戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第711話 日本へ(開戦・前編)

弦十郎「なんですって!?」

 

発令室にて、弦十郎の驚いた声が響いた。

 

弦十郎「それは本当ですか、中井防衛大臣!!」

 

中井『十中八九、間違いないかと。先程モスクワに集結した帝国軍地上部隊の一部が移動を開始、予測進路は日本大陸州との国境付近です!』

 

弦十郎の問いに中井は焦りながら言う。

 

モスクワ基地に集結した帝国軍地上部隊の一部がロシアと日本国大陸州(旧中国)の国境付近まで迫ってきていると言う。

 

弦十郎「つまり帝国軍は日本に狙いを定めたということですな」

 

帝国軍が日本に狙いを定めて進軍を開始して弦十郎は焦っていた。

 

日本には現状、三式機龍・MOGERA、メーサー兵器群がある。

 

しかし、相手は宇宙金属で製造され兵器を主力としている。

 

地球側の戦力では攻撃を当てることが出来ても、貫通することは出来ない、メーサー兵器群の攻撃が効くかどうかは不明であったが、確証が無かった。

 

中井『えぇ。現在本国では非常事態宣言を発令し、大陸方面にいる邦人を本土などに避難させています。ですが…』

 

大陸州にいる日本人(旧中国人も含めた)全員を避難させるのは難しいと中井は言っていた。

 

弦十郎「こちらも急いで向かいます」

 

それを察した弦十郎は急いで向かうと言うと中井は頷いて通信を切った。

 

響「師匠!」

 

通信を終わらせた直後に響たちが入ってきた。

 

翼「どうやら敵に動きがあったようですね」

 

帝国軍が動き出したと弦十郎の顔を見て分かったのか、翼は聞くと弦十郎は頷いた。

 

弦十郎「あぁ。帝国軍が日本に狙いを定めて進軍を開始した。俺たちも日本へ向けて出発する!」

 

帝国軍が動き始め、自分達も日本へ向かうことを言う。

 

クリス「今度は日本か…」

 

調「何が目的かはわからないけど」

 

切歌「アタシたちはこれ以上負けられないのデス!」

 

これまで、ほとんど負け続けているので全員の目に闘志がメラメラ上がる。

 

弦十郎「あぁ。何としてもこれ以上の敗北は阻止しなくては…あおい、先に日本にいるマリアくんにこのことを連絡していてくれ」

 

友里「わかりました」

 

向かうついでに先に帰国しているマリアに帝国軍の動きを連絡する。

 

 

 

S.O.N.G.がフランスから日本へ向けて出港し始めた日から2日後、モスクワ基地から出撃した帝国軍地上部隊第一日本攻略軍がロシアと日本の国境前に到達し、陣形を敷いていた。

 

ベルク級を最後尾に、前衛として扇状の陣形を敷かせたSRV-5数千両が展開していた。

 

帝国軍兵士A「敵日本軍の陣営を確認!距離約3万5000!」

 

帝国軍兵士B「距離1万8000にて敵影を確認!戦車及び人型兵器!」

 

バビラー「どうやら電撃戦の概念が地球にもあるようだな。しかし、奴らの知る電撃戦と我々の電撃戦が同じだと思うなよ!」

 

部隊の旗艦として、布陣する『ベルク級地上制圧戦艦3213番艦 メガザウラ』の艦橋にて、兵士たちの報告を聞いた烏天狗によく似た風貌をしており、背中に生えた翼を持つ宇宙人『暗黒星人 バビラー』は言う。

 

バビラー「これより、日本国陣営に攻撃を仕掛ける!砲撃用意!!」

 

バビラーの指令でメガザウラの左右の突き出たデッキ部分に備えられた三連装砲塔2基の砲身が動く。

 

ある程度の角度まで上がると砲身が止まった。

 

砲雷長「自動追尾よし!照準よし!」

 

バビラー「主砲、撃てぇぇぇーーーーー!!」

 

砲雷長の報告を聞き、バビラーがベルク級に搭載された主砲である310mm三連装陽電子カノン砲から赤いビームが一斉に発射された。

 

数十秒後、自衛隊が展開している陣にビームが着弾。

 

盛大に土柱が轟音と共に立ち上がった。

 

砲雷長「初弾命中!」

 

バビラー「SRV-5、全車前進!敵を蹂躙せよ!!」

 

着弾の報告を聞いてバビラーが前進を命じると展開していたSRV-5全車が扇状のまま前進を開始し、自衛隊の陣に突撃した。

 

帝国軍地上部隊による日本国大陸州攻防戦の幕が切って落とされたのだった。


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