転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。   作:逆立ちバナナテキーラ添え

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日間ランキング29位とかこわい(驚愕)

ありがとうございます!!

クッソどうでもいい閑話。

どうぞ


閑話:White Lily

 何が間違っていたかと聞かれても、はっきりと答える事は出来ないだろう。

 

 日頃の寝不足か、溜まったストレスか。未だに残っている中途半端な甘さか。何にせよ、私には答えることなど出来ない。

 

 いつも通りに皆殺しにして、いつも通りに全て壊した。凡そ楽しいという訳でもない仕事を淡々とこなして、飼い主の元へと戻ろうと思っていた。そしてまた新しい仕事を受けて同じことを繰り返す。生きてる奴は殺し、死んでる奴は潰して跡形も無くす。そういう単純作業を幾度と無く、機械のようにこなす。いや、実際機械なんだ。私はただの暴力装置だ。別にそれを悲観している訳では無いが、今さら再認識するというのも馬鹿馬鹿しいと思った。

 

 私が飼い主の殺意を出力して破壊した施設は火に包まれていた。そこにいた人間は漏れなく死に絶え、原型を残す物は無かった。調整槽に入れられていた子供(モルモット)たちは私が来ると同時に処分された。ボタン一つで調整槽から真っ赤などろどろとした液体が放出されて、生命を維持出来なくなる。ここにいたのは失敗作の烙印を押された子供たちだ。人に造られ、その悪意に晒され、その身を弄くり回され、挙げ句棄てられた生命たち。

 

 同情も、哀悼もしなかった。可哀想、と言ってしまえばそれまでだし、既に死んでしまったこの子たちに何かしてやれる事なんて私にはない。強いて挙げればこの子たちを弔ってやることぐらいだが、何時までもこの場に長居する訳にもいかない。そして、何よりもこういった事に慣れている、慣れてしまったというのが一番大きい。

 

 「ミッション完了、これより帰投する」

 

 飼い主に一報を入れて、拠点へと戻ろうとした。その時、生体反応を感知した。ごく僅かな、微弱な物だったが、確かに誰かが生きていた。オーダーは皆殺し。仕事はきっちり終わらせなければならない。

 

 その生き残りの方へと足を進めていく。子供(モルモット)は全て処分された筈。生きているとしたら、この施設にいた変態ども(研究員)しかいない。しぶとい害虫のようだ。生命力だけ一丁前に持っているだけの無価値な存在。そんな物は生かしておいてもろくな事がない。全て駆除するに限る。

 

 反応があった部屋は私の予想とは反していた。そこは子供たちが収容されていた部屋だった。そして今尚、生体反応は感知されている。研究員がここまで這ってきたのだろう、そう思って部屋の中に入った。

 

 赤い液体は血のようで、鉄臭さの代わりに薬品のツンとした臭いが鼻を突いた。積み上げられた屍の山は炎で赤く照らされていた。それはある種の美しさを感じさせ、この炎と共に子供たちは天に昇っていくのだろう。そう私に思わせた。

 

 だが、研究員はいなかった。何処にも大人の体は無く、見渡す限り子供の屍ばかり。誤作動だろうか?しかし、今も生体反応は私のいる部屋を指していた。屍の山に隠れているのだろうか?

 

 「うぅ……」

 

 その時小さな、本当に小さな呻き声をマイクが拾った。その声の先にライフルの銃口を向け、生き汚い塵芥の姿を確認しようとする。

 

 そこでも私の予想は裏切られた。それは少女だった。天使のような銀髪を赤く汚し、閉ざされた双貌で私を見据え、手を伸ばす少女がいた。

 

 柄では無いと思う。何を間違ったのだろう。今でも何故、あんなことをしたのかと考えることがある。

 

 きっと疲れていたのだろう。その子を抱き上げ、正義の味方に呪いを植え付けた男のような文言を吐き、拠点へと帰った。

 

 きっと飼い主にキツく当たられるだろうと思っていた。もしかしたら、またモルモットにされるかもしれない。その時は私が殺してあげよう。そう思いながらずっと少女を抱き締めていた。

 

 意外なことに飼い主は私に何も言わなかった。その少女を調整槽へ入れて、ナノマシンを注入し治療を開始した。結果として少女の命は助かった。その視力と心肺機能を生体同期型ISで補うことによってだが。

 

 少女の意識が戻った時に聞いた。死にたいなら今ここで直ぐに殺してやるがどうする、と。少女は生きたいとはっきり答えた。何処か安心する自分がいた。

 

 その後、私はその少女に名前が無いことに気付いた。飼い主にその旨を伝えると私が名前を付けるべきだと言われた。少女もそれを望んだ。だから名を与えた。何も特別な意味はない。ただ、頭に浮かんだだけの物を繋げただけの安直な付け方だった。適当、と言ってしまえばそうなのかもしれない。だが、私はそうした。

 

 クロエ・クロニクル。

 

 あの子には特別になんかなって欲しくないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇

 

 私はお父様に嫌われているのでしょうか?

 

 そう聞くと束様は首を横に振り、私の頭を撫でてこう言う。

 

 『くーちゃんは愛されてるよ。誰よりもいしくんに愛されている』

 

 私にはそう思えない。お父様は私を避けている。あからさまにだ。お父様がラボに帰ってきた時、私が出迎えると酷く悲しそうな顔をして自室へと行ってしまう。そして何度も言うのだ。

 

 『私を父と呼ぶのを止めなさい』

 

 『私と関わるのを止めなさい』

 

 『君の為にならない』

 

 とても悲しい。お父様にそう言われると涙が溢れて止まらなくなる。確かに私とお父様は血が繋がってない。それどころか私はマトモな人間ではない。私は造られた人間で、本来生きてる筈のない人間だ。あの日、お父様に助けて貰わなければ私はここにいなかった。

 

 

 

 

 目を覚ますとそこは地獄だった。私は誰かの死体の下敷きになり、私も誰かの死体を下敷きにしていた。調整槽から放り出された私たちは山積みにされて、燃え盛る炎に囲まれていた。いつか処分されるとは思っていたけれど、こういう形になるとは思わなかった。

 

 もう、指一本動かせなかった。身体は重く、適合しなかった眼は霞み、炎は私をじりじりと焦がしてゆく。

 

 出来損ないの私には相応しい最期かもしれないと思った。完全になれなかった、欠陥品はこうやって乱雑に棄てられ焼却される。ありがちだ、と思う。まるで安いSFのようだと。出来の悪いロボットをスクラップにするように、私もこの有り様だ。

 

 悔しいとは思わなかった。そう思う余裕が無かっただけかもしれないし、悔しいという感情が分からなかったからかもしれない。でも、ただ唯一気になったことがあった。この惨状を招いた元凶は何なのだろうかということだ。研究所の職員である可能性は無い。わざわざ施設をこんな風に破壊する必要が無いし、同じ職員を殺す必要も無い。そしてその元凶は私の目の前に現れた。

 

 まるで死神のようだった。夜の闇を固めたような純黒。全身装甲(フルスキン)のISが悠然と私たちが棄てられていた部屋に入ってきた。それは何かを探しているようだった。何を探しているかは分からなかったけど、部屋の中を物色していた。

 

 どうせ死ぬのだ。この死神の探し物を手伝ってから死のう。そう思った。死神も神という字が入るのだ。神様の手伝いをしてもバチは当たらないだろう。そんな破れかぶれで声を出そうとした。しかし、誰かの下敷きにされていた私は小さな呻き声しか出せなかった。

 

 それでも死神は私を見つけた。そして、私を抱き締めた。理解が追い付かなかった。死神に抱擁される理由も無いし、探し物を止めてするほどの事ではないと思った。だが、死神は私を抱き締めてこう言った。

 

 『生きてる……あぁ、生きてる……!!ありがとう……生きててくれて、ありがとう……』

 

 それが私とお父様の出会いだった。

 

 

 その後、私は束様のラボで治療を受けて一命を取り留めた。後から束様から聞いたことだが、私が目覚めるまでの間お父様は私の側で手を握ってくれていたそうだ。

 

 お父様は目を覚ました私にこう聞いてきた。

 

 『君がもし……これ以上生きていたくないというのなら、辛いと思うのならば……私が今ここで君を殺そう。君はどうしたい?』

 

 私は生きたいと答えた。せっかく助けて頂いた命。その恩人の為に使いたいと思った。私の答えを聞いたお父様は少し安心したような表情をしていた。その後私はお父様に名前を頂いた。お父様は束様に任せようとしたが、私はお父様に付けて欲しかった。

 

 そして私は、クロエ・クロニクルは生まれた。

 

 

 

 

 

 そしてお父様は私を避け続けた。

 

 クッキーを焼いてみた。お父様に食べて欲しくて、生まれて初めてお菓子を作ってみた。ラボにあるお父様の部屋に持っていった。

 

 『束に渡してくるといい。彼女も研究で頭を使うだろう。糖分が必要だ。さぁ、行きなさい』

 

 料理を作ってみた。お父様に食べて欲しくて、お父様が好きな物を束様に聞いて作ってみた。

 

 『束と一緒に食べなさい。私はお腹が減っていない。それに今から仕事だ。それと、私を父と呼ぶのを止めなさい』

 

 マフラーを編んでみた。お父様が風邪を引かないように、寒い場所でも平気なように。世界中を飛び回るお父様が少しでも健やかに過ごせるように。

 

 『束に渡しなさい。私は余り風邪を引かない。だが、束は自己管理を疎かにする傾向がある。それと、何度も言っているが私を父と呼ぶな。私は君の父親ではないよ』

 

 

 

 何度泣いたのだろう。何度、恨めしく思っただろう。何故私を避けるの?何故私を突き放すの?何故私を見るたびに悲しい顔をするの?私はお父様にとって邪魔な存在なの?それならどうして私を助けたの!?それなら、どうして魘された時、手を握ってくれたの!?それならどうして、どうして、どうして!!

 

 何よりも悲しいのは私のことでお父様と束様が喧嘩をすることだ。夜、ラボのリビングから束様の怒鳴り声が聞こえてくる。何を言っているかは分からないが、私の事であることは間違いない。

 

 『私はお父様に嫌われているのでしょうか?』

 

 私が造られた存在だから嫌われてるのだろうか?私が不出来だから嫌われてるのだろうか?そう思う度に私の心臓(コア)が痛みを覚える。

 

 『ううん、くーちゃんは誰よりもいしくんに愛されてるんだよ』

 

 『ではどうしてお父様は私を避けるのですか?私は何かお父様の機嫌を損ねるようなことをしてしまったのでしょうか?何故、お父様は私を見る度に悲しそうなお顔をされるのでしょうか……何故、お父様は……帰ってこられないのですか……?私は……お父様に……』

 

 言葉を上手く繋げなくなる。考えたくも無い事が頭を過る。私はお父様に棄てられたのではないか、と。すると束様は私を抱き締めた。あの日のお父様のように。

 

 『そんなこと無いんだよ……くーちゃんは何も悪くないよ……誰も悪くないんだ、誰も……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今、お父様はIS学園で教師をされている。束様の妹、箒様と一夏様の護衛や束様の協力者である轡木十蔵様の補佐等のお仕事の為、数年前から学園に勤められているらしい。

 

 たまに、束様が学園のシステムに侵入してお父様や箒様たちの様子を見てるのを一緒に見させてもらう時がある。ディスプレイ越しのお父様は私が見たことが無いような笑顔で生徒と談笑したり、同僚の方とお酒を飲まれたりしている。とても優しい表情で授業をしたり、楽しそうにご飯を食べたり。

 

 それを見てとても安心した。お父様が元気そうで、私の前で見せるような悲しい顔ばかりでは無いと分かったから。私はお父様に会えなくても良い。こうして遠くから元気なお姿を見れれば、それでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけど、ほんのちょっぴりだけ、寂しく感じる時がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇

 

 「いしくん、ちょっと話があるんだ」

 

 「悪いが今度にしてくれないか?補給も終わったから、私はセーフハウスに戻るよ。もう遅い、君も早く寝るべきだ。コーヒー美味しかったよ……」

 

 「どうして、くーちゃんを避けるの?」

 

 「……」

 

 「知ってるでしょ?くーちゃん毎晩泣いてるんだよ?私に毎日聞いてくるの、いしくんに嫌われてるのかって。どうしてくーちゃんから遠ざかろうとするの?」

 

 「さぁね。遠ざかった覚えも、近付いた覚えもない。そんなことを言われても困るよ」

 

 「ふざけないで……」

 

 「ふざけてなんかないさ。もういいだろう?私は……」

 

 「ふざけないでよ!!きちんと答えてよ!!あんなの……あんなのは、あんまりだよ……。どうしてくーちゃんが作った料理も、お菓子も食べてあげないの!?どうしてあの子を受け入れてあげないの!?どうしてあの子の全部を私に向けようとするの?あの子が本当に誉めてほしいのは私じゃ無いんだよ!!君なんだ!!マフラーを巻いてほしいのも、料理を食べてほしいのも君なんだよ!!」

 

 「……」

 

 「それともなんだい?あの子の出自のことかい?自分で助けておいて、今更人造人間だなんて……」

 

 「黙れ……。いくら君でもそれ以上は許さない」

 

 「……ねぇ、何であの子を遠ざけるの?君は今、私に本気で怒ったよね?なんとも思ってない相手のことで怒るほど君は直情的な性格じゃない筈だよ?知っているよ。君があの日、あの子の意識が戻るまで手を握って側にいたこと。夜中、あの子が魘されている時も手を握って子守唄を歌ってたこと」

 

 「見間違いじゃないのか?」

 

 「その言い訳はさすがに苦しいよ?いしくんはさ、親に理解されない気持ちって分かる?」

 

 「分からないな」

 

 「すごく寂しいんだ。自分の成果を誉めて貰おうと思ってもね、理解出来ないから評価されないんだ。喜ばせようと思ってやったことで怒られたり、周りの人に理解されなくてもせめて親だけはと思っても、周りと同じように私を夢見がちな女の子としか見なかったんだ。何て言うか、それがすごく寂しかったんだ。でもね、それってまだ認識されて、言葉を交わせるから寂しいで済んでいるんだよ。まともに話すことも出来なくて、拒絶されているくーちゃんはもっと辛いと思う。私はいしくんがくーちゃんのことを誰よりも愛してるって分かる。あの日、くーちゃんを連れて帰ってきた時気付いてないかもしれないけど、いしくん泣きそうな顔してたんだよ?だからさ、教えて欲しいんだ。どうしてそんなにくーちゃんを拒絶するのか」

 

 「……もう、何人殺したか覚えてない」

 

 「……」

 

 「死んでしかるべき人間もいた。そうじゃない人間もいた。君の猟犬となって殺してきた人間の数なんて覚えてないし、数えてすらいない。それを悔やんでる訳でもない。私はそれを、君と契約し雇われて、合意の上でやっているんだ。凡そ、そういう金で人を殺す最低の人間なんだよ、私は。君も分かるだろう?」

 

 「それは……いや、そうだとしても……」

 

 「いや、私がそういう人間である事実は変わらないよ。戦争の犬、殺し屋、傭兵。言い方は多々あるが、私は戦争で、人死で飯を食う最低野郎さ。好きに生きて、理不尽に死ぬ。そんなクソッタレだ。そんな奴をあの子は父と呼ぶんだ。全くふざけているだろう?あの子を作り出した連中と似たり寄ったりの、ろくでなしの私を父と呼ぶんだ。これほどつまらない冗談はないよ」

 

 「どういうこと?」

 

 「君は今の世界が美しいと思ったことはあるかい?」

 

 「いや、汚いよ。汚物でまみれてるよ」

 

 「そうだ。確かに醜悪で見るに絶えない物ばかりだ。でも、それと同じぐらい尊い物で溢れている。涙を流すほど綺麗な夕焼けや、息を飲むほどに雄大な山々。汚い物にまみれたこの世界で宝石のように輝く善き人々。あの子は──クロエはそんな物を見るべきなんだよ。人の欲と悪意で生み出され、それに晒され続けてきたあの子にはそれが必要だし、相応しい。私のような血生臭い男ではなくね。親と呼ぶにしろ、私より君の方がまだマシさ。それに私にはあの子に父と呼ばれる資格など無い。だから私はあの子と距離を詰めないんだ。あの子の為にならない。あの子はもう、汚い物に触れなくていいんだ」




いつから、毎回語録が入ると錯覚していた?

やったね!!ルートが解放されたよ!!

・人類種の天敵ルート

正義の味方(イシイ)ルート

麻婆が美味くなる。(確信)

まぁ、やりませんが。

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