リル「…かう?」
目が覚めたリルが目を開けると見知った顔が視界に写った。
響「リルくん!」
エルザ「目が覚めたでありますか!」
目が覚めたリルの顔を響とエルザの2人が覗き込んでいた。
リル「?」
上半身だけを起こして回りを見ると翼たちもいた。
みんな笑顔でいて、それを見たリルは戦いはどうなったかと考え出して、ある予想を立てていた。
翼「あぁ、お前が勝ったんだ」
クリス「よく頑張ったな!」
リルの考えを察して翼とクリスが言う。
リル「かう………」
考えが正しかったと分かり、リルはパタリと倒れ込んでしまった。
未来「リルくん!?」
倒れたリルに驚いて慌てて駆け寄る。
マリア「大丈夫よ。ただ寝ているだけだわ」
1番にリルに近寄ったマリアがスヤスヤと眠るリルを皆に見せながら言う。
切歌「気持ちよさそうに寝てるデスね」
調「うん。死力を尽くして戦ったんだから」
死力を尽くして敵のボスと戦った上に長い戦いで張り詰めた緊張の糸が緩んでしまったと言う。
すると後ろから何かが砕ける音がして振り向くと落ちていた小さいクリスタルを踏み砕いているスペースがいた。
クリス「お前!」
スペースを見て臨戦態勢を取る。
スペース「よせ。こちらに戦う意思は無い…」
臨戦態勢を取る響たちにスペースはそう言ってその場にドスンと座り、スヤスヤ眠るリルを見た。
スペース「ふっ、見事にしてやられた。負けたよ…地球人と兄者の絆、しかと見させてもらった」
両肩のクリスタルを破壊されて力が激減してしまったスペースは最後の戦いでリルが見せた地球人と怪獣の絆を見せつけられ、敗北を認めて言う。
ヴィズ「閣下!」
そこへ多数の兵士を引き連れたヴィズが駆けつけた。
スペース「ヴィズか…どうやら我は負けたようだ。全軍に停戦命令と地球軍に要請を出せ。その後、地球各政府に和平の用意があることを伝えろ。それと、レジスタンスに兄者たちを地球へ送り届けるように言っておけ」
臨戦態勢を取っていたヴィズや兵士たちにスペースは"戦うな"と手サインして指示した。
ヴィズ「し、しかし…分かりました」
反論しようとしたヴィズだったが、破壊されたスペースの両肩のクリスタルジェネレーターを見て、敗北を確信して指示を受け入れた。
スペース「これはこれで、歯ごたえのある戦いだった」
大の字に倒れてスペースは満足そうな顔をしていた。
響「……」
さっきまで戦っていた敵だったはずスペースの姿を見てある人物と響は重なった。
エルザ「負けを負けと素直に認める…まさしくガウに似た感じでありましたね」
どうやらエルザも同じことを思っていたようで響にそう言う。
響「うん…そうだね」
エルザに言われて響は頷いた。
こうして、第二次地球攻防戦における冥王星最終決戦は終結した。
帝国総統・スペースの停戦要請により帝国・地球との間で起きていた戦闘は全て中止された。
響たちはリュグロー率いるムサシにより回収され、ワープゲートを使用して地球へ帰還した。
戦闘終了時、世界各国は響たちの奮起で数や質で劣りながらも被害を最小限に抑えることができた。
またモスクワ戦で起きたザウラーと弦十郎の戦いを始め、全ての戦いには決着が付かなかった。
それから2週間後、帝国軍は総旗艦・ガルバスターの艦首を応急修理し、地球の永久中立地帯・南極に降下。
総統であるスペース自らが和平交渉を行い、帝国は太陽系の一部惑星と地球内にて帝国軍は占領した土地の一部に駐留軍を置くことを条件に全面撤退を了承した。
さらに地球=帝国との間で惑星間同盟やいくつかの条約が結ばれた。
後に『南極講和条約』と呼ばれるものである。
レジスタンスに関してはレジスタンスに所属する宇宙人たちの星々の独立を帝国は認めるわけではないが自治を認めた上で、保護国として傘下に入ったままとなった。
実際に帝国に支配されてから暮らしが良くなったという惑星がほとんどで、よほどのことが無い限りはスペースも滅ぼしたりはしないとのことであった。
ただし、サンドロスの場合はスペースの寝首を掻こうとしてわざと惑星を滅ぼす輩がいたことが分かり、地球から引き揚げた後、スペース自らが謝罪することにしていた。
スペース「では、そろそろ行くとする」
調印を終わらせたスペースは発進準備に入ったガルバスターに乗艦しようと見送り来た人物たちに言う。
スペースの見送りに来たのは車椅子に乗ったリルと一緒に来たエルザとエウル、響、未来であった。
リル「今度は侵略じゃなくて遊びに来てよね」
仲良さげにリルはスペースに言う。
生まれはどうあれ、自身と同じ血を引くスペースを多少なりとあの戦いで認めらえるようになっていたからだ。
スペース「ははは!そうするとしよう。あぁ、それと兄上、一つ教えておきたいことがあるのだが」
リル「なに?」
次の瞬間にスペースの発言に衝撃が走ることになった。
スペース「父上のことだ」
リル「父さんの?」
スペース「父上は生きている」
『!?』
"父上は生きている"、それはガウが生きているという意味に他ならなかった。
リル「それってどういうこと!?」
エルザ「そうであります!今の言葉はどういうことでありますか!?」
スペースの言葉を聞いてリルとエルザはスペースに詰めよって聞いてきた。
スペース「落ち着いてくれ。俺は父上の体から千切れた細胞から生まれた。だから感じるんだ。微弱だが、どこかで父上の気配を感じるんだ」
詰めよって聞いてきた2人を落ち着かせながら言う。
リル「それって、どこか分かる!?」
スペース「いや、分からん。微弱過ぎてどこかなのかまでは…だが、すぐに死ぬというほどでもない。何かに遮られているのか微弱にしか感じられないんだ」
リル「そうなんだ…ありがとう、スペース」
感じられるガウの気配が微弱過ぎて生きているまでは分かるがどこにいるかまでは分からないと聞いたリルは残念がったが、大切な人が生きているということが分かっただけでも嬉しさが爆発しそうになりながもリルはお礼を言う。
スペース「気にするな。では、しばしの別れだ」
お礼を言われたスペースはそう言って踵を返してヴァロルドとヴィズが待つガルバスターへ乗艦した。
スペースが乗艦してガルバスターは飛翔、ザウラー率いる地上部隊を収容した揚陸艦と母艦を含めた全艦隊を引き連れて地球を後にした。
エルザ「うぅ…ガウが…あの人が生きてた…」
スペースを見送ったエルザは泣き始めた。
死んだと思っていた最愛の人が生きてくれていたのが分かったからだ。
響「エルザちゃん…」
そんなエルザを響は抱きよせた。
自身も似たような感情があったからだ。
響「リルくん」
リル「かう?」
響「絶対にガウくんを見つけようね!」
リル「かう!」
響の言葉にリルは強く頷いたのだった。
宇宙大怪獣帝国は南極講和条約締結後、一部駐留軍を残して首都人工惑星 バランに帰還していった。
また、レジスタンスもマリアと翼たちの見送りのもと、それぞれの星へムサシと奇跡的に生き残った艦艇と共に故郷の星へ帰って行った。
響たちにとって長く厳しい戦いはようやく終わりを告げた。
しかし、すでに新たなる恐怖の計画が始動し始めようとしているのをまだ、誰も知る由はなかった。
?「ガルウォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!」
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現代まで伝えられる民間伝説『白銀の姫と
伝説がある温泉街にマリアは1人、休暇を取りやってきた。
しかし、伝説を探る謎の異星人と遭遇して事態は一変する。
そして1人の少女がマリアを導く時、伝説の雷獣が現代に蘇る!
次回、戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G
『伝説の雷獣編』
お楽しみに~♪