始まるよ!
ーー 衛兵を倒して1時間経つけど、未だに森から抜けられず同じ様な景色をぐるぐる回ってる気がする…。
人に道を聞こうにも全く人の気配がしない。額に流れる汗を拭い、神経を尖らせ、エレナ様から貰ったスキルの1つである、解析スキルの応用『脳内地図(マッピング)』を使ったが、複雑過ぎて吐き気がする…
しかも霧が出てきた、最悪かよ…。 と油断していたら、いきなり後ろから誰かが襲いかかって来た。
狙う場所はヘタクソだが、霧の中だから俺の『第六感(シックスセンス)』が少し遅れ、肩に掠った。
「痛てぇな、おい!」と少し乱暴にその刺して来た奴のの背中に手首を抑え、木剣を首に当てた。
「誰だ、オマエ」
と見たらいわゆる、ゴブリンがだったようだ。
途端に霧が生え『脳内地図』が正常に発揮した。
ーーどうやら、コイツの仕業みたいだな。 さて、どうしようか?
考えていると、ゴブリンが俺に叫んだ…。
「オマエ、侵入者!魔王サマがユルサナイ!」
ピクっと無意識に俺の手が一瞬止まったが、そのまま木剣を動かしゴブリンを気絶させた。
ーーゴブリンというのは確か、集団で動く奴らで、単体で動くことはあまり無い。 さらに気にかかる点はゴブリンは進化を遂げない限り『人間の言語(ヒューマンランゲージ)』を話すことは出来ない。 片言とはいえ、 あとは「魔王」というワードが出てきたことだ。
しかも今の感じ何か違和感を感じる…。
ーーう〜ん、なんというか、操られていたような感じだ…。とりあえず、始まりの街ユースピアへ歩いていたら、やっとのことで着いたぜ
「ここが…ユースピア!」と達成感と歓喜に震えていると、門が開いた。
衛兵が出てきた様だ…どうやら通行料がいるようでこの前の衛兵からくすねた1000ゴルド日本でいう1000円を渡して中へ入った。
鑑定する場所は酒場又はギルドと言われている所だ。
「ギルド」というのは2~8人で結成されるパーティーを大規模にして大型クエストをこなす為に作られたもので、そのギルドの規模はギルドに所属する人数とギルドマスターの実力によって変わるらしい。
早速ジョブ鑑定をする為中へ足を踏み入れると、1人の大男が顔を真っ赤にし暴れていた。
ーーどうやら、自分の適正ジョブが農家しか
なくて暴れているらしい。はっきりいうと、どうでもいい。まぁ、他の人手は大型イベントクエストとやらで出払っていて、俺1人しかいないので止めるのも俺しかいない。
(フッ…本当に運ねぇな俺。)
と自嘲気味に笑い頭を掻くと気配遮断を使い、木剣を手に一瞬で大男の首を打ち、気絶させた。とりあえず、拘束して他の人が来るまで待とうと思っていると、カウンターの奥から女の人が出てきた。
「あ、あの…ありがとうございます!」
ーーアレ?いたの?気づかなかった…。
「私、ギルドの受け付けをやっている、アリーナというものです。」
ーーお? なら話が早い。
かくかくしかじかと説明したら、変なアイテム渡された…。
「これは『ガントレット(龍籠手)』と呼ばれる物です自分のステータス、HP、所持アイテムを出し入れする優れ物です!」
ーーふーん…
「あ、あれ?何か反応薄くないですか?」
ーーイヤだってエレナ様のおかげで大体の敵のパラメータは解析できるスキルがあるとは言えないので、有難く頂こう。
…にしても、始まりの街だからもっと人がいるのかと思ったが大型イベントクエストがある、というのを差し引いても、全く人がいない。
周りをキョロキョロ見渡すとそれに気づいたアリーナという女の子は話始めた。
「この街はあまり人がいません。つい最近、魔王と呼ばれる悪魔がこの街の先にある森でダンジョンと呼ばれる建物を造ったんです。そのダンジョンの奥にある剣のせいで、ここに森から流れてきてた水も止まり、更には動物たちもいないという状況です。」
「じゃあ、今日衛兵たちやここに人がいないのは大型イベントクエストに大人数でクリアしないといけないからか?」
「はい…クエストのクリア方法は至って簡単なんですよ? 魔王が最深部に刺した剣を抜けばクエストクリアなんですけど…」
「誰も剣を抜くことができないと…。」
「はい…。」
なるほど、苦労してんのか…。と考えているとアリーナは、パッと顔を上げこちらにカードをこちらに渡してきた。
ーーなんじゃこれ?Pon○aカード?
「すいません変な話をして…、これは貴方の天職を示すカードです。このカードは絶対なので間違ってることはありません!」
ーーこれで俺がナイトや勇者などのジョブを当てればクエストに参加できるという訳か…。
「あ、もし農家を当てても暴れないでくださいよ?」
チラッとあちらでのびている大男に視線をやった…。
俺は苦笑いをして、首を横に振るとカードに手をおいた
すると、カードの文字が動きだし徐々に俺のジョブを示した。
ーーだがおれはそれを見た途端、絶句した。
「まさか、本当に農家だっ…た…り…って、えぇ!?」
アリーナも驚いた無理もないこのカードに書かれていた俺のジョブは「魔王」。そう書かれていた。
とりあえず、アリーナを宥めるのに小一時間費やし、
気絶していた大男の寝息がいびきに変わり始めた時、俺はアリーナに聞いた。
ーーそう、このジョブについてとこの世界のシステムについてだ。
「この世界には魔王と呼ばれる悪魔が何体も居ます。具体的な数はわかりませんが、とにかく10体以上はいるらしいですよ。 そしてこちらにはその魔王への対抗勢力として「四帝」と呼ばれる勇者達とそれを支える10席と呼ばれる勢力でどちらも桁違いの力を持っています。」
「へぇ、で俺のジョブは?」
すると即座に答えが返ってきた。
「分かりません。」
ーーマジか、とりあえずさっきのダンジョンとやらに向かうかと武器の木剣を手に持ち駆け出そうとしたら、後ろから声がかかった。
「もし、クリアしたらもう一回ここへよってくださいよ!」
俺は苦笑いすると振り返らず大声で応えた。
「約束するよ!」
ーー俺の初めてのクエストが始まるぜ!
ポケモンマスターになりたい