦十郎はパイロットのことを話す。

 

 

 

陸上自衛隊大陸県駐屯地旧北京の一角にレイバー用の演習場があった。

 

そこにはレジスタンスが鹵獲したSBF-08W型のスペルグフがヘルダイバー2個小隊(6機)と演習していた。

 

大地をしっかりと踏みながら約8Mの巨体を動かすヘルダイバーは3機ずつに分かれて移動する。

 

そんなヘルダイバー小隊1つの上空を背中に翼が生えたような姿をしたスペルグフが飛翔してきた。

 

空中を飛翔してきたスペルグフに演習用のペイント弾を装填した右腕固定武装である40mm速射砲を発砲する。

 

しかしスペルグフはペイント弾を縫うように回避すると太陽を背にして右手に持ている主武装である58mmビームライフルを象った演習用ペイント弾装填のライフルを向けて発砲する。

 

太陽を背にしたスペルグフを迎撃しようしたヘルダイバーだが、太陽の光の眩しさで見失ってしまい、同時に攻撃されたことに気づけずに3機とも頭から赤いペイント弾が命中して右ひざを着いて動かなくなってしまう。

 

ペイント弾が命中して被弾・撃破判定を受けてしまったのだ。

 

3機のヘルダイバーを撃破したスペルグフはすぐにその場を移動しようとしたがすぐ近くをペイント弾が通り過ぎて見て地上の方を向いたのと同時に山の一角が光って一発が放たれた。

 

それを紙一重で回避すると山の方へモノアイのカメラがズームした。

 

そこにはスナイパーカスタム仕様のヘルダイバー(以後、SCヘルダイバー)が木々を盾にしながらスペルグフに狙いを定めていた。

 

標的を見つけてスペルグフは翼(大きな主翼2枚と小型の翼4枚)を持つバックパックのスラスターを吹かせてSCヘルダイバーへ向かっていく。

 

自身に向かってくるスペルグフを確認したSCヘルダイバーは持っているスナイパーライフルで狙い撃つが回避されてしまう。

 

スペルグフがライフルの射程範囲にSCヘルダイバーが入るとライフルを向けた。

 

その瞬間、スペルグフの真下の地面から2機の通常タイプのヘルダイバーが出現、真上にいるスペルグフに向かって40mm速射砲を発射する。

 

これに驚いたのかスペルグフは上昇して回避するがバックパックの2枚ある主翼の内、一つにペイント弾が命中してしまい、破壊された判定を受けて機能を停止して墜落する。

 

墜落するスペルグフにヘルダイバー2機が40mm速射砲を構えていた。

 

だが次の瞬間スペルグフはバックパックを切り離(パージ)して垂直で降下して2機のヘルダイバーの前に着地した。

 

これに驚いた2機のヘルダイバーはすぐ目の前に標的がいるのにも関わらず攻撃が出来ずにいた。

 

その隙にスペルグフは腰部サイドアーマー内に格納されているビームサーベルの代わりに装備された重量だけ似せたペイント付き演習剣を抜き放ち、ヘルダイバーの腰部に一閃を叩き込んだ。

 

一閃を叩き込まれて2機同時に撃破判定を受けて動かなくなった。

 

僚機が同時に撃破されたのをスコープ越しに見ていたSCヘルダイバーは驚いているとスペルグフが接近してくるのが確認出来た。

 

すぐに迎撃しようと発砲するがスペルグフは跳躍して回避するとSCヘルダイバーが隠れている位置に向けてライフルを向けた。

 

"木々が邪魔で当たりはしない"、そうSCヘルダイバーのパイロットは思っていた。

 

だが現実はそれを否定した。

 

スペルグフの発砲したライフルから放たれたペイント弾はSCヘルダイバーが盾にしている木々の隙間を通り過ぎてコックピットのある胸部にベットリと赤い色を付けたのである。

 

不破「そこまで!第3、第4小隊全滅を確認!!演習を終了だ!!」

 

6機のヘルダイバーが撃破判定を受けたのを見て陸上自衛隊レイバー部隊隊長である女性『不破 環生』(階級は二尉)は通信機を起動させて各機に伝える。

 

響「ふえー、ユウコさん凄ーい!」

 

切歌「6対1だったのに一気に全部倒しちゃうなんて凄すぎデス!」

 

調「うん、初めて動かしたにしては凄すぎる!!」

 

見学していた響たちはスペルグフW型に乗っているユウコが初めてにも関わらず、自由自在に動かしたことに驚きながら興奮していた。

 

クリス「まさか初めて動かすのにあそこまでとはな…」

 

翼「前世で異星人性の兵器を扱ったことあるとは言っていたが…」

 

マリア「予想外よね。それよりもあのSBF…スペルグフだけど、レイバーよりも機動性や運動性は高いわね」

 

同じく見学していたクリスたちもユウコの技量とレイバーと比べ物にならないスペルグフの性能の高さに改めて驚いていた。

 

不破(大気圏内仕様のW型か…まさかあそこまでの性能とは…帝国軍の本格地上進行が可能となれば、何千、何万機も送り込まれると我々のレイバーでは勝ち目は無いか……)

 

自軍のレイバーとSBFの性能差を痛感しながらそう思う不破だった。




その頃、帝国軍大本営のある冥王星基地・プラートでは巨大なドーム状の建物が左右に開き、中から直径1000Mはあろう巨大な弾丸のような形をした物が出てきた。

アナウンス『都市破壊惑星軌道弾道弾発射準備完了!』

アナウンスが巨大弾丸型の兵器『都市破壊惑星軌道弾道弾』(以後、弾道弾)の発射準備が完了したことを伝える。

アナウンス『これより発射までのカウントダウンを開始する。作業員は直ちに退避せよ!繰り返す!これより発射までのカウントダウンを開始する。作業員は直ちに退避せよ!』

アナウンスの指示で弾道弾の下で作業していた兵士たちが一斉にその場を離れ、ドームの奥にある通路へ入っていく。

アナウンス『発射まで、5…4…』

数分後に兵士たちがいなくなったのと同時に弾道弾のカウントダウンが始まった。

同時に弾道弾のスラスターから光り、高温の熱と熱風が辺りに放出された。

アナウンス『3…2…1…発射!!』

カウントダウンが0になり、弾道弾が発射された。

アナウンス『弾道弾、発射を確認。着弾予定目標確認、日本国本土首都・東京!』

放たれた弾道弾はスラスターをさらに点火させ、加速して数分後には冥王星を抜け、宇宙へ飛び出した。

そして着弾予定目標である日本国本土首都・東京へ向け宇宙空間を進んでいくのだった。
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