銃を使わないとある武偵   作:宗也

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第10筋 人生楽しんだもん勝ち

拝啓天国にいるお父さん、お母さん、お元気ですか?俺は元気です。二人が生きてた頃、男と女がキャッキャッウフフしながら追い掛けるドラマを見てなつかしんでましたね。

 

その時俺もいつかあんな風な事が出来たらなと考えていましたが、遂にそれが実現出来ました。

 

「逃げんなてめえぇぇぇぇぇ!!!男なら自分のやったことに責任持ちやがれ!!」

 

まさか、リアル鬼ごっこで夢が叶うとは思わなかったよこんちくしょう!!

 

「だから何度も言ってるだろおかっぱ頭!!俺は何もしていないって!!」

 

「だったら何であたしの着ている服からあたし以外の匂いが付いてんだよ!?」

 

「知るかそんなもん!!あっ、ちょっと待て!!水を飛ばすのは止めろ!!」

 

俺は今シャーロックに連れ去られた所でおかっぱ頭の女の子とリアル鬼ごっこしてます。何処がリアルかって?捕まったら死だからな。

 

「つーかここ何処だ!?シャーロック説明しやがれ!!」

 

俺は叫びながら走っておかっぱ頭の女の子から逃げるが、あいつ水の弾幕撃ってくんだよな。いかにも魔女っぽい服装してるし魔女か?

 

「ってかお前のその服なんだよ?コスプレか?コスプレすんなら隠れてし「コスプレじゃねえよ!!」じゃあ中二病か?」

 

「あたしが魔女のコスプレしている痛い子だと思ってんのかてめえ!?」

 

「もちろんさー!!って危ね、今頬にかすったぞ!!」

 

「あたしは、正真正銘の魔女なんだよ!!絶対てめえを捕まえてボコボコにしてやる!!」

 

嘘ぉ、本当の魔女だったんかい。魔法使いって聞いたらあの第2話まではほのぼのとしているあの子供が見るようなアニメじゃないのが思い付くんだが。

 

「くそっ!!走ってるから狙いが付けづれぇ。止まれよ逃げんな!!」

 

「誰かー助けて!!うわっと!!」

 

やべぇ、転んじまった。あっ、ということは。

 

「やっと止まったな。何処の奴か知らねえがあたしを侮辱した罪は重いぜ?」

 

「ボクニホンゴワカラナーイ!!」

 

「ここで頭が吹っ飛ぶか、それとも溺死するか選べ。」

 

うわぁ、メチャクチャ怒ってるよ。けど何でだろうな?怒っていてもその姿が可愛いんだが。

 

「ちなみに侮辱って、何?」

 

「白を切る気かてめえ?」

 

「あっ、もしかしておかっぱちゃんが布団を抱き締めながら顔を赤くしている写真や可愛い寝顔を披露している写真や顔を真っ赤にしながら走ってる写真を撮ったことか?」

 

いつ撮ったって?盗撮は武偵の基本技術だぞ?ほらほら~おかっぱちゃん、刮目して見るんだ!

 

「い、いつの間に!!こんなあたしの姿を見せるわけにはいかねえ!!捨てろ!!今すぐ捨てろ!!」

 

「ごめーんね☆もう何人かに写真を送付しちまった。いやぁ俺ってばお茶目だなー!!」

 

「~~~~~~~ッ!!」

 

おっ!!早速シャーロックから返信来た。『早速異文化交流を楽しんでいるようだね。カツェ君の貴重な写真をありがとう。』このおかっぱちゃんカツェって言うのか。

 

「理子からも来た。『フウフウやるね♪その子の写真が欲しかったんだぁ!!今度お礼するね♪』だとさ。」

 

「し、ししし。」

 

「ん?どした?恥ずかしさのあまりオーバーヒートでもしたか?」

 

「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「ブルァァァァァァァ!!」

 

今日の教訓、初対面の人を弄るのは程ほどにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、てめえは何処の誰だ?」

 

「シャーロックに誘拐された可哀想な普通の男子高校生です。」

 

あの後、水の弾幕を浴びせられて彼女の部屋に引き摺られてました。今は椅子に縛られて尋問されてます。

 

「一体何処に縛られながら尋問されてるのに目を輝かせている高校生がいるんだ!?」

 

「現にいるぞ、ここにな!!あとフルネームおし「今度勝手に喋ったら窒息させるぞ?」おお怖い怖い。」

 

「まずてめえから名乗りでるもんじゃねえのか?」

 

そう言いカツェは持っていた箒の棒の部分で俺の顎をくいっと上げる。おおっ、映画のワンシーンみたいだな。

 

「ウインドレイン・マウンテンブックです。あだっ!!」

 

「バレバレの嘘を付くんじゃねえよ。」

 

嘘は言ってないのに。にしてもあれだな、カツェは脅しのつもりで怖い顔で睨んでくるけど、黒雪の状態の白雪と比べると全然怖くねえな。

 

「山本風雨。しがない日本男児さ。あっ、ちなみに東京武偵高校に通ってるぞ。」

 

「武偵か、それでここイ・ウーの本拠地に何の用で乗り込んで来た?」

 

「乗り込んだも何も、シャーロックに誘拐されて来たんだが?」

 

俺がそう言った途端、水の弾幕を顔面に撃ってきた。おお、かなり痛いぞこれ。

 

「嘘を付くのが好きらしいな?まあいい、今のを喰らいたくなかったら本当の事を喋るんだな?死にたくはないだろう?」

 

「いや、こんなの喰らっても死なねえし。」

 

あれ?カツェが驚いてるぞ?鳩が鉄砲玉を喰らったような顔になってるぞ?これも可愛いから写真撮っとこ。

 

「て、てめえ。何故平気な顔をしてやがる!?」

 

そんなこと言われてもねえ、どう説明すれば「その辺にしておきなさいカツェ」ん?この声は?

 

「カナ、何故てめえがここに来た?」

 

「やっほー!!すげぇ久しぶりだな!!」

 

カツェの部屋に入ってきたのは見た目は超美人な女性、名前は遠山カナ。誰が見ても美人たと思うが、実はこれ女装なんだぜ?

 

「……風雨、貴方仮にも縛られて尋問されているのにどうしてそんなに元気なのかしら?」

 

だってねぇ、一生に一度体験出来るかどうか分からないからなこういうのは。初めて体験することはわくわくしないか?

 

「まあ、貴方ならこんな縄直ぐに破るでしょうね。大方、楽しんでいたのでしょう?」

 

「あっ、バレた?」

 

そう言い俺は身体に巻き付けられている縄を引きちぎる。あっ、結構跡残るんだな。

 

「そうか、何時でも抜け出せるから舐めた態度を取ってやがったのか!!」

 

「その通り、それとこっちの名前教えたからそっちも名前教えてくんね?」

 

「……カツェ・グラッセだ。」

 

カツェはそう言うと部屋から出ていった。いい名前じゃん。

 

「風雨、厄介な相手に目を付けられたわね。」

 

「どゆこと金一さん?」

 

「本名で呼ぶの止めて。この格好ではカナで名前を通しているんだから。」

 

カナって呼ばれてるけどこの人の本当の名前は遠山金一さん。まああいつの兄って訳だ。小さい頃からお世話になってます。

 

「分かったよ金一さぐぶほっ!!」

 

「や・め・て・ね?」

 

止めますよ止めますから不可視の銃弾(インヴィジビレ)で心臓を撃たないでください。

 

「とにかく、ここから移動するわよ。」

 

部屋から出たカナさんに付いていく。いやぁ、鬼ごっこしてたからわからなかったけど、結構広いんだな。

 

「カナさん、ここって何処かの建物の中ですか?」

 

「違うわよ。ここは巨大な潜水艇の中よ。」

 

おいおい、こんな潜水艇があってたまるかよ。潜水艇って言われなければ窓のない建物の中と勘違いするな。

 

「着いたわ、入って。」

 

「お邪魔します。」

 

おっ、カナさんの部屋ってかなり広いな。俺の部屋の何倍だろうか。

 

「さて、貴方はとても厄介な相手に目を付けられたわ。」

 

「カツェの事ですか?そんなに厄介そうな相手には見えませんでしたよ?」

 

俺がそう言うとカナさんはため息を付いた。えっ?何か変なこと言ったか?

 

「カツェがどんな人物か知ってる?」

 

「全く知らないんで教えてください。」

 

「カツェは魔女連隊の9代目連隊長、別名で厄水の魔女と呼ばれているのよ。」

 

「へぇー、本当に魔女だったんだ。今度カツェと契約して魔法少年になってみようかな?」

 

男だって魔法を使いから別にいいよな?

 

「そんなこと出来ないわよ。ところで風雨、魔女連隊って知ってる?」

 

「なにそれ?軍隊の魔女バージョンって事か?」

 

「大体合ってるわ。詳しく話すとナチス・ドイツの秘密部隊で、ハインリヒ・ヒムラーが育成したアーネンエルベの超能力部隊の事よ。」

 

思っていた以上に凄い部隊なのか。そしてその部隊長と知り合いになったと。

 

「やったね!!海外の人と友達になれたぞ!!」

 

「友達、というよりは敵として見られてるわよ?現在の魔女連隊はその残党で、ならずものの国家に高給で雇われる札付きのテロリスト部隊よ。」

 

テロリストと知り合いになった。ということは!

 

「これから毎日テロをしようぜ?」

 

「止めなさい。でも彼女をあそこまで怒らせるなんて一体何をしたのよ?」

 

「いやぁ、目が覚めたらカツェの隣で寝ていたからさ。そっと居なくなろうとしたらカツェが目覚めてあらぬ勘違いでああなった。」

 

全てはあの迷探偵シャーロックのせいだ。

 

「でもこの写真は風雨が撮ったのでしょう?」

 

「可愛いからつい撮った。」

 

俺がそう言うとカナさんは急にニヤニヤしだした。なんか面白いことでもあったか?

 

「風雨も遂に来たのね。でもあの子のハードルはかなり高いわよ?」

 

「いや何の話をしてるんですか?」

 

「気にしないで。それより教授が呼んでいたわよ?」

 

うわぁ、行きたくねえ。絶対録でもない事だよ。

 

「少なくても風雨君には利がある話だよ。」

 

おい、何処にベットの下から登場する迷探偵がいるんだよ。心臓止まるかと思ったぞ。

 

「……なあシャーロック、あんたイタズラ好きだろ?」

 

「大好きだよ。」

 

シャーロックはそう言うと指を鳴らした。すると広い部屋にいつの間にか移動していた。

 

「えっ?えっ?えっ?何が起こった?」

 

「軽い手品だよ風雨君。さて君をここに呼んだのは模擬戦をしてもらうためさ。」

 

模擬戦、まさかシャーロックとか?

 

「残念ながら僕ではないよ。それよりもどうだったかい?カツェ君と一緒に寝れた感想は?」

 

「やっぱりあんたの仕業かよ。こっちは色々と大変だったんだぞ?」

 

「そうかい、ならもっと大変になってもらおう。」

 

シャーロックがそう言うと部屋の扉が開いて誰かが入ってきた。

 

「あっ、山本!!模擬戦の相手はてめえか。」

 

「じゃあカツェ君、風雨君と模擬戦をしてもらうよ。」

 

シャーロックがそう言うとカツェはニヤリと笑った。あれだな、何か絶対良からぬ事考えてる。

 

「山本、てめえがあたしに負けたら奴隷として扱き使ってやるからな!!」

 

「風雨君はどうだい?カツェ君に勝ったら何かしてもらうのかい?」

 

そうだなぁ、何してもらおうかなぁ。

 

「んー、特に決めてないから後ででいいや。」

 

「死にそうになったら止めるから存分に戦っていいからね。」

 

「山本!!覚悟はいいな!?」

 

カツェは好戦的だなぁ。けどそういうのは嫌いじゃないな。

 

「そっちこそ、負けて泣きべそかくんじゃねえぞ?」

 

「ぬかせ!!」

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