帝国軍の第一日本攻略部隊が攻撃を仕掛ける数時間前、ロシアと日本国大陸州の国境付近に日本国陸上自衛隊は帝国軍を待ち構えていた。
しかし、その戦力は向かってくる帝国軍の半分どころか十分の一にも満たないものだった。
最大戦力である三式機龍とMOGERA、メーサー兵器群は本土防衛のためという理由で、大陸方面のは送られず、迎え撃つは現地部隊と本土から送られてきた改修されたレイバー3個大隊だけであった。
地球怪獣軍団も王であるリルの参戦と日怪同盟のために参戦していたが、ロシア首都・モスクワ奪還作戦失敗と破壊重力ミサイルによる被害の影響で、多々良島にいる総戦力の十分の一の僅か300頭のみが送られてくる予定で、合わせても圧倒的に数での優位性は帝国軍にあった。
それ故か自衛隊側の士気は乏しく、このまま激突すれば敗北は必須であった。
マリア(帝国軍の陸上部隊…宇宙軍よりも少ないとはいえ、規模は自衛隊より上…士気も最悪な状況だけど、みんなが来るまで私が時間を稼がないと…)
連絡を受けたマリアはアメリがいる病院から直接、国境に向かい、自衛隊に宛がわれたテントで待機していた。
?「よかったら、これどうぞ」
テントの扉が開き、コーヒーを渡しに来た女性隊員がいた。
マリア「え、あ、ありがとうござい…!?」
コーヒーを受け取ったマリアは女性隊員を見て驚いた。
女性隊員はかつてマリアがリル、奏、響と向かい、異世界の定理修復者と出会った並行世界の自衛官『浅木 美涼』であった。
マリア「貴女、確か…」
浅木を見てマリアはつい、並行世界の浅木と間違えて言う。
浅木「えっと、どこかでお会いしましたか?」
会ったことがない相手に言われて、浅木は戸惑う。
マリア「いえ、少し知人に似ていたからつい。ごめんなさい、あ、コーヒー、ありがとう」
戸惑う浅木にマリアは誤魔化して言う。
浅木「そうでしたか。では、失礼します」
マリアに敬礼して、浅木はテントから出ていった。
マリア(驚いたわ。まさかこっちの世界にもいたなんて…)
今まで自分や弦十郎などが並行世界にいたが、まさか浅木まで同じ状況だったとは、マリアは予想外だった。
それから数時間後(帝国軍攻撃開始数分前)、マリアは陸上自衛隊の司令部のテントに呼び出されていた。
理由は今後の作戦に付いてであった。
司令官「待っていました、Ms.マリア」
陸将(中将)の階級章を付けた陸上自衛隊の司令官が入ってきたマリアに言う。
司令官「この度は我が日本の為に御足労いただき、ありがとうございます」
マリア「いえ。日本には随分とお世話になっていますから。それで、今後はどのように自衛隊は動くのですか?」
司令官に今後の自衛隊の動きに付いてマリアは聞いた。
司令官「帝国軍地上部隊はすでにここから3万5000kmの位置に布陣。戦車が扇状に展開しています。着いたばかりですから戦闘はまだ先かと思われます」
地図を広げて帝国軍の位置を指差しながら司令官は言うと続けて言った。
司令官「レジスタンスのリュグロー氏の情報から、帝国軍地上部隊が電撃戦を仕掛けてくると考え、徹底死守による防御戦を展開する予定です。本来なら旧ソ連がナチスに仕掛けた作戦が有効ですが、我が日本の人道的立場から作戦自体が否定的です。それに、ワープ航行や宇宙怪獣には地球上での作戦は無意味ですからな」
ワープ航行や宇宙怪獣などを主力に有している帝国軍に対してナチスに攻め込まれたソ連が繰り出した作戦(工場を一時、疎開させ、一時的に生産性を
マリア「そうですね」
司令官の意見にマリアも同意見だった。
司令官「さらに偵察機の情報によると敵は地上戦艦を投入しているようなんです」
マリア「地上戦艦…戦車の他にもそんな兵器を持ち込むなんて…」
現役復帰した偵察機『RF-4EJ』からもたらされた情報で、帝国軍地上部隊が地上戦艦を投入していると聞いて改めて自分達が相手している敵がSFでしかお目にかかれないような戦力を平然と使用しているこてを認識させられる。
司令官「現在我が部隊はここから1万7000km先の地点で防衛線を構築。できるだけ敵に物資の浪費を強要します。Ms.マリアは展開されている中央の防衛に入ってください」
広げていた地図で、帝国軍の位置より少し下に展開している自衛隊の部隊位置を見せながら、司令官は言う。
確かに中央ならば左右が危機になればすぐに駆け付けられる位置だった。
マリア「分かりました。では、すぐに向かいます」
司令官の指示を聞いてマリアは陣地へ向かおうとした矢先だった。
耳に突き刺さるような爆音と共に衝撃と揺れが起きた。
司令官「なんだ!?」
自衛官「失礼します!」
爆音と衝撃、揺れに驚いていると1人の自衛官が入ってきた。
自衛官「3万5000km先にいた帝国軍の地上戦艦が我が陣営に艦砲射撃を開始!同時に左右中央に帝国軍戦車部隊が全身を開始しました!!」
司令官「なんだと!?」
マリア(チッ、また出鼻を挫かれたみいね)
報告に司令官は驚き、マリアはまたも出鼻を挫かれことに舌打ちしたのだった。