あの後、なんとかおっかない少女を撒いて教室に着いた。朝からいい運動が出来たよこんちくしょう。
「どうした風雨!?元気ないぞ!?」
「珍しいね、風雨君が元気ないのは、どうかしたのかい?」
「朝から色々あったんだよ武藤、不知火。」
最初に話し掛けたのが武藤、次が不知火。その二人に適当に返事を返しておく。
「それよりも、キンジ、何で不機嫌なんだ?まさか女の子に振られたか!?」
「うるさい武藤、今の俺に女の話題を振るな。」
キンジが武藤にギロリと睨み付ける。キンジはヒステリアモードになった後、大体不機嫌になる。まあ、中学の頃にヒステリアモードで遊ばれてたからな。
「恋愛相談なら、いつでも乗ってやるからな!!」
「武藤君の恋愛相談って意味ないと思うんだよね。」
「それな不知火。もし武藤に彼女出来たら赤飯炊いてやるよ。」
「お前ら!!あとで轢いてやるからな!!」
しばらくワーワー騒いでいたらホームルームの時間になった。内容はまあ、業務的な話だな。
「では最後に、今日からこのクラスに来る転入生を紹介します。」
転入生、まさかね。そんな偶然が重なることはないよねー。
「では入ってきてください。」
先生に言われて入ってきた生徒は、ピンク色の髪で、緋色の双眸をもつ、小学生くらいの身長の女の子だった。
「偶然って怖いなキンジ。」
「確かにな、ここは初対面の振りで行こうか。」
前の席にいるキンジに話し掛け、初対面の振りをしようという事になった。既に知っていました、なんて周りの生徒にばれたら面倒だからな。
「神崎・H・アリア。」
アリアはそう言いぐるりと辺りを見渡す。こいつ、外国人だったのか!?つーか学校間違えてませんかね?アリアは小学校に行くべきじゃないんですかね?
「先生。」
「はい、なんでしょうか?」
アリアはキンジに向かって指を指した。キンジ、御愁傷様です。骨は拾ってやるからな。
「あいつの席の隣に座りたい。」
アリアがそう言った瞬間、クラス中が大声を上げてキンジを見る。強く生きろよキンジ。
「じゃ、じゃあ俺は違う席に行きます!!」
そう言いキンジの隣の席だった武藤がいそいそと立ち上がり、空いている席に座る。やったねキンジ、これでアリアと隣同士確定だよ。
「これ、借りてたから返すわ。」
アリアがキンジの隣の席に座った時に、ベルトをキンジに返していた。それを見た瞬間に、一人の女子学生が立ち上がった。
「理子分かっちゃった分かっちゃったよ!!これはフラグが立たさっているね!!」
こいつは、確か峰理子だったな。髪は金髪か、周りから聞くに、探偵科でロリ巨乳だそうだ。どうでもいい。
「キー君は彼女にベルトを取られるような何かをした!!これは熱い恋愛が始まる予感!!ねえねえ、何処までいったの!?何処までいったの!?」
うるせぇ、テンション高過ぎるだろ。
「れ、恋愛とかくだらない。本当にくだらないわ!!」
「の割に顔が赤いぞアリア、さてはお前、図星だな?見た目通り恋愛には疎いんだ「うるさい!!」危ね!!」
躊躇なく顔面に銃弾をぶちかましてきやがった。まあ、当たらないけどな!!
「全員覚えておきなさい!!そういうバカな事を言う奴には。」
そう言いアリアは一呼吸置く。なんだ?決め台詞でも言うつもりなのか?
「風穴開けるわよ!!」
「先生、アリアさんが武偵憲章第9条を破る気満々でーす!!」
「あんたは余計な事言わなくていいわ!!」
本当の事言っただけなんだか?まあ、その後、キンジがクラスメイトに質問責めにあったり、理子のハチャメチャな推理でクラスが大騒ぎになったり、今日は授業どころじゃなかった。
寮に帰宅してからキンジの部屋に行って、二人でのんびりしていた。
「いやぁ、今日は大変だった。」
朝から武偵殺しの事件に巻き込まれるわ、アリア柄身で色々起きるわ、大変な1日だった。こりゃ平凡に暮らすのは無理だな。
「しかしアリアの奴、からかいがいがあるな。」
「お前は誰が相手でもぶれないよな風雨。」
キンジが呆れ顔でこっちを見ながら言ってくる。俺、人を弄らないと生きていけないんで!!
ピンポーン
「キンジ、客だぞ?出てやったらどうだ?」
「面倒だからパス。」
ピンポーン
「キンジ、嫌な予感がするから俺隠れてるわ。」
「風雨の嫌な予感はほぼ当たるから嫌なんだよな。」
嫌な予感だけしか当たらないけどな。さて、ソファーの陰に隠れてと。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン!!
「ああもうわかった!!わかったからそれ以上鳴らすな!!」
キンジはそう言って玄関に行ったな。さて、キンジが戻ってきたらやるゲームの種類を考えておくか。
「遅い!!わた「バタン!!」ねぇ何で閉めるの!?」
あれ?今アリアの声が聞こえたんだが?仕方ない玄関に行きますか。
「キンジ、誰だったんだ?」
「今日の転入生だよ。嫌な予感がしたから閉めた。」
「開けてよ!!開けなさいよ!!」
外からドアをドンドン叩く音がする。仕方ねえ、開けてやるか。
ガチャ!!
「私を前にしてドアを閉めるなんていい度胸して「バタン!!」だーかーらー!!何で閉めるの!?」
さて、鍵を掛けてと。
「キンジ、マリ○カートでもするか。」
「そうだな、久し振りにやるか。」
「開けてよ!!開けてってば!!ねえ聞いてるの!?」
あー、俺最近難聴だからなぁ。何言ってるかわからないなー。もっと大きな声で言ってくれないとなー。
「可愛そうだから開けるか、どうする風雨?」
「しばらくそのままでいいんじゃない?ついでに玄関の廊下に罠でも仕掛けるか。」
「流石に開けてやろうぜ!?何かこっちの心が痛くなってきたんだよ!!」
「可愛そうだがアリア、これも転入生の試練なのだ。強く生きるんだぞ!!」
「本当に最低だなお前!!」
それは褒め言葉だぞキンジ?おっ、外が静かになったな。
「ねぇ、グスッ、開けてよ~。ヒック、お願いだから開けてよぉ。」
「なあ風雨、アリアもああ言ってるし開けようぜ。」
「だが断る!!」
「お前には慈悲という言葉がないのか!?」
「ないね!!俺の辞書に慈悲という言葉は存在しない!!あったらご飯にでもかけるわ!!」
キンジは甘ちゃんだな~。泣いて物事が進むとでも思ったら大間違いなんだよ。
「うぇぇぇぇぇぇぇん!!!」
「あれま、マジで泣いちゃったか。キンジ、開けるなよ?絶対に開けるなよ?なにがなんでもドアを開けるなよ?」
「知るか!!」
キンジは俺の言葉を無視してドアを開けた。急いでソファーの陰に隠れてよっと。
「くずっ、あれ?開いた?」
「取り合えず入れよアリア。用なら中で聞くからさ。」
「うん。」
ガチャ!!
入れちゃったか、アリアは、目が真っ赤になってるな。
「それで、何の用なんだアリア?」
「ごほん、キンジ!!あたしの奴隷になりなさい!!」
「はぁ!?何でだよ!?」
おおう、まさかのSMプレイ宣言ですか。これは物を準備しておかないとな!!
「奴隷が口答えしない!!」
「いや!!意味わかんねーから!!」
「おーい、お二人さーん?ちょっとよろしいかい?」
「「うるさい!!」」
お二人供、仲が宜しいようで、へへっ!!
「SMプレイをこれからしようとするお二人にささやかなプレゼントを持ってきました。」
「何よ!?プレゼントって!?」
「まずは手錠、これが無ければSMプレイは始まらないからな。次に縄、これも必需品だな。次にロウソク、これも必需品だな。次に「「ちょっと待った!!」」なんですかい?」
まだまだ渡したい物があるんですけどねぇ。(ゲス顔)
「何でお前がそういうのを持ってるんだ風雨!?」
「いやだって、アリアがSMプレイ宣言したからさ、それを手助けする道具が必要だと思って用意しました。」
言葉責めだけでも十分って言うなら道具は回収するぞ?
「第一こんなものをどう使うのよ!?」
「えっ?キンジを手錠や縄で縛って、それから言葉責めを浴びせたり、踏みつけたり、あとは「それ以上は止めろ!!」ちぇっ、これからだったのにな。」
道具は回収しておくか。ん?アリアが拳銃を二丁こっちに向けてるな、何で?
「ところで、あんたには風穴をたくさん開けてやらないと気が済まなかったのよね。」
俺アリアを怒らせるような事したっけなー?俺わからないなー。
「とぼけたフリしても無駄よ!!玄関の鍵閉めたのはあんたでしょ!?」
「キンジも閉めました!!」
「逃げようとしても無駄よ!!」
俺に全ての怒りをぶつけるのはいけないと思いまーす!!
「キンジ、あとは任せた。んじゃあなアリア!!SMプレイを楽しむんだぞ!!」
「丁度いいわ、あんたもアタシの奴隷になりなさい!!」
「嫌でーす!!俺、MじゃないでSなんで、奴隷とか勘弁でーす!!」
「ちょっと待て風雨!!」
キンジの言葉を無視してベランダに出て、そこからジャンプして俺の部屋のベランダに行く。俺の部屋はキンジの部屋の一つ上だからな。
「明日覚えておきなさいよ!!絶対に奴隷にさせてやるんだから!!」
あー、聞こえない聞こえない。