あの後、俺は模擬戦に負けた。女の子って何処の国の人でも怒らせると怖いんだなって事が身に染みたよ。けど、カツェのすっごく恥ずかしがってる姿を見れたからボク満足!
「でも、弄りまくってやるんだけどな!」
カツェの反応は面白いからな、見ていて飽きないな。あっ、カツェが模擬戦に勝ったから俺がカツェの奴隷になるわけだが、そこは日本式謝罪術(土下座)をして免れた。
「次は何をして弄ろうかな~。怒ってるカツェもいいけど恥ずかしがってるカツェもいいんだよな。」
「山本、お前あたしがいる前でよくそんなこと言えるな。」
一応やり過ぎたと思ってたのか、俺の傷を手当てしてくれるカツェ。うん、いいイェェアァァァ!!
「カツェ痛い!!魔女なんだから回復魔術的なものとかねえの!?」
「ねえよ。黙ってじっとしてろ。」
カツェはそう言ってるけどな、面白いものを見付けたと言わんばかりのニヤけ顔でこっち見るな。俺はSだから弄る方がいい!あっ、でもカツェに弄られるならいいかもな。
「いやはや、カツェは強いんだな。水の魔術を使う人なんて初めて見たぜ。」
「あたしは山本があそこまで強い事に驚いてるけどな。そう言えば武偵にはランクがあんだろ?山本はランク高いのか?」
「ふふふ、聞いて驚けカツェ!!俺は衛生科のEランクだ!!」
「めちゃくちゃ低いじゃねえか!!」
いやだってねぇ、銃を持ってないからでEランクとかになっちゃってるかな。解せぬ。
「まあ、そんなわけで俺は落第ギリギリにいるわけなんだよ。驚いたか?」
「ああ、別の意味ですげえ驚いたよ。」
「ところでカツェ、何かカツェから香水みたいな香りがするんだが?」
これが女の子の香りなのか?ならば思いっきりスーハースーハーしなくては!
「さ、さっきの模擬戦でちょっと汗をかいたからな。山本が気絶している間にシャワーを浴びてきた。」
「ほほう、それで俺に汗の匂いを嗅がせたくないからか。カツェも女の子だな!!」
「う、うるせえよ!あたしは女の子だぞ!!」
そう言いカツェは顔を赤くして睨んでくる。その睨んでくる目もいいね!
「そんなことは知ってるぅ!さて、そろそろ手当ても終わったし、俺は、あれ?」
な、何か頭がボゥーっとしてきたんだが?あれか?疲れが溜まってきたか。
「お前さぁ、あたしは魔女なんだぞ?少しくらい警戒した方がいいんじゃねえのか?」
「俺の中の魔女はな、カツェみたいな女の子じゃなくて、ヨボヨボの婆さんが鍋に怪しい液体を入れて奇声を上げながらかき混ぜていく姿なんだ。」
「一体どんな魔女を想像してんだよお前は!?」
いやだってねぇ、昔読んだ本の魔女はそういうのしかいなかったからな。
「うーん、カツェ。なんか視界が回りだしたんだが、もしかしてさっきの香水みたいなのが原因か?」
「正解、厳密に言えば男にしか効かねえ香水みたいなもんだ。この香水は本来魔女が男と寝るために用いられるものなんだよ。」
へぇー、そんな香水もあるのか。世界は広いねぇ。
「まあ、毒っつうか薬っつうかそんなもんだ。」
カツェが何やら説明してるけど、駄目だ、座っていられないほど視界が回ってやがる。あれ俺座ってたっけ?
「カツェ、お前これから何する気だ?俺を怪しい液体が入った鍋に入れるつもりか?俺を食っても腹壊すだけだからな!!」
「んなことしねえよ!!まあ食うってのはある意味あってるかもしれねえけどな。」
おいおいおい、何か嫌な予感がするから対策練らねえと。けど、体に力が入らねえ。
「山本、魔女はな本当は怖いんだぞ?さっきの土下座で奴隷の事を許してもらえるとでも思ったか?」
「めちゃくちゃ思ってた。これから何する気だよ本当に?」
「ある儀式の準備さ。」
そう言ってカツェは着ている服の胸元を全開にした。あっ、これはあれですね。
「大丈夫だ、時間はたっぷりとあるんだ。書物でしか読んだことないけど、安心しな。」
そう言ってカツェは俺を組み伏せようとする。ああ、抵抗出来ずにカツェの奴隷になるのか。
「全て私に任せろ。お前は身を委ねてれ「ところがぎっちょん!!そうは問屋が下ろさないんだな!!」や、山本!?」
カツェが俺を組み伏せようとした瞬間に、逆に俺がカツェを組み伏せる。
「な、何でだよ!?香水の匂いはちゃんと嗅いでた筈だろ!?」
「思いっきりスーハースーハーしてたぜ?けどな、俺は薬が効きにくい体質なんだよ。」
「くそがっ!!さっきまで演技してやがったのか!?」
もちのろん。カツェみたいな女の子に迫られる事は滅多にないからな。いい体験が出来たぜ。
「さあて、カツェは何をしようとしていたのかなぁ?んん~?言ってみ?」
「いいい、言わねえよ!!離しやがれ!!」
無駄無駄、カツェがジタバタ暴れようとも完璧に組み伏せたから動けねえぞ?
「まあ落ち着けよ。やられっぱなしは嫌なんでな。」
「おい、何する気だよ?」
「カツェを大人の女の子にしてやるよ。」
俺はさっき言った言葉で顔を赤くしているカツェの顎をくいっと持ち上げる。
「あわわわわ!!やや、止めろ!!あ、あたしはこういう経験はしたことないんだぞ!!」
「だったら、さっきは何で自分からしようとしてたんだ?自分からしようとしてたんだから、自分がされることも覚悟してたんだよな?」
「うう、山本の馬鹿!!」
俺はカツェにそう言うと、カツェは体を震わしながら涙目になっていた。
「大丈夫だ、ゆっくりと、そして優しくしてやるからな。」
「いい、痛くしたら絶対許さねえからな!!」
俺は顔をカツェに近付けると、カツェはキュッと目を瞑った。本当に反応が初々しくて可愛いなぁ。
「なんてな、冗談だ。」
「へ?」
「そういうのは、大切な人としろ。知り合ってまだ間もない奴とすんな。」
俺がそう言うとカツェはプルプルと体を震わしていた。これまずいパターンだな。
「さて、逃げるか!!」
「待ちやがれてめぇぇぇぇぇ!!」
うわっ!やっぱりか!カツェが顔を真っ赤にしながら追い掛けてくる。これが、これが青春というものか!
「待てと言われて待つ奴はいない!!悔しかったら俺を捕まえてみろよカツェちゃん?」
「てめえ、絶対に、ぜぇーーーーーーたいに奴隷にしてやるからな!!」
というのが数日前にありまして、あの後はなんとか逃げ切った。そしてその翌日から何故かシャーロックとの模擬戦ばかりしてました。
「ふむ、風雨君も中々やるようになったね。」
「うるへーよ、人を散々ボッコボコにしている奴が言う台詞かよ?」
もうね、容赦ないんだよ。涼しい顔をしながら俺を殺しに掛かって来るんだよ。悪魔だ!人間のような見た目をした悪魔だ!
「さて、そろそろ出掛けていたメンバーが戻ってくるから、風雨君を元の場所に戻してあげるよ。」
今は模擬戦専用の部屋にいるぞ。
「一体何の為に俺を拐ったんだよ本当に。」
まあいいか、元の場所に帰してくれるなら。でも一つやり残した事があるな。
「山本、お前帰るのか?」
「んん?カツェ?何でここにいんの?」
「そ、そんなことはどうでもいいだろ!!」
ははーん、もしかして寂しいのかカツェ?全く素直じゃねえな。
「まあ、また会えるからな。そうだ、こいつを渡しておくよ。」
俺は自分の電話番号が書いてある紙をカツェに渡す。それを見たシャーロックはニヤニヤしてやがる。見せ物じゃねえぞ!
「じゃそろそろ行くよ風雨君。」
「ふ、風雨!!」
おっ!俺の下の名前を呼んでくれるようになったか。こいつは嬉しいねぇ。
「またな!!」
「ああ、またな!!」
俺とカツェは互いに笑顔を浮かべる。さあて帰るとし「そい!!」あぎゃ!!
「潜水艦は見られたくないからね。また気絶してもらうよ。」
「だったら、ペリィ、ドゥ、ペリィじゃなくてもいいだろ。」
もうシャーロックとは関り合いたくねえ。
「起きなさいバカ風雨!!」
「まそっぷ!!」
あれ?ここはキンジの部屋だな。本当に帰ってこれたんだな。
「アンタ何処行ってたのよ!?」
「アリアか?そうだな、武者修行の旅に出ていた!」
「だからそんな傷だらけなのね。けど!アンタは魔剣から狙われてるのよ!?どっかに一人で行くんじゃないわよ!! 」
一人で行った訳じゃねえんだけどなぁ。あの迷惑探偵に連れてかれただけだ。
「ところでアリア、キンジと白雪は?」
「祭りに行ったわよ。あのバカの事なんて知らないわ!!」
「喧嘩でもしたのか?まあ、どうせキンジの奴が魔剣なんていないって言い出したんだろ。」
「な、何で知ってるのよ!?」
何年あいつと友達やってるんだよ。これくらいはあいつの態度とかでわかる。
「まあいいわ、アンタの言った通りキンジと喧嘩したわ。でもこれは必要だったことなのよ。」
「敵を騙すにはまず味方からってことだろ?」
「アンタ本当にアサルトに移った方がいいわよ?」
あんな死ね死ね団の所になんか行きたくねえよ。
「じゃあ、あたしはレキの所にいるからなんかあったら連絡してちょうだい。」
「アリア、キンジ以外に友達いたんだな。」
「うっさいわね!!早速風穴開けるわよ!?」
アリアはプンプン怒りながら部屋から出ていったな。さて、日付は、GW前か。
「あっ、アドシアードの事なんもしてねえや。」
明日登校したら絶対文句言われんだろうな。あーやだやだ。