機動音伝士ヴァーヴォルガンダム   作:折井昇人

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プロローグ

 宇宙世紀。それは、人類が生まれ育った地球から宇宙へと旅立った時代。だが、その時代はあまりにも地球を破壊し、また、人類をも破壊した。地球に住む人類、アースノイドは宇宙で暮らす人類、スペースノイドをゴミだと思い、宇宙の大地であるスペースコロニーや月面都市を破壊した。しかし、それはスペースノイドも同じのこと。スペースノイドもまた、己の故郷である地球を破壊した。

 互いが互いの生活を奪い、生を奪い、そして死を与える。宇宙世紀というのを人類の新たなる時代の幕開けだと信じていた人間は、どう思っているのだろうか。

 それは、今の時代となっては分からないものだ。

 だが、人類には課題が与えられた。

 生きなければならないという課題を。

 人類は次に未来世紀という時代に移行した。そこでは、代理戦争による国家同士の争いがあったが、その代理戦争も長くは続かなかった。そして始まる、宇宙世紀時代と同じような、愚劣な戦争。疲れ切っていた地球は、更に疲弊を増して、遂には人類を地球から追い出した。当然の結果である。

 地球連邦政府が崩壊して既に800年あまり。

 次の地球連邦を名乗る軍隊「コロニー国家議会軍」と、宇宙全域の自由を求める「ヴァーヴォル宇宙同盟軍」による戦争が起きた。後年、それは「ヴァーヴォル戦争」と呼ばれるようになる。戦争はそう長くは続かなかった。開戦当初は通常のMS「ノーマルモビルスーツ(NMS)」ではなく全く新しいモビルスーツ「ヴァーヴォルモビルスーツ(VMS)」の運用によって、同盟軍が議会軍を押していた。だが、それで戦力を引く議会軍でもなく、強行作戦を取った。

 どちらにも協力していなかったレジスタンス組織「明けの明星」との共同戦線である。当然、明けの明星はそれに反対。しかし、議会軍の強固で圧力的で制圧的な姿勢に、明けの明星は了承。戦線を共にすることになった。

 戦争はそこから終結という良きエンディングに向かって行った。しかし、それが全ての始まりでもあった。それは、人類を滅びの道へと誘われる案内にしか過ぎなかったのだ。

 だが、この宇宙世紀と未来世紀に次の時代であるR.G.S、つまり「リバージング・センチュリー」で、人類は生きなければならないのだ。

 それを邪魔する相手が、たとえ神にも悪魔にも近い存在であったとしても……。

 時はR.G.S.0043年9月3日。一人の少年が、一機のモビルスーツと出会う時、人類は世界との戦いが訪れる。

 そのモビルスーツの名前は――

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