私/俺のヒーローアカデミア   作:真暇 日間

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わたおれヒロアカ13

 

 相澤先生の所に行く前に、梅雨ちゃんと峰田君を外に放り出して助けを呼んできてくれるようにお願いした。ちなみにかける電話番号に校長の携帯電話の番号とオールマイトの携帯電話の番号を交互にかけるように言っておいたけど、さてどっちが先にかかるかな?

 その上で戻ってみると、相澤先生がかなり追い詰められているようだった。黒い脳味噌……脳無(のうむ)と言うらしいけれど、何とも皮肉だよね、この名前。

 

 顔面を地面に叩きつけられ、右腕が握り潰されるような形で圧し折られ、歪になっている。

 ほんと、力だけならかなりの物だよね。オールマイトの全盛期を直接見たことは無かったけれど、多分それに匹敵するんじゃないかな? まあ、力を振るうしかできない相手なんてどうとでもできるけど。

 それに、どうもあいつは命令が無いと何にもできない、まさに脳無と言える存在みたいだ。それに超再生の個性も何もないところから肉を作って再生している訳じゃなくて、限度があるのは間違いないようだからさっさとその限度をいっぱいいっぱいまで使い切らせてしまえば結構どうとでもなるんじゃないかなと思う。

 

 まあとりあえず、相変わらず相澤先生を痛めつけている脳無の腕を斬り落とす。ついでに腰から上を斬って、上体だけになった脳無を蹴り飛ばす。

 

「相澤先生、生きてます?」

 

 凄まじく死にそうな状態だけれど、まあ死にはしないだろう。まだ顔は潰れきっていないようだし、腕も片方残っている。脚は……打撲はあるけど折れたりはしてない感じかな?

 向こうでは13号先生が自分の個性で自分を塵にしちゃったみたいだけど、阿保だよね。普通自分の個性が自分を傷つける可能性があるんだったら身体から鍛えると思うんだけど。……あ、そっか、13号先生は個性の火力が阿保みたいに高いんだっけ。身体をいくら鍛えても関係なく塵にしちゃうんだったら、そりゃあ身体を鍛えたりなんてしないか。

 

「み、どりや……逃げろ……っ!」

 

 後ろから、高速で再生した脳無とか言うのが襲い掛かって来るのを受け流す。力だけは強いせいで受け流した後は自分の力だけで見事に吹き飛んでいく。流石に後頭部のうっすい筋肉であの威力の拳を受け流すのは難しかったけれど、まあできなくはない。それに、一度直接受けてみたからわかるんだけれどあれくらいだったら多分眼球でも受けられそうだ。流石に筋肉すり抜けから内臓直撃はきついと思うけど。

 だがすぐに黒い靄から吹き飛んでいった脳無が飛び掛かってくる。13号先生が負けたのが痛いかな。私は多人数の必殺技持ちの相手は流石にしたことないからなぁ……。

 

「……なんだお前。なんで脳無に殴られても生きてんだ?」

「名前の通りに虚弱貧弱無知無能だからじゃないかな? えっと……ごめん忘れた。上から目線で口だけ出してる特に何しに来たのかわからない相手に割く記憶領域がもったいなくてさ」

 

 とりあえず挑発。鑑定解析の結果、どうも子供みたいな性格をしているみたいだからその辺りを突いてみた。

 その効果は抜群のようで、大半が手の剥製に隠れた顔に青筋が浮かぶのが見える。言葉で怒らないようにするのは大切だと思うけれど……私が言えたことじゃないか。かっちゃんの事を言われるとついつい加減ができなくなるくらい怒っちゃう私が言えることじゃない。自覚はあるけど直せないのが厄介極まりない。

 ちなみに実際には凄く詳しく知っている。幼い時のトラウマやらオール・フォー・ワンとの出会いやらヒーローに対しての憎悪やら、そう言った私にとってはどうでもいい感情についても大量に。鑑定解析は凄く便利な個性だね。覚えてよかった。

 ただ、長生きすぎる人に使うと情報量が多すぎて数瞬から数秒ほど止まるみたいだし、相手次第では使う状況も選ばないと困ることになりそうだ。

 

 ……さて、それじゃあ戦おうかな。逃げようにも逃がしてくれそうにないし、私がここで逃げちゃうと相澤先生が死んじゃいそうだし、ついでに私とかっちゃんを引き剥がしてくれやがりくさったあの黒靄には落とし前付けてもらわないと。具体的には命……と言いたいところだけど、流石にこの状況で命はちょっとね。

 一番相手したくないのはあの黒い霧の奴かな。脳無の方は受け流せるし、手の奴の崩壊は多分対個性で無効化できるだろうけど、黒い霧の奴がゲート作って切断されたら流石に斬られそうで怖い。

 だから速いところ気絶させるか吹き飛ばすかしておかなくちゃね。

 

 縮地で黒霧の胴体に触れて、発勁を叩きこむ。命令がないと動けない脳無は私を倒すように言われているから黒霧も志村転弧も守ろうとはしない。だから脳無って言われるんだよ。

 即座に志村転弧にも同じように左の側腹部に手を当てて発勁。黒霧が崩れ落ちるより早く、それこそ瞬きよりも速くの行動だけれど、流石に時間停止まではやっていない。止まった時間の中を動き回るほどの速度は流石に身体への負担が大きすぎるし、急加速急減速急停止を繰り返すのはあまりよくない。できるけど。一番負担が大きいのは靴だね。まだ気の通りがよくないからひょっとすると壊れてしまうかもしれない。

 そして脳無。生半可な打撃は効かない上に凄まじい筋力を持ち、再生能力すら保有する対オールマイト用の超高性能なサンドバッグ人間。発勁じゃあ衝撃を吸収されて恐らく効かないし、殴り飛ばすことはできるかもしれないけれど吹き飛ばしただけだと私に向かってくる可能性がある。じゃあどうするかと言えば、まあこれしかないよね。

 

 南斗凄気網波。爪で空気を切り裂くことで真空波を大量に作り上げて切り裂く技らしい。流石に首とか心臓とかまで斬る訳にはいかないから、そこら辺の狙いは外して肩とか大腿とかそういう所を斬り捨てる。細切れにするより同じ場所を何度も繰り返し切り裂いて斬り落とした方が効率的だと思うんだよね。

 まあ、この速度だと実際に時間が止まるほどの速度ではないけれど、周りは止まったように見えるよね。だからこそこんなふざけたことも言えたりする。

 

「そして時は動き出す」

 

 

 

 

 

 心配が的中していたことに頭を抱えそうになった。俺が広場に戻ってきた時、まるで古い映画のコマを飛ばしたかのように一瞬にして(ヴィラン)が凄まじいことになった。

 ワープ野郎と手の奴は横に回転して血反吐を撒き散らしながら吹き飛んでいった。そして脳味噌野郎は一瞬で手足を切り刻まれて達磨のようになって、何度も何度も再生しようとしては切り裂かれている。

 

「……あれ、緑谷の個性って身体能力の増強じゃ?」

「いつあいつがそんなこと言ったよ。そもそも正確なあいつの個性とか俺も知らねぇ」

「幼馴染なんだよな?」

「何年一緒に居ようとわかんねえことだってある」

 

 分からなくていいこともある。わかってはいけないことだって、ある。

 とりあえず、デクが守ってる先生を拾って引き上げよう。ここにいられるだけでデクは選択肢が減らされるしな。

 

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