やはり私たちの関係はまちがっている。 作:お茶
私の名前は比企谷 凛。慧心学園に通う小学5年生だ。
現在、私は女バスのマネージャーをしている。自分の好きなものを共有でき、同学年の友達を作りたいというきっかけではじめたが、部員は全員上級生ということで、同学年の友達を作るという願いはかなわなかったが、部員は皆、優しい人たちなので、少しほっとしている。部活の練習環境も悪くないし、部員のやるきもある。一つだけ懸念点を上げるとしたら、教えるコーチがいないということだ。
部員に内緒で私は教えられるコーチがどこかにいないかと探し始めた。母にそのことを相談すると、バスケの経験がある兄にやってもらったらどうだという話をされたので、私は勇気を出し、兄にそのことを相談することにした。
「実はお兄ちゃんに相談事があるの」
「何だ?恋人ができたのか?俺はまだ認めないぞ」
「そ、そんなひといないよ~!?今日は別の話をしにきたの!」
「なんだ……そうだったのか。それで何の話だ?」
私に彼氏ができたとしたら、お父さんが半狂乱になるのは間違いない。
「私が女子バスでマネージャーをしていることはしってるよね?」
「ああ。母さんが自慢げに話してたからな。何かあったのか?」
「お兄ちゃんはバスケの経験があったよね?」
「一応あるが………」
私は断られると歌も知れないと思いながらも、兄に頭を下げた。
「私たちの部のコーチをしてほしいの」
「まだいきなり急な話だな………ほかにやるやつはいないのか?」
「もうそれを探している時間がないの………」
「どういう意味だ?」
私は兄にすべての事情を話した。コーチが必要になる理由。時間がないことに関する理由。一週間後の試合で負けるとどうなるかの事情をすべて話した。
「これが全部の理由。一週間だけでもいいから、コーチをしてもらえないかな?」
「俺にお前たちを教えられるとは思えない」
「大丈夫だよ。お兄ちゃんなら」
「何でそういいきれる?お前たちに間違った知識を植え付けるかもしれないぞ」
私は兄の手をやさしく包み込んだ。
「お兄ちゃんは間違ってない。考え方も行動も人とは違うけど、私は決して間違っているとは思わない。それに………ここから新しいスタートを切ろうよ」
「凛………」
「それに今度は大丈夫。私もいるし、お兄ちゃんが間違えそうになったら、私が全力で止めてあげるから」
「お前たちの力になれるかわからんぞ」
「駄目なときは駄目。絶対に勝ってほしいなんて、無責任なことはいわない。お兄ちゃんはお兄ちゃんのやり方で私たちを指導してくれればいい。私はマネージャーとして、コーチであるお兄ちゃんを全力で支えるから」
今まではただ見ていることしかできなかった。間違えていく兄の姿をとめることができずに傍観していることしかできなかった。
でも、兄が引き受けてくれれば、私は兄が間違えたとしてもとめることができる。今までと違い、傍観者ではいることなく、ちゃんと兄の手をつかむことができる。
「わかった………一週間でいいなら引き受ける」
「ありがとう。お兄ちゃん」
私は兄がコーチを引き受けてくれたこと、それがとてもうれしく、その日のうちに部員に新しいコーチが来ることを伝えた。
そして翌日のこと。私は校門の前に待ち合わせをし、兄がやってくると、私は練習場所である体育館まで案内していた。
「お兄ちゃん、今日はありがとう」
「妹の頼みだからな、普通は断れないだろ」
私の兄は妹を何よりも大事に思ってくれている。
「今日は奉仕部………だっけ?それは休んでも、大丈夫なの?」
「顧問に事情は話してきた。一週間なら休んでもかまわんっていわれた」
「ごめんね………なんか迷惑かけちゃった?」
「いいや。あそこにいても、特にすることもないし、妹の頼みのほうが優先度は高い」
兄は今年になってから部活動を始めた。名前は奉仕部というらしいが、一体どんな活動をするのだろう。
「それより、あいつらは試合のことは知っているのか?」
「知ってるよ。強いコーチで一気にレベルアップだって張り切っている人もいるし」
「なんだ、それ………現実はゲームとは違うんだぞ」
「そうなんだけどね。それを伝えるのが難しいというか………」
コーチが来ることで部員のテンションはあがっていた。ちなみに私の兄であることは伝えていない。
「なにのせよ、一週間の関係だ。うまくいっても、いかなくてもそれでさよならだ」
「そうだね………」
兄と一緒にできるのも一週間だけ。自分でいいだしたのもあれだけど、その時間がすごく短く感じる。
「一緒にがんばろうね!お兄ちゃん」
「お前はマネージャーだろ。がんばる部分はほかにあるとおもうが………」
「マネージャーだけど、お兄ちゃんの妹でもあるんだもん。妹ががんばっているところは近くで見てほしいな」
「お、おう………お前、だんだん小町に似てきたな………あざといし」
両親からは姉とは似てないといわれているが、兄から見るとにているようにみえたのだろうか。
「もう部員は集まっているのか?」
「うん。もう集まってると思うよ」
体育館に到着すると、私は体育館の重い扉を開いた。
『お帰りなさいませ!ご主人様』
私は目の前の光景をみると、一つの疑問を感じずにはいられなかった。
(この人たち………何しているんだろう?)