銃を使わないとある武偵   作:宗也

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第15筋 大人しい人ほど案外強い

移動完了、ここでもバレないように段ボールを被ってと。

 

「や、山本。ちょっと寒いんだけど。」

 

そうだな、確かにちょっと寒いな。

 

「これでも持っておけよカツェ。少しは暖まるぞ。」

 

「なんだよこれ?」

 

「もっと熱くなれよぉぉぉ!!という商品名のカイロだ。おっ、キンジが来たぞ。」

 

さてさて、浸水したフロアから脱出してきたのか。全身濡れてるけど、ははん、成る程ねぇ。

 

「や、山本。あの遠山キンジの雰囲気がさっきと違わないか?」

 

「気付いたか?キンジはな、性的に興奮するとスーパーキンジ君になれるんだよ。」

 

「もっと違う方法でスーパーキンジ君になれよな。」

 

カツェは呆れた様子でキンジを見ていた。言っておくけどスーパーキンジ君は強いぞ?

 

「白雪!!無事だったのね!!」

 

「ア、アリア!!」

 

座っている白雪を見付けたアリアは駆け寄ったな。どれどれ、カメラを起動してと。

 

「何してるんだ山本?」

 

「下のフロアが浸水するまでの様子をカメラで撮ったから見てる。」

 

白雪が柱に縛られていて、それを解こうとしたら水が流れて来たと。アリアは泳げないから先に行かせてキンジが解錠してたと。

 

「けど、間に合わないから白雪にキスをしてスーパーキンジ君になって一瞬で解錠したと。」

 

「本当にせ、性的興奮でスーパーキンジ君になるんだな。」

 

カツェが若干引いた様子でカメラを見ていた。それは遺伝だから仕方ねえよ。

 

「アリア離れろ!!そいつは白雪じゃない!!」

 

キンジがそう叫ぶと白雪?がアリアの首もとに白雪が持っていた刀を突き付けたな。

 

「こいつ!!うっ!!」

 

デュランダルがアリアの両手に息を吹き掛けたな。アリアは苦痛に耐えてる表情だ。となると、これが本当の凍える息か。

 

「油断したなホームズ。何処か動かしたらその箇所を凍らすぞ?」

 

「キンジ、あたしに構わないでデュランダルを撃って!!」

 

「舌を動かしたな?ならその舌はいらないな?」

 

そう言ってデュランダルはアリアにキスをしようとしていた。これはあれか?キマシタワー?

 

「デュランダルってバイだったのか。」

 

「違うだろ!!あれは恐らく口の中を凍らせるつもりなんだよ。」

 

分かってるってのカツェ。ちょっとふざけただけだ。

 

「デュランダル!!」

 

「!!」

 

白雪が鎖で刀を奪いとったな。巫女服の何処にしまってあったんだよ。

 

「ごめんねアリア、助けるのが遅くなって。」

 

「上出来だよ白雪、白雪が来てくれなかったら危なかったさ。」

 

アリアの握力はかなり弱まってるな。それとデュランダルが袖から缶を取り出したな。

 

「白雪、まさかお前が命を捨ててでもホームズを助けるとはな。」

 

ん?缶から煙が出てきたな。それに反応してスプリンクラーが作動したか。恐らく自分に有利なフィールドを作り上げたのか。

 

「ディランダル、本当は貴方を斬りたくないけど、斬らせてもらいます。」

 

「そのディランダルという名前は嫌でな。本当の名前を教えてやろう。」

 

ディランダルはそう言うと白雪の巫女服を脱ぎ捨てた。

 

「私の本当の名前はジャンヌ・ダルク。正式にはジャンヌ・ダルク30世だがな。」

 

なんつーか、すげえ美人だな。キンジもアリアも驚いてるな、ディランダルが思った以上に美人で驚いてんのか。

 

「違うと思うぞ?つーかそこに驚くのかよ山本。」

 

「率直な感想を思っただけだカツェ。」

 

「ジャンヌ・ダルク!?火炙りの刑で死んだはず!!」

 

アリア、すぐに思い出せるな。俺はジャンヌが何の刑で死んだか忘れてたよ。

 

「あれは影武者だ。」

 

ジャンヌはフンと鼻を鳴らして剣を構えた。それと同時に白雪が一歩前に出たな。

 

「キンちゃん、アリア、ここは私に任せて。」

 

白雪はそう言ってアリアの手を握って何かしてるな。恐らく凍傷を治してるのか。

 

「ふん、まさか私に勝てると思っているのか?」

 

「思ってるよ。貴方の力は凡そG8前後、でもね私はG15あるよ。」

 

そんなに高かったのか。全然知らなかったな。

 

「ブラフだ。極東の島国の、しかもその年でG15はあり得ない。」

 

「本当にそう思う?」

 

そう言って白雪は頭に着けていたリボンを外そうとした。あれを見せるのか!

 

「キンちゃん、今から私は本気を出す。すごく怖いかもしてないけど、嫌わないで?」

 

「安心するといいよ白雪。お前を俺が嫌いになる?100%あり得ないな。」

 

白雪は顔を僅かに紅潮させてからリボンを一気に取ったな。

 

「(いいないいな、あたしもあんな台詞言われてみてえな。)」

 

カツェが何を考えてるのか表情で分かるな。そんなに羨ましそうに眺めんなよ。

 

【我が白き雪よ、あらゆる物に流される弱き己よ、今その戒めを解き、あらゆる厄災を焼き払う紅蓮の業火とならん】

 

白雪がそう唱えると持っていた刀から炎が溢れ出した。それを見たジャンヌが苦虫を噛み締めた表情になったな。やっぱり炎は嫌いなのか。

 

「白雪という名は隠し名。私の本来の名は、【緋巫女】!!」

 

そう言い白雪はジャンヌに向かって行く。おおう、剣と刀の応酬だな。白雪ってあそこまで強かったのか。

 

「今度白雪に剣術でも教わろうかな。」

 

「えっ?お前あの巫女より剣術の腕は低いのか?」

 

ジャンヌとの応酬を見てたら教わりたくなった。でも素直に了承してくれるかねぇ。

 

「多分低い、実際俺はどこまでの実力かを把握していないんだよな。」

 

「ふーん。けど、あの巫女先にバテるぜ?」

 

「ん?何でだカツェ?」

 

「お前知らないのかよ?Gが高ければ高いほど強いけど、その代わり長く戦えねえんだよ。」

 

なーるほど、まあ当然か。

 

「お前も超偵だろ?それくらい知っておけよ。」

 

「俺の超能力は体力あまり関係ないんで!!」

 

何故かは言わんけどな。

 

「これが貴様の本気か。」

 

白雪とジャンヌが鍔迫り合いの状態で会話してるな。

 

「そうだよ。本来はこの力を使うのは禁止されてる、多分後で星伽に怒られる、でも関係ない!」

 

そう言って白雪はジャンヌから距離を取って居合いの構えを取った。

 

「愛があれば大体の事は許されるんだよ!!」

 

「「なわけねえだろ。」」

 

やべ、白雪の決め台詞に俺とカツェがツッコミを入れちまった。

 

「キンジ今よ!!」

 

おっ!アリアとキンジが駆け出したな。ジャンヌがアリアに氷の弾幕を放つが、アリアに近くにあった白雪の衣装で防いだな。

 

「ただの武偵が超偵に勝てると思うなよ!!」

 

キンジがジャンヌに向けてベレッタを撃とうとした時にジャンヌがキンジに向けて剣を振り下ろした。

 

「キンジ!!」

 

アリアの叫び声と同時にキンジは、右手の人さし指と中指でジャンヌの剣を白刃取りしていた。白雪もだけどキンジもやべぇな。

 

「やっぱスーパーキンジ君の時のキンジのやることは常軌を逸してるな。」

 

「あんなん普通出来ねえよ。両手ならまだ分かるけど二本の指でかよ!!」

 

カツェも驚いてるな。ジャンヌはキンジに剣を白刃取りされたことに驚いてるけど、すぐに剣を凍らせようとしてるな。

 

「咲き誇れ!!オルレアンの氷華!!」

 

「なっ!!」

 

「星伽天候流奥義!! 緋緋星伽神!!」

 

白雪がジャンヌの剣をしたから切り上げてまっ二つにしたな。しかも炎を思いっきり真上に噴出したから天井まで焦げてるな、今度やり方を白雪に教わるか。

 

「そ、そんな!!聖剣デュランダルが!!」

 

「ジャンヌ!!逮捕よ!!」

 

アリア、決め台詞を言ってる所申し訳ないけど、ジャンヌはまだやる気みたいだぞ?

 

「逮捕?まだ私は負けていない!!」

 

そう言ってジャンヌはもう1つ剣を取り出したな。

 

「ジャンヌ、もうやめようよ。貴方は負けたんだよ?これ以上の争いは意味ないよ?」

 

「聖剣を折られても、まだ私の心は折られていない!!」

 

「アリア!!白雪!!ジャンヌから離れろ!!」

 

キンジの叫び声と同時にアリアと白雪はジャンヌから距離を取った。その瞬間にジャンヌの周りの地面が凍っていた。あの剣、何かあるな。

 

「どうして!?ジャンヌはもう超能力は使えない筈よ!?」

 

「これを使うのは誤算だったが仕方ない。超能力者が超能力を使えなくなった時の対処を考えていないとでも思ったか?」

 

「「「くっ!!」」」

 

恐らく回復の何かをしたんだろう。やーれやれ、仕方ないか。

 

「行くのか山本?」

 

「ちょっとこれ以上は傍観出来ねえな。ちょくら行ってくる。」

 

「お前の闘い楽しみにしてるぜ!!」

 

カツェ、そんなに俺の闘いが見たかったのか。なら存分に見せてやるよ。

 

「形勢逆転だな?どうする?」

 

「白雪、もう超能力は使えない?」

 

「うん、もう使えない。ごめんねアリア、キンちゃん。」

 

「咲き誇れ、オルレ「おーっとストップだぜジャンヌ?」誰だ!?」

 

ここは格好よく登場するか!!

 

「山本風雨!!華麗にけんじゃん!!」

 

「「「「……。」」」」

 

か、噛んじまった。やらかしたー!!だからそんな何してんの?みたいな目をやめてくれ。

 

「ふ、風ちゃん!?何でこんなところに要るの!?それより来ちゃダメ!?」

 

「何をしに来た山本風雨?まさか私と戦うなんて言わないだろうな?」

 

「ああ、そんなことは言わないさ。俺はただ。」

 

そこまでで言葉を切って俺はジャンヌに向かって駆け出して、ジャンヌを蹴飛ばす。

 

「ジャンヌをぶちのめしに来たからな。」

 

「私をぶちのめす、か。面白い事を言ってくれるな。」

 

ちっ、剣で蹴りを防がれたか。今の蹴りで剣が折れれば楽だったんだけとな。

 

「風雨!?逃げなさい!!アンタじゃジャンヌに勝てないわ!!」

 

「ホームズの言う通りだ。お前じゃ私には勝てない。」

 

ジャンヌはそう言って俺に氷の弾幕を飛ばしてきたな。随分と舐められてますねぇ。

 

「お前の超能力は風しか使えない。風じゃあ私の氷は消せない。」

 

「風雨!!避けろ!!」

 

「大丈夫だってキンジ。教えてやるよジャンヌ、俺は風しか使えないわけじゃないぞ?」

 

赤色の刀を持って体を1回転させて炎を直線上に放つ。ジャンヌはあり得ないといった表情になってるな。

 

「お前も炎を!?」

 

「そうだ、戦術殻 炎。さて、勝負といこうじゃねえかジャンヌ!!」

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