「
俺が心の中でそう叫ぶのと同時に世界の流れがスローモーションになる。無事に発動出来たみたいだな。
「にしても、二倍速が限界か。」
怪我とか一切なければ三倍速はいけるかな?っと呑気に考えてる場合じゃねえな。
「(まずは銃弾に当たったように見せ掛ける為に後ろに倒れ込む!)」
そんな余裕ないんじゃないかって?さっき発動した魔術は自分の中の時間の流れを倍速させる魔術だぞ。簡単に言うなら、人の倍速く動けるってことだ。
「銃弾が発射されても筒の中を通って銃口から銃弾が出る。その間は僅かな時間だけど、今の状態なら充分に避けれる時間は取れる!」
よし、銃弾は避けれたな。けどこれで終わりにはしないぜ?そこから両手を地面に付けて跳び跳ねるように起きながらカツェが持ってるルガーを天井に向けて蹴り飛ばす!
「そこから更に対能力者手錠をカツェに付ける!」
よし、固有時制御解除!
「な、ん!?」
カツェからしてみたら、気が付いたら零距離射撃をしたのに避けられて、ルガーも何処かに飛んで両手には手錠をかけられたように感じだな。
「はいそこまで、その手錠は対能力者手錠だ。ルガーも蹴飛ばした。まだやるかカツェ?」
「あたしは死ぬまで戦いを止めるつもりはないぜ?能力を封じられてもまだ近接があるからな!」
カツェは落ちていた軍刀を持って斬り掛かってくる。仕方無い、気絶してもらうか。
「そうか、なら殺すだけだ。戦術殻 雷。」
赤い刀を籠手にしまって青い刀を取り出してカツェに突きを放つ。カツェは避けずに軍刀で防いだな。
「ッ!!なん!?体が痺れて!!」
動揺しているカツェを無視して青い刀に雷を纏わせてカツェを斬る。右上から左下に斬り下し、左上から右下に斬り下す。
「っぐ!!あぐ!!あぁ!!」
さっきのコンボを十回程喰らわせ、最後に下から上に斬り上げて、斬り下ろす。斬り下した際に追加でカツェに雷を浴びせる。
「悪いな、カツェ。」
「ちぐ、しょう……。」
カツェは気絶したみたいだな。あっ、さっきの刀の攻撃は全部峰打ちだぞ。
「「「「「「た、隊長!!」」」」」」
「ここまでの強さとはね、流石と言うべきかしらね。」
カツェの部下達はカツェの所に殺到し、イヴィリタは感心したように俺を見てるな。
「それで、まだやるのか?俺としては白雪とジャンヌを解放さえしてくれればここから去るんだが?」
これ以上余計な争いはしたくないし、俺の体力が持たない。
「そうね、彼女らは今頃あの二人組によって解放されていることでしょう。」
そう言ってイヴィリタは俺に頭を下げてきた。えっ?何?これどういう状況?
「風雨君の力を見るためにあの二人を拐って申し訳ありませんでした。」
んなことだろうと薄々思ってたぜ。本気で殺すつもりなら戦車とかもっと物騒な物を使うからな。
「し、少将殿!?こんな奴に頭を下げる必要なんかありません!!今すぐ上げてください!!そしてこいつを磔の刑に!!」
「止めなさい、風雨君が本気を出せば貴女達は一瞬で殺されるわ。」
殺しはしねえけどさ、まあ戦術殻 氷を使えば辺り一面を凍らせて凍死させるって事は可能だけどな。
「これは私が風雨君の力を見るために仕組んだの。」
「仕組むなら、部下にも伝えておけよ?」
部下達は本気で俺を殺すつもりで来たからな?
「風ちゃん!!」
おっ、白雪とジャンヌは無事に解放されたな。
「じゃあ俺達はこっから去るからな。武藤、白雪達を先に車に乗せていてくれ。」
「ささ、白雪さん達!!どうぞこちらに!!」
うわきも、武藤がめっちゃ敬語で白雪達を車まで案内してるな。
「カツェは連れていかねえよ。だからそんなに警戒すんなよお前ら。あとカツェは気絶しているだけだからな?」
俺がそう言うとカツェの部下はカツェを何処かへ連れていったな。部下に愛されているんだなカツェ。
「部下を一人も殺さないでくれたのね。何と非礼を詫びたら良いのかしら?」
「殺したら武偵法第9条を破ることになるからな。詫びなんかいらねえよ。」
武偵法第9条を破ることだけは避けたいからな。
「カツェは異性恋愛罪で処罰されるのか?」
「いえ、不問にしておきます。」
「ありがとな。じゃあなイヴィリタ長官殿。」
そう言ってハイデルベルグ城を後にして、武藤が乗ってきた車に乗り込む。
「ふぅ、もう駄目だ。」
「駄目だって何がって風ちゃん体中から血が吹き出してるよ!!」
あの魔術の反動だな、さっきまで必死に押さえ付けていたけどもう無理だ。
「病院に行こう!!ねえ武藤君!!」
「その必要はねえよ白雪。武藤、何か食い物が食える所に行ってくれ。」
これ以上金は使いたくねえからな。
「もしもの時は、カツェを頼むわね風雨君。」
レストラン
「あむあむむしゃむしゃがつがつはぐはぐもぐもぐんぐんぐもちゃ~んごくごく!!」
「よく食べるな風雨。そんな怪我した状態で。」
エネルギーを取らねえと治るものも治らねえからな。あと怪我の治療くらい自分で出来る。
「山本、少しは落ち着いて食べたらどうだ?」
「食べるのを止めたら意識を失いそうだからな落ち着けねえよジャンヌ。それに血が足りねえんだ。」
「……あれ?」
ん?セーラが俺の方を見てビックリしているな。何か俺の体におかしな部分とかあったのか?
「傷が少しずつ塞がってる。」
「食い物食って傷が治るって、風雨お前ト○コかよ!」
どれどれ、本当だ!傷口が塞がり始めてるぞ!
「今なら釘パ○チが出来そうだな!」
「本当に出来そうで怖いわ!!っと、俺はここで離脱するぜ。」
武藤、もう行くのか。
「武藤君、本当にありがとね。武藤君は何も関係がないのに巻き込んじゃって。」
「いえいえ!男として当然の事をしたまでですよ白雪さん!!」
うわぁ、すげえデレデレしてやがる武藤の奴。まあ、見なかったことにしよう。
「風雨、何かあったら俺も呼べよ!?
「りょーかい。サンキューな武藤。」
武藤は会計をして車に乗って去っていったな。学校に戻ったら何か礼でもしてやるか。
「風ちゃん、風ちゃんも本当にありがとね。」
「気にすんなって。だから涙を流すなよ白雪。」
「私とジャンヌの為に、酷い傷を大量に付けさせてごめんね!ごめんね!」
あーもー、店内で泣くなよ白雪。生きてるんだから別にいいだろ。
「山本、お前は本当に無茶をするんだな。」
「武偵だから無茶をするのは当たり前だろジャンヌ?」
「その考えはおかしい。」
ホテル内
「いてて!!いだだ!!やっぱり傷口を麻酔なしで糸で塞ぐのはいだぎゃあ!!」
くそう、何で麻酔を持ってこなかったんだ俺の馬鹿。あっ、飛行機の手荷物検査で引っ掛かるか。
「ふぅ、これで大体の傷口は塞いだな。後は包帯を巻いて安静にしてればいいか。」
ピンポーン
「ん?こんな遅くに誰だ?」
白雪か?ジャンヌか?
「あっ!風ちゃんまだ起きてる?」
「起きてるぞ。こんな夜遅くにどうしたんだ?」
「えっとね、その、えと。」
なんなんだおっと!いきなり抱き付いて来たな。
「どうしたんだ白雪?まさか怖くて眠れなくなったのか?」
「うん、誘拐された時からずっと思ってたの。私の知らない所で風ちゃんが死んじゃったらどうしようって。」
あー、まあ今回の傷は死ぬのが当たり前の量だったからな。死ななかったのが奇跡だよ。
「それを考えたら眠れないの。だからね、今日は。」
「ちょっと待てちょっと待て!!何で服を脱ぎ始めるんだ白雪!?」
服を畳んで机に置いてスカートも下ろしてんだよ!?
「風ちゃんと、一つになってずっと風ちゃんを感じていたいの。」
おいおいおいおい!こういう時どうすんだよ!?どんな対応すればいいんだよ!?助けてスーパーキンジ君!
「白雪、取り敢えず服を着てくれ。確かに白雪の気持ちはわからなくもない。けど、そういう行為はしなくてもいいだろ?」
落ち着け、耐えろ俺の理性。耐えるんだ!
「でも!!こうでもしないと不安で不安で!!」
白雪が涙目でずいずいと寄ってくる。やーめーてー、その大きな2つのものを揺らさないでくれ!!
「大丈夫だよ!ゆっくりとするから!」
「そういう問題じゃないんだ白雪。すまんな、ぶっちゃけると今の状態でその行為をされると傷口がバックリと開くんだ。」
完全にムードを壊したな俺。でも事実だもん!
「そう、そうだよね。ごめんね風ちゃん、早とちりな行動をして。」
うわあ、白雪がすげえへこんでる。けど、このまま帰すのもなんだかなぁ。
「だから、これで我慢してくれ。」
「ふ、風ちゃん!?」
白雪を抱き締めながらベットに倒れ込む。白雪めっちゃい香りする。
「風ちゃん!風ちゃん!私強くなるからね、誰にも負けないように強くなって風ちゃんを守ってあげるからね!」
「守るのは俺の役目なんだけどな、まあありがとな白雪。」
俺今日眠れるかな?あとこっそりと覗いてるジャンヌとセーラ、明日説教な?
「「!!!」」
はい、これにてオリジナル編終了です。次回からは原作ルートに戻ります。
風雨の部屋の住人
山本風雨
星伽白雪
ジャンヌ・ダルク
カツェ・グラッセ OUT
セーラ・フッド IN