倉田ましろが一年の時はつぐが二年、紗夜と日菜は三年ですが話の都合、つぐとましろは同い年で倉田ましろ一年の時につぐは1年、紗夜と日菜は2年という感じにつぐとましろは同い年設定です。
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ましろが死んで2ヶ月が経った。
春を向かえ桜が咲きわたしたちは学年一つ上がった。
だが時が進もうとわたし達の時は進んでいなかった。
あの日から止まったままだ。
彼女の願う「夢」とは何だったのだろう。武道館に行くこと、単純明快だ。
それだけなのに、少し前まで分かっていたことが、今は全く分からない。
「考えてもわからないよ…」そう1人でいるCiRCLEのスタジオに虚しく響く。
人間とは1人では無力だ。
今ほどそれを思い知らされるものは無い。
本当に俺にConcertsを繋ぎとめられるのか不安が襲う。
今日も一人ぼっちでの練習がおわり片付けをしてスタッフに声をかけて帰路につこうとした。
しかしCiRCLEをでるとそこには氷川日菜がいた。
「ゆきくん・・・」
「・・・日菜・・・」
日菜は真っ直ぐと俺を見つめてくる。
「ゆきくんは本当にConcertsを続けたいと思う?」
その問いに俺は答えられなかった。
分からなかったのだ。
彼女は武道館を目指していた。だがそれはMorfonicaでなのかConcertsでなのか、また今の現状を見ても目指して欲しいと言うのだろうか、意味が無い行動に思えてきていたからだ。
すると日菜は
「私ね分かったんだ。
シロちゃんが居なくなってからいっぱい考えたの。パスパレも大事だけどConcertsも私の中でかけがえのないものになってたの!」
彼女の瞳は潤んでいた。
溜まりに溜まった思いが決壊し溢れ出す。
日菜は天才だ。この現状を誰よりも、もしかしたら俺よりも理解しているかもしれない。
それでも現状を壊したいと動いた。
「もう遅いかも、無理かもしれないけど、
私は!Concertsを続けたい!」
そのことに俺の胸の中に「ドクン」と熱いものが溢れ出す。
その日のCiRCLEは暖かな夕焼けが2人をてらしていた。
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日菜と別れ暖かな夕焼けを背に帰路に着く。
永遠なんてものはないと分かっている、それでも彼女とずっと一緒にいたかった、なにか繋がりを保ちたかった、だから俺は固執しているのかもしれないな…
そんなことを考えながら歩いていた。
3月のまだ冷たい風が横を通り抜ける。
「美雪くん。」そう懐かしい声で呼ばれた気がして俺は勢いよく振り返る。
だがそこに居たのは会いたいと望んでいる人はいない。
いるはずもないのに期待して勝手に絶望している自分に嫌悪感を抱く。
そこにいたのはMorfonicaのギター、桐ヶ谷透子だった。
「透子ちゃん…」
「少し話したいから歩きながら話さない?」
その目から逃げられないと悟り頷く。
そして横に並び歩いていると単刀直入に聞きたいことを聞いてきた。
「Concertsは解散するの?」
「「は」ってどういうこと?」
少しの沈黙・・・
「Morfonicaはね・・・ 解散したんだ。やっぱりシロがボーカルで引っ張ってくれたから・・・
でも皆で話し合って決めたんだよ・・・
だからConcertsはどうするのか教えて?」
Concertsの今後、それは俺が最も疑問に思っている事だ。
「解散しないよね・・・?」
今のConcertsは日菜が戻ってきたとは言え皆まだバラバラの方向を向いている。
現実を伝え彼女の希望を打ち砕くか、それとも実現不可能な戯言を安易に述べ希望を与えるのか?
一瞬迷うが彼女の瞳は真剣だ。
ならこちらもありのままをつたえるのがスジだろう。
「すまない。ましろが居なくなった時点でConcertsは終わりだ。
皆バラバラの方向を向き他バンドも崩壊しかけてる四面楚歌ないま、ましろなしではConcertsは機能しない。
ましろはリーダーだった。リーダーが居ない国は崩壊する。
今のConcertsはそれだ。」
俺は思ったありのままを透子に伝えた。
解散は至極当然である。何も間違ってはいない―――。
透子は暫く立ち止まり黙り込んでいた。
透子は何か決心がついたのか拳を握り締める。瞳には先ほどの迷いはない。
そしてこちらにジリジリと詰め寄り俺は横の壁際に後退する。そして壁際に追い詰められた時、俺の顔面に衝撃が走った。
それがなんなのか理解するのにそう時間はかからなかった。
そして透子が口を開く。
「最低!!!
あなたなら・・・!!!
ましろの双子の兄である、ましろが大好きだったあなたなら!ましろの気持ち、わかってくれてると思ったのに・・・。」
そう言い捨て涙を流しながら透子は走っていった。
何を望み願ったのか。
そんなもの彼女以外に知る由も無い。
以前の俺ならば、恐らく理解できたかもしれない、そう思い座り込んだ俺。
その日はえらく夕焼けが目障りに見えた。