構想を練っていた頃にEp5とHrが発表になったので書いている間に色々と物語に込められればと思いながら、どんどん時間が過ぎて行っていまして今やPhをどうしようかと悩んでたり(笑)
SEGAのPSO2部門では、他部門や他社などから有志を募ってAIと闘っていた。だが、不眠不休で戦える相手に常に劣勢を強いられていた。
その中でサーバー自体を止めてしまう考えも出たが、電脳世界に取り残された人間たちにどの様な影響が出てもおかしくない事や、全員が無事でいられる保証もないため、サーバーは如何なる時でも最高の状態にあるように整備だけが行われていた。
「手をこまねいているだけと思うなよ・・・」
苦しそうな声を上げながらも酒井は今までのデータを洗い出していた。相手はコンピュータと言え知識や模倣であっても感情を持ち合わせている。ならばそこに付け入る隙や弱点があると信じて。
「ありましたよ酒井さん!」
別室で同じ作業をしていた木村が数枚のデータを映したプリントをくしゃくしゃに握りしめながら、近くのテーブルに資料を広げた。
「何とかデータだけならすり抜けられる穴がありましたよ!」
そのデータを酒井も噛り付く様に眺めたが、暫くして溜息を吐きながら落胆する。
「これじゃダメだよ・・・」
とても疲れている様子を隠す気もなく椅子に座りこんだ。
「何でです?」
「それをちょっと前に使ったけど、データはある程度送れたけど、それを使って新たな人が行き来するルートは作れなかった。もちろんAIのデリートプログラムもね」
何も出来ない事が歯痒く、イライラが限界まで募っている事を声が教えていた。
その言葉に木村は何も言えなくなってしまう。
「酒井さんゴハン持ってきましたよ!」
その重い空気が立ち込める空間に明るい声が響いた。
その声の主は中年の2人組の男、なすなかにしの2人だ。
「あぁ、ありがと・・・」
何とか絞り出した声で礼を言いながら、食べ物と飲み物が入ったコンビニ袋の中から、刺激物を欲しコーラを開けて飲み始める。
木村は、たらこおにぎり手を伸ばした。
食料を口に運ぶ2人に安堵しながら、中西の目に先の資料が飛び込んだ。
「なんです?これ」
見てもちんぷんかんぷんなソレに付いて質問する。
「それはVRサーバーにアクセス出来ることが分かったんだけど、人の行き来とか根本解決できないと分かった無駄な資料」
皮肉交じりに酒井が呟く。
「そうですか、当初やろうとしたみたいに強い武器でも送れれば良いんですけどねぇ」
と残念そうに那須が呟く。
その言葉に全員がため息をついた。
「それだ!」
酒井は何かを思い立ち、弾かれた様に席を立つとシオンとの通信に使っている端末を操作し始める。その端末からとあるデータサーバーに繋ぎながらシオンを呼び出す。
「どうした、酒井?」
困惑しながらモニターにシオンの姿が映し出された。
「この前の経路から、このデータを適用させられないか?」
シオンにデータを渡し検証を促す。
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「このデータは使える!」
シオンでも驚きの声を上げるほどだった。その言葉に酒井は手を鳴らしながら、端末を弄る。そういう作業はほぼ出来ないが、端末から各所に連絡などは出来る。
「どうしたんですか、酒井さん!」
たらこおにぎりを何とか呑み込み終わってから、木村が酒井の下に現れる。
「逆転出来るかもしれないんだ、ヒーローを使って!」
とても興奮した様子の酒井の言葉に木村は耳を疑った。
「ヒーローって、データは出来てますけど検証してないじゃないですか!」
その言葉に耳を疑いながらも、木村は言葉を返した。
「だけど、シオンが使えるって言った、だったら逆転の一手になるかもしれない!」
酒井が操作する端末に解凍されるデータがウインドウを開いたり閉じたりしながら表示されていく。
其処には、現在のPSO2には存在しない新クラスとそのナビゲーターNPCのデータであった。
リアル/ゲーム
名前 ??? / マツタケ
性別 女 / 女
身長 ??? / 162cm
体重 ?? / 49kg
メインクラス FiHu
カンストクラス
ship9で実況を録っていたマツタケさん。本人の承諾を得ての登場です。