マジンガー動かせるとこ少ないじゃん?
だからなかなか先の展開が思いつかないんですよね・・・
はい、すみませんでした。遅くなりました。
物語を始める前に、少し皆さんに結末のヒントをあげましょう。
皆さんは物語についてどのような考えを持っていますか?
例えば漫画やアニメの世界。
これらはあなた達によって紡がれた夢の世界。そこに暮らす住人達は誰もが不思議な力や運命を持っています。
当然です。物語とは誰かの心にとどめて欲しくて紡がれる物。伝えたい思いを形にする為にも彼らには様々な「何か」がのしかかるのです。
そんな創作の世界を皆さんは文字通り好きにすることが出来ます。
ただ文を紡ぐだけで住人達を動かすことができる。
ただ記すだけで都合の良い物事を引き寄せる事が出来る。
ただ創造するだけで世界が進む。
天地創造。あぁなんと素晴らしい言葉だろうか。皆さんは誰もが神様となって「世界」を好き勝手に出来るのです。
しかしそんな物語を、多くの人々が胸の奥に閉まったままにしています。
何故、と問われればいくつも理由は出てきます。
大変
めんどくさい
恥ずかしい
照れ臭い
こんな都合の良い展開あるわけない
技術がない
妄想だけでいい。
なるほど、全て納得できる。
書くのは大変だし時には面倒に思うこともある。誰かに見られるのが恥ずかしかったり、厨二病と言われるのが怖かったりする事も、ご都合主義で想像しきれないところもあるだろう。
心を形にする事は、想いを文に乗せる事はとても難しい事です。
しかしそれでも、私はこう思うのです。
「形にしないままはもったい」、と。
駄文、つまらないと言われようと、
恥ずかしいと思ったとしても、
低い評価をもらおうと、
貴方達にはその世界を救う力があります。
貴方達には、その世界の運命を切り開くことが出来ます。
たとえ人々に否定されたとしても、あなた達の物語は生まれただけで救われるのです。
だから皆さんも、その力を使って見ませんか?
紡いで見ませんか。
そうでなければーーーーーー
生まれないままの世界は・・・ずっと救われる事はありません。
第1話 霧
「レイシフト成功しました。これは視界が阻害されるほどの状態です。霧?もしくは煙でしょうか。いえ、凄い濃度です……」
ロンドンについた立華一行は霧に包まれた大通りの真ん中にいた。
「空にはやはり、これまでと同じ「光の輪」を確認。しかしそれさえ、この霧または排煙のせいではっきりとは・・・・」
昼間であるはずの辺りは薄暗く、光さえも通さないような状態だった。電柱から時折揺れるように覗かせるガス灯はその効果をあまり成せていない。
「空を埋め尽くすほどの霧、煙それ自体は産業革命の頃には珍しくはないけど……」
かつての産業革命、その時代ではより多くのものを生み出そうという流れがあり暗やみの空にそびえる煙突からはとてつもない量の有害物質が流れた。
暗い中にロマンの声が響く。キーボードに指を走らせながらモニターの計器を見るとその数値ははどれも異常を記していた。
『いいや、ただの霧や煙ではないようだ。こちらでは異常な魔力反応として検出されている。凄い濃度だ。とても濃い。濃いな。いや、これはちょっと濃すぎるんじゃないか!まるで、大気に魔力が充満しているようだ。大気の組成そのものに魔力が結び付いたクラスだよ!生体に対して有害なほどのモノだよ、,これは・・・マシュ、立華君、体の調子は?」
「わたしは問題ありませんデミ·サーヴァントであるからでしょうか・・・。先輩はどうですか?様子は普段とそう変わらなく見えますね」
「あぁ、俺は大丈夫だと思う。一応兄貴に診てもらったけどルーンは何も無いって示してるらしい」
「この霧は俺たちにとっちゃ栄養だが坊主からしたらたまったもんじゃねえ・・・。サーヴァントを限界させる程の濃度、こんなもん下手したら弾け飛ぶぞ」
キャスターがルーンの文字を空中に浮かべて辺りを照らす。魔力の含まれる霧が作用してのことなのかいつもより輝きが強く感じる。
「良かった。ですが、できれば濃い霧には入らないで下さい。」
「立華君も異常なし、か。確かにバイタルの測定にもさしたる変動はないかな。」
マシュとドクターは安堵のため息と共に胸をなで下ろす。そんな中立華はこの特異点についてあることを考えていた。
(今回の特異点・・・マジンガーを出すことはないかもしれないな。町があるし下手に動かすと人が巻き込まれちまう)
今回の特異点はロンドンの街中。
マジンガーを動かすには邪魔なものが多すぎる。確かに必要な場面はあまりないかもしれないが切り札を失ったのは大きい。
そう考えているとーーー
「なんだこの有様は!!!?」
横から大声が響いてきた。
「ね、ネロ?どうした一体?」
「どうしたもこうしたもではない!なんだこの有様は?ここがロンドン?婦人にとっての憧れの街?ブランド店は?!スコーンは!?」
「いや遊びに来たんじゃないよ?!」
思わず突っ込んでしまった立華はある意味仕方ない。これからさあ世界救うぞというシリアスな場面でこの台詞なのだ。予想外にも程がある。
「そうですよねろさん・・・私達は遊びに来たのではないのですよ?」
「そうそう、清姫の言う通ーー」
「新婚旅行に行く場所になるかもしれない場所!もっと真剣に見極めなさい!」
「今日も絶好調かよ畜生!」
よりにも寄ってこの二人、世界を救う救えないの場面でこの有様である。清姫の言葉に衝撃を受けた様子のネロは顔に影を作り背中に稲妻を浮かばせた。
違う。そもそも真剣になれよお前達。
「二人とも・・・いくら好調が続いてるからといって気を緩みすぎたらダメだろ。今回はマジンガーも使えないしどんな現状かもわからないんだぞ?」
「何を言うリツカよ!この余が側にいると言うのに何を心配すると言うのだ!魔神が使えないと言うのなら仕方ないと諦めよ!なぁに、大船に乗ったつもりで安心せよ!」
「ねろさんの言う通りです旦那様?それにここ最近は旦那様にとって危ない事が多すぎたのは事実。しかし私、これでもさあばんと。旦那様の為ならたとえ火の中マグマの中!」
そう言いながら二人同時に鼻息を吐く様子を見た立華は思った。
あぁ、昔の人って強いなぁ・・・・と。
「街路沿いに確認できる限りでは建物のすべての戸や窓が閉められています。おそらく、犠牲者が発生した後生存者が屋内へ避難したものと考えます」
「街に人がいないのはそういうことか……」
『こちらでも、確かに周辺の建物に生体反応を相当数確認している。生き残ったロンドン市民だろうね。皆、屋内から出られずに困っているんだろう・・・』
予想通りと言うべきかロンドンの住人は全員室内に閉じこもっていた。
立華一行が歩き始めて十数分、未だに町で動くものは見当たらない。解析した情報によると人は全員室内にこもって霧をやり過ごしているらしい。しかし被害は今も拡大していて生命反応は着々と弱まっているらしい。
「急がないと・・・」
そんな状況に立華は焦る。焦りを浮かべる立華を心配してなのかマシュが言った。
「わたしたちが聖杯を入手·破壊すればこの異常なロンドンの存在そのものが修正されます。ですから、きっと..この霧で命を落としたはずの市民たちも屋内で霧から逃れている市民たちの存在も被害さえ存在しないことになります。ですから その ですね、ええ、と……」
「・・・ありがとうマシュ。心配してくれて」
でも、と立華は続ける。
「でもここにいる人たちは「今」苦しんでいる。無かったことになるにしてもそれを放っておいたら何つーか・・・スッキリしないだろ?」
考えても見てほしい。道の真ん中で果物を落とした老人がいたら拾ってあげたくなるだろう。電車で妊婦がいたら席を譲ってあげたくなるだろう。
つまり何が言いたいかと言うとだ。
「つまりは良心が痛むのでしょう?本当、お優しい」
「どうせ人を助けるんだ。それならあとぐされなく終わりたいよな」
そういうと再び立華は歩き出した。その背中をマシュは心配した目で見つめたがやがて振り払い後に続いた。
(先輩・・・どうか背負い過ぎないでくださいね)
「なんだお前達、こんな所で・・・父上⁈」