私/俺のヒーローアカデミア   作:真暇 日間

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わたおれヒロアカ5

 

 かっちゃんを私の身体に溺れさせたあの日から半年。私とかっちゃんは今日も雄英に合格するために訓練をしていた。

 かっちゃんの場合、破壊力は個性を使えばいくらでも出せるけれど、私は外では無個性と言うことになっている。だから体術系統を頑張っているのだけれど、今までの方針のお陰かかなり覚えがいい。一日の中で朝に起きて食事をして学校に行ってちゃんと寝て、と言う行動をしているのだけれど、自由時間の大半を訓練に当てて、しかも『一日に30時間の訓練と言う矛盾を訓練の密度を上げることで実現する』と言う無茶を、ひたすら頑丈かつ健康にした身体の強度に頼った方法で実現している。ちなみに最近回復速度やより深い怪我の修復を可能にしたし、超回復によって上昇する筋力等も割合を上げた。そのお陰で未だに健康に過ごすことができている。

 それ以外にも、新しい個性として『対個性』を手に入れた。これは私以外のありとあらゆる個性に対して無効化あるいは効果の低減を行うもので、害する効果も得になる効果も受けられなくなると言う融通のきかなさからあまり経験値の消費量は多くなかった。

 ただ、この『対個性』はかなり使い勝手が良くない。今のところオンオフはきかないし、炎や冷気と言った物理現象を操るような個性、相手の身体能力の強化や異形型の個性は無効化できない。『対個性』の効果が十分に発揮されるのは、私自身に直接影響のある個性に限られるようだ。

 具体的に言うと、洗脳してくる個性や個性を封じる個性、個性を奪う個性にも効果があると思うし、私の身体の治癒力を上げる個性が効かなくなる以上は接触した対象を崩壊させると言う個性や、ワープゲート系ではなく対象を直接転移させる系統のワープも効果が出ないと思う。

 ……そうだ、それと最近短距離の高速移動ができるようになった。所謂『縮地』ってやつ。素の身体能力で。

 やっぱり技術は大事だね。合気の技の一種を応用して重力を逸らしてみたんだけど、結構上手く行った気がする。気当たりで威圧したり、空気投げも出きるようになったし、あとは空気の弾丸を指で弾いて飛ばすのもできた。有効な射程は長くないけどね。

 

 まあ、そんなことをやっている私と同じようなことを可能な範囲でやってきたかっちゃんも、錬度は低いけど色々できるようになっている。目にも止まらぬ高速移動。ちょっとした発勁擬きによる威力増加。まあ、頑張ってるって事だろう。実際頑張ってるしね。

 あと、小技も覚えたらしい。汗腺から出た爆発する液体を飛ばして、自分の意思で自由に起爆できるようになったらしい。衝撃で爆破できるのは知っていたけど、意思でできるんだね。凄いや。

 

 ……私もそろそろ範囲技使えるようにならないと駄目かな? 私が追い付けない速度で移動する相手に対して、全周囲を同時かつ広範囲に影響を与える技がほしい。

 ……声とか、衝撃波とか、そういうのがいいかな? 最大で音速までしかいかないけど、まあ悪くない。今の漫画だったらともかく、昔々の漫画なら色々変な使い方をされてるせいでイメージだけならたくさんあるしね。

 イメージできるかどうかっていうのは結構重要だったりする。イメージの有無で技の完成までにかかる時間が大きく変わってくるし、完成度も段違いになることが多い。イメージに拘りすぎるのは良くないけれど、全く無いよりはあった方がいいのは間違いない。

 でも、正直なところあまり多くの個性は取らない方がいいと思っている。できるだけ種類は少なく、けれど優秀な個性を使っていきたい。身体能力上昇の個性だったら結果的に出る効果が同じだからいくつも重ねればただ強力になって行くだろうけれど、反動がそれぞれ違うものだと面倒だったり、同じものだったとしてもあまり重ねすぎると大変なことになりそうな気もするしね。

 だから、基本は『対個性』と体術の延長でできそうなものだけを使っていく。それで遠隔攻撃となると、やっぱり音が空気を押し出すか、漫画とかでよくある気弾とか……。

 

 ……あるかも。気。ちょっと調べてみよう。この個性の項目って気付くと増えるし、自力である程度習得しようとすると多少必要な経験値も下がったりするし。なかなか目が離せないん───あ、あった。

 

 

 

 

 デク強すぎワロリンヌぅ……。

 いつもながら頭がおかしい。なんだよ『爆圧は発勁で掻き消した』とか『回し受け……矢でも鉄砲でも火炎放射器でも持ってこい……!』とか、あとなんか最近気合いをいれて手を翳すと光の弾丸のようなものが飛んだり、視線を向けた先の物が吹っ飛んだりするし、もう本当にどんな個性なのかわからない。

 あと、訓練の密度が最近足りない気がするから分身してみた、とか、もう、な。うん、意味わからない。

 そして、もっと意味が分からないのが俺だ。分身のコツとか言って色々デクに聞かされて、やってみたら薄いけどできるって意味が分からない。『かっちゃんができるってことはやっぱりこれは個性無しでもできるんだね!』と言っていたが、残念だったな、普通の人間はできん。

 最近思うのは、俺は凄いと思っていたが俺以上に凄い奴は居る所には居て、そして俺はそう言う奴らに負けているのが気に食わねぇってことだ。

 今は負けていても、絶対に勝って見せる。本人に言うつもりは無いが、惚れた相手よりも弱い男ってのも、情けないしな。

 

 ……正直に言おう。俺は、世界の誰より弱くても構わない。ただ一人、デクより強ければそれでいい。

 だが、デクは人間離れして強いんだから、俺もそれに追いついて行かなくちゃならない。まったく、惚れた相手が色々とおかしいとこっちも困る。強すぎるせいで、俺まで世界一を目指すことになっちまった。

 まあ、それも悪くない、なんて思える時点でもう俺はデクには勝てない気もするが、精神的にはともかく勝負には勝つ。悔しいからな。

 

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