「「ボディーガード?」」
やべ、白雪と声ハモった。にしても、白雪を狙うならまだしも俺も狙ってるってどういうことだか。
「もしかして、その俺らを狙ってる奴はホモですか?」
「ええっ!?もしそうだとしたら、風ちゃんが筋肉モリモリマッチョマンの変態に、キャー!!」
「山本はゲイっと、新たな情報が聞けたなぁ?」
「先生、俺はちゃんと女の子が好きです!!」
何故ゲイの疑いが付けられたのか、ぐぬぬ。
「で、でも風ちゃんの初めては私が守り抜くんだから!!安心してね!!」
「わー、すごくあんしんだなー。」
言葉と体が一致してねえぞ白雪、口ではそう言いながらも息は荒いし今にも飛び掛かろうとしてるし。
「イチャイチャすんなら他所でやれよぉ、まあ、星伽は狙われてる奴にもう接触されたんだったよなぁ?」
「どんな人物なんですか。」
「魔剣、別の名をデュランダル。」
デュランダル、最近有名な武偵だな。しかも超能力を使える武偵(超偵と言われている)を狙う誘拐犯だったな。とは言え存在は都市伝説程度の存在の筈。
「だから俺にも護衛を付けろ、そういうことですか?」
「そういうことだ。つうわけでさ、お前ら護衛つけろ。アドシアードの期間だけで良いからさ。」
アドシアード、まあ運動会みたいなもんだな。ただ、物騒な運動会だけどな。チアがポンポンではなくて銃でダンスしたりとかな。
「でも……。」
「何度も言わせんなよ?星伽ぃ?山本は、どうでもいいかぁ。」
おお怖い怖い、綴先生が白雪を睨み付けてる。普段は駄目そうな雰囲気を漂わせてるけど、スイッチが入ったら俺や白雪なんか一瞬であの世行き確定たからな。
「何で俺に対しては適当な考えなんですかね綴先生?」
「あれだ、山本ならそう簡単に拐われる事も無いだろうしなぁ、重傷の身でハイジャック事件に乗り込んだアホだからなぁ。」
うげっ、誰にも言ってねえのに。本当にこの先生の情報網はどこまで広いんだよ?
「で、話はずれましたけど誰にボディーガードを勤めさせるんですか綴先生?」
「んー、そうだなぁ、こいつらがてきに「その話聞いたわぎゃ!!」おー、派手に転んだなぁ。」
換気口の入口からアリアが落ちてきたな、そして綺麗に着地、足を滑らせて盛大に転けた。
「いたた、って誰よ!?換気口の入口の直下にワックスをかけた奴は!?」
「さあ、誰がかけたんでしょうね~?」
「やっぱりアンタの仕業ね!!風穴空けてやるわ!!」
アリアは顔を真っ赤にしながらガバメントで俺の頭目掛けて撃ってきたが、それを近くにあった銃で弾く。
「うわあああ!!」
「あっ、メンゴメンゴ(笑)」
弾いた銃弾は天井に当たって、その衝撃でキンジが落ちてきた。やーい、間抜け!!
「あー、こないだのハイジャックカップルか。遠山くーん?サツに通報されねえようになぁ?」
「どうして俺があたかも罪を犯している前提なんですか!?」
「いやほら、アリアと一緒にいる時点で立派な犯罪だぞ?幼女誘拐容疑でな。」
キンジは無愛想だからな、アリアといると犯罪臭がプンプンするんだよ。
「んん!!さっきまでの話は聞かせて貰ったわ!!星伽白雪の護衛、あたしが受け持つわ。」
アリアは無い胸を張ってどや顔をして「ちゃんとあるわよ!!」んー、見えませんなぁ。
「ふーん、神崎・ホームズ・アリア、二つ名は『双剣双銃』。欧州で活躍したSランク武偵。書類上では功績は全部ロンドン武偵局が持って行ってる、協調性がないからだマヌケェ。」
「先生、そういうのはマヌケって言いません、アホって言うんです。」
「うっさいわよ風雨!!あたしは功績なんか興味ないだけよ!!」
口ではそう言ってるが、握った拳は震えてるぞアリア?精一杯の強がり乙!!
「何事もこなせるが、幼少期に家の池に落ちたのがトラウマで泳げ「わあぁぁぁぁぁ!!う、浮き輪があれば平気だもん!!」神崎ぃ、自爆してんぞぉ?」
綴先生にそう指摘されてアリアは顔を真っ赤にしてパニクっていた。面白いから写真撮っておこ。
「次に遠山キンジくん、性格は非社交的で、他人から距離を置く傾向有り。しかし、強襲科の生徒には遠山に一目置いてる者も多く、潜在的に一種のカリスマ性を持ち合わせているものと思われる。」
「俺にカリスマなんてありませんよ。」
無自覚だなぁ、これが今流行りの鈍感系主人公か。
「解決した事件は猫探し、ANA600便のハイジャックか、なんでやることがこう極端なのかなぁ?」
「俺に言わないでください。」
そう言い綴先生はキンジの違法改造された銃に対して注意していた。しかも注意しながら根性焼きをしてるし。
「だとさ星伽ぃ、なんか知らないけどSランク武偵が無料でやってくれるって。」
綴先生は手に持っていた合法ギリギリの草を使っている煙草を吸いながら言う。うわっ、煙臭!!
「嫌です。汚らわしい!!」
「どうしてよ!?なら、うんと頷かないとこいつらを撃つわよ?」
そう言いアリアは俺とキンジに銃口を向けてくる。物騒な手段使うなアリア、お前本当に貴族か?
「まあ待てよぉ、アリア。この依頼を受ければアリアと一緒にいるキンジも付いてくるぞ?」
「しかも護衛となれば24時間365日何時でもキンジと一緒に居られるんだぞ?」
「俺を景品扱いすんなよ!!」
えー、だってそうしないと白雪がうんと言ってくれないしなぁ。その為の軽い犠牲だよキンジ。
「キンちゃんと一緒にいられる!!で、でも!!」
うわぁ、白雪の顔がどんどんダラけていくな。でもおかしいな?キンジを景品にすれば頷くとは思ってたんだが?
「まだ頷かないかぁ、なら山本ぉ、お前もキンジの所に住め。」
「そうか、そうすれば護衛対象をまとめることが出来るな、って何でですかね綴先生!?」
「お前も一応狙われてるんだからぁ、四人で住めばいいだろぉ?」
いや、俺の部屋キンジの部屋の一つ上だし、別に一緒に住まなくても良くね?
「風ちゃんと一緒に住める!!そしてあんなことやこんなことが!!おお、お願いしますすすすぅぅぅ!!」
「おい、それでいいのか生徒会長?」
白雪が俺の名前に反応してかなり舞い上がっていた。勘弁してくれよ本当に。
「俺は住みたくない。」
「ボディーガードとして命令よ、アンタもキンジの部屋で暮らすこと。」
「嫌だ。いいかアリア、俺は部屋の中ではゆっくりしたいんだ。だらだらする時は、誰にも邪魔されず、自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで「黙りなさい。」へい。」
ああ、俺の静かな暮らしが。まあ、少しの間我慢するか。
「なぁ、俺の意思は?」
「んなもんあるわけないだろキンジ。」
というわけでキンジの部屋にアリアと俺と白雪が住むことになったんだが、問題があるんだよなぁ。荷物?それはあの武藤が運んでくれたよ。俺に殺気を浴びせながらな。
「キンジ、アリアと白雪が同じ空間にいると絶対喧嘩が起きると予想していたわ。」
「奇遇だな風雨、俺もそう思っていた。」
キンジもか、そりゃそうだよな。アリアと白雪が最初に顔を合わせた時の状況を見ればそう考えるよな。
「銃撃戦とか始まって部屋が滅茶苦茶になると思ってたんだけどなぁ。」
「風雨、いい加減現実に戻ってこい。」
はいはい、ん?何で俺が現実逃避してたかって?
「えへへー、風ちゃんと一緒!風ちゃんと一緒!嬉しいなぁ!!」
白雪が満面の笑みで俺に抱き付いたまんま離れないんだよ。アリアと喧嘩させようとしても無駄だったしなぁ。
「アンタと白雪ってどんな仲なのよ?」
「よくぞ聞いてくれましたアリア!!風ちゃんと私は生涯永遠の愛を誓いあったパートナーなんだよ!!」
「そ、そうなの!?キ、キンジ!!私達もパートナーの理解力を深めるために永遠の愛を誓い合うわよ!!」
「どういう理屈でそうなったアリア!?全然関係ないからな!!あと風雨、なんか白雪に言ってやれよ!!」
あー、早く俺らを狙ってる奴来ないかなー。早く静かな暮らしに戻りたいなー。
「そういえばアリア、キンちゃんとキスをしたって言ってたけど、ど、どんな感触だったの?」
「うえっ!?しし知らないわよ!!わ、私もよく覚えてないのよ!!」
あっ、何か嫌な予感がするからある準備をしておこ。
「キンちゃん、アリアとキスをした感想は!?」
白雪が俺から離れてキンジに詰め寄ったな。ふむ、窓の位置はあそこか。
「お、俺も必死だったからよくわかんねえよ!!」
「よくわからないんだね!!なら風ちゃん、今すぐ私とキスを!!」
白雪はテンパりながら俺に向かって飛び込んできた。おいおい、行動力ありすぎな大和撫子だな。
「右から、右から、何かが来て~るぅ。」
「いきなり歌い出してどうしたんだ風雨?」
「それを、俺は、左に受け流すぅ~!!」
「ちょ!?おまっ!!うわあああ!!」
白雪のダイブを俺は受け流してキンジに向かわせた。キンジは吹き飛ばされて東京湾に落ちていったとさ。
「「キ、キンジ!?(キンちゃん!?)」」
「悪い、ふざけたくなったからやっちゃったぜ!!」
まあこの後、アリアと白雪にこっぴどく怒られました。ふざけたっていいじゃないか!!